そもそもベテラン社員に対しての期待とは?
社会人3年目の女性の愚痴を1年目から聞いていたがそこに頻繁に登場していたのが職場の“おじさんたち”だった。”仕事を教えてくれない””飲みに行くことしか考えていない”などなど、昔からの慣習に馴染みようやく職場の心地良さを満喫している方々の姿が目に浮かんだ。
その悩みに寄り添いつつ、自分と同世代の人達がディスられているのが自分事のようになんとも複雑な気分になり、一般的には”不要”と思われかねない年代なのだと痛感するのだった。
そもそもベテラン社員に対しての期待とは何なのだろうか?経験?懐の深さ?人脈?知識?それら全てだろうが、更に、個人的には他世代と心地よく共存できるためのスキルが今後不可欠になると考えている。過度に若い人の負担にならない、足を引っ張らなくなるようなスキル、また更に上の世代と下の世代をブリッジするスキル。そのために必要なのが以下2つだろう。
・今やどうにも避けられないITスキル。これは会社によって必要な程度が異なるだろうが、少なくとも都度都度分かる人に声をかけないで済む、社内の効率化についていける程度など。
・世代や人によって異なる”常識”を理解するスキル(人の話を聞く力、変化を受け入れる力)ネタ的に流行りすたりを知ることも効果があるかも知れない。(ただし、若者に対し、「あー○○って若い人の間で流行っているんだって?」的な使い方は避けるべし。)
スキルというのは実際使わないと身につかない。講習一回っきりとかでは逆に無駄にしかならない場合だってある。年代によっては長年の習慣を壊しながら新たなやり方や方法を積み上げていかないとならない。個人の意識、意欲でどうにかなるものもあるだろうが、会社側がベテラン社員にどうなって欲しいのか、会社の文化がどうあるべきなのか、そういった会社側の姿勢も大きく問われる問題でもある。
ベテラン社員にとっても今は楽ではない時代だ。年功序列が崩れかかり、氷河期組の人達もベテラン枠に足を踏み入れるつつあることを考えると、ともかく人数が多く、「45歳定年説」も話題になる今日この頃、年齢で切られると簡単に不要扱いされかねない。ただ、ベテラン社員の後ろには家族がいることも多く、その中には未来を担う子供達も、学生もいる。未来の世代が安心して生活する基盤を確保するためにも、ベテラン社員のスキル向上には雇用者側にも積極的に臨んで頂きたい。
人口ピラミッドとは言うものの、いわゆるピラミッド型に戻る日は当分ない、いや二度と戻らないかも知れない。共存共栄のためのスキルは必須なのだ。