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キャリアブレイク

無職というもやもや

  自己紹介する時など、今の私の状態とか属性を説明するのに困っていた。
  無職?と言えば無職だけど、全く無収入というわけではない。雇用手当をもらったり、少しだけ働いたりもした。もちろん年金生活なんて、まだ先の話だし。

会社を辞めた理由

 会社を辞めた理由は一つではない。小さいものから大きなものまで話し始めたらきりがない。何せ30年以上勤めていたのだから。
 逆に会社に30年以上勤め続けていた理由も山ほどある。

 会社を辞めた大きな理由は、考える時間が欲しいと思ったから。
 経済面や会社の安定性、仕事の内容など、大企業だから世間一般の同世代の女性はもちろん、男性と比べても恵まれている方だと思っていたけれど、このまま会社にいても何も変わらない。

 私自身も、私が実現したいと願っていることも、変えたいと思ったのだ。

 私自身が変わるために、未来を変えるために、過去を振り返り必要な知識やスキルを身に付け、調べたいことを調べるための時間が欲しいと思った。
 それには定年まで待つより少しでも若い方がいい。
 
だから退職しても何もしていないわけではない。再び働く意思はあるし。

「キャリアブレイク」に出合う

 そんな時に、「キャリアブレイク」という言葉に出合った。

 キャリアブレイクとは、「今まで中心的に活動してきたキャリアの役割を手放すことによって、新しいキャリアの役割に向けて自分と社会を見つめなおしている期間」※をいう。

 この場合のキャリアとは、「ワークキャリア」ではなく「ライフキャリア」を意味する。ライフキャリアだから、仕事の役割だけではなく、人生の様々な役割が含まれる。

 私は仕事だけではなく、両親を見送り、介護や娘という役割も終えていた。そしてまさに新しいキャリアの役割に向けて自分と社会を見つめなおしている。
 今の私の状態を表すのにこれ以上ふさわしい言葉はない。
 
 ただ、いちいち言葉の説明が必要な点には困っているけれど。


【参考文献】
石山恒貴/片岡亜希子/北野貴大共著『キャリアブレイク』千倉書房、2024年、11頁

#均等法 #男女平等 #ジェンダー平等 #キャリアブレイク

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