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資金管理の重要性 vol.2

一寸先は闇

昨日、資金管理の重要性について書きましたが、その翌日にその教科書的な出来事が起きましたね。

FXのトルコリラ/円です。

何が起きたかというと、トルコのエルドアン大統領が20日(土)未明、インフレ危機に利上げで対応してきたアーバル中銀総裁を任命から5カ月足らずで電撃解任したのです。

実はトルコリラは、ここ数ヶ月上げに上げていました。
元財務相のアーバル氏は昨年11月の就任以来、主要政策金利を19%まで、計875ベーシスポイント(bp)も引き上げていたからです。
(トルコリラに投資すれば利率19%も付くんだ!トルコリラを買おう!となるのは当然のことです)


2020年11月6日に12.04円だったトルコリラは、先週末3月19日(金)の時点では15.08円まで上がっていたのです。


仮に、手元資金が200万円だったとして、2020年11月6日にトルコリラが絶対上がる!!という自信が湧いてきたとしましょう。

トルコリラを10,000倍で100枚買い建てた場合、保証金はFX会社によりますが、30万円くらいでしょう。
証拠金使用率が100%だとすれば、実際に投資できるのは100万円ですので、100万円÷3=約300枚は建てられます。

2020年11月6日から先週末3月19日までで、3.04円も上がったわけですから、利益は3.04×10,000倍×300枚で912万円!!!!

200万円の投資で考えたら純利益が712万円ですから、本当にすごいですよね。

ブラックスワン現る

さて、そこまではOKです。

議論は、712万円のプラスのまま、人間は黙っていられるのか?という話になってきます。

あなたはこれだけ儲かっているのに、そのままのポジションで放置できますか?

普通は「200万円が912万円になったのだから、もう少し積み増して、400万円くらいは投資に回そう(512万円は取っておこう)」
くらいは考えそうなものですよね。

400万円の投資金なら400万円÷保証金30万円=1,300枚は買い建てできます。

つまり、3月19日時点で15.08円だったトルコリラが16.08円に上った場合、1300万円プラスになります!
すごい!買い増しだ!

この先は輝かしい未来しか見えません。
と。
思いきや。
まさかのエルドアン大統領がアーバル中銀総裁を電撃解任です。

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なんと一日で2.288円も暴落しました。

さて、損失金額を計算してみましょう。

2.288×10,000倍×1300枚=2,974万円のマイナスです。

ここで投資人生は終了です。

投資人生だけではないかもしれませんね。手元の資金は912万円でしたから、2,062万円足りません。
これを親や親戚に頼んでどうにか補填しなくてはいけません。
リアル人生も終わりかねないです。

なんでこんなことになったのでしょうか。
理由は、「200万円で712万円も儲かったし、もうちょっと積み増そう」と思った、ただそれだけです。

たったそれだけの思いつきで人生終了です。

怖いですね。

そうならないよう、事前にルールをしっかり設定しましょう。

※ちなみに「別に2,974万円のマイナスが出たって、トルコリラ/円を持ち続けていれば、いつかは値が戻るわけだから、別に投資家人生は終わらないのでは?」と思った方がいるかも知れません。
しかし、それは現物取引の話です。
FXや商品先物、株価指数取引などは、株で言う信用取引みたいなもので、実際の金額以上を投資しているので、マイナスになった時点で買い建てした(FXではbid)注文は強制的に決済され、マイナス2,974万円は確定してしまうのです。

和亀

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