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【2歳】いちばん古い思い出
日本舞踊にまつわるいちばん古い思い出は、
初舞台に向けたお稽古です。
父に日本舞踊を習い始めたのは、2歳。
まだまだ身体も小さく、ふわふわ動くような年齢です。
鮮明に覚えていることが、ON /OFFの切り替え訓練。
稽古場ではきちんとON、おうちではOFF
24時間一緒にいる家族に習っているからこそ
意識的に訓練したスキルだと思います。
稽古場での正座、お辞儀、ごあいさつ、音楽にあわせて動く
子供ながらに、これだけはちゃんとやるものだと認識できました。
よくインタビュー取材などを受けるときに、
幼少期の稽古は厳しかったかどうか、ご質問いただくことがあります。
たしかに叱られることもありましたが、一方で
両親はいつも、幼かった私に本気で向き合ってくれていました。
現在、わたしも子供たちに指導をするようになり、
数分間の踊りを2歳の子供に教えるという、根気、大変さ、
そして何よりも、できることが増えていく喜びが
少しずつわかるようになりました。
畳の上で、いぐさの匂いを感じながら、一生懸命踊り始めた
断片的な記憶が、いちばん古い日本舞踊の思い出です。
日本舞踊との出会いに、改めて感謝したいです。
日本舞踊家 有馬和歌子
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