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雑感:コップの中の争い?~自民党総裁選~

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 見た目的にはコロナそっちのけ?と見られても不思議ではない感じで火蓋が切られた自民党総裁選です。今回は、自民党総裁選をテーマに書いてみたいと思います。

1.コップの中の争い?

 このフレーズは、小泉純一郎総裁(総理大臣:当時)を選出した際の総裁選で、青木幹雄参院幹事長(当時)が発したフレーズとしても有名です( http://www.shikoku-np.co.jp/national/political/20010421000050 )。その当時の派閥の領袖や自民党内の重鎮クラスから見たら、自民党というコップの中におけるリーダーという人形を選ぶのが自民党総裁選で、党としてあるいは自分自身の議席保持のために欠かせない票田としての利益団体の利益を大切にすることに着眼点が置かれていたのだろうと思います。小泉氏が総理大臣として施してきた政策の良し悪しについてここでは触れませんが、己の意思を貫いてなんとか形作ってきたのが小泉氏なんだろうと思います。この根源はオーラルヒストリー・政治史研究の第一人者である御厨貴氏の著書『知の格闘: 掟破りの政治学講義』の中で、小泉氏とのエピソードから見受けることができます。(参照:pp49~52)

 こうして見ると、前政権から続く腐臭に満ちた政治から何かを変えてくれるのではないか?という感覚と劇場型政治と表現される小泉氏の政治手法がマッチした結果として自民党のイメージが変わったという事を考えると、やり方次第では一口にコップの中の争いと断言しきるのが難しい可能性もあります。

2.今回の自民党総裁選

 自民党本部で開催された今回立候補を表明した河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子の4候補の所見発表演説会で、各候補は次のように述べています(内容は自民党HPより引用)

河野候補は、デジタル化を核としたイノベーションを推し進め、東京一極集中を是正すると主張しました。
岸田候補は、「成長」と「分配」の好循環による、国民の所得向上などを目指すと訴えました。
高市候補は、戦略的な財政出動で、強力な経済を構築し、科学技術力や外交力の強化を実現すると力説しました。
野田候補は、直面する少子化問題に対処するため「こどもまんなか」を成長戦略に位置付け推進していく考えを強調しました。

 こうして並べてみると、主張の核となる考え方がバラバラで何に重きを置いていきたいか?というのがよく分かります。しかし、この流れをきちっと汲み取る総裁選になるのかな?という疑問を感じます。

3.衆議院選挙への不安と顔選び

 政治学者の砂原庸介氏は著書『民主主義の条件』の中で、政党ラベルの評価を決めるのは組織としての政党の決定で、政党としての決定を方向付ける政党リーダーの役割は非常に重要だと指摘しています。(参照:pp86)1.で紹介した小泉総理(当時)で有名な郵政解散と呼ばれる第44回衆議院議員総選挙では、郵政公社の民営化法案について参議院で否決されたことを受けて解散に踏み切ったという観点から、政党として公認する候補は郵政公社の民営化に賛成の候補が並んでいるという点では分かりやすい印象がありました。しかし、今回の総裁選においては次の観点から政党のリーダーを選ぶための総裁選?という疑問符を付けたくなります。

 自民党内の当選3回以下の若手が中心となって結成された「党風一新の会」という組織です。代表世話人の福田達夫衆議院議員は福田康夫元総理大臣のご子息に辺ります。NEWSポストセブン配信の記事によると、「党風一新の会」の会合の中で、「地元で『密室政治、長老政治ではないか』『派閥で物事が決まっていないか』という厳しい意見をいただいていると思う」と長老支配を批判して総裁選では派閥の締め付けによらない自主投票の実施を求めていると声を挙げています。

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 上記は前回2017年の衆院選で福田氏が立候補した群馬4区の結果です。(参照: https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/2017/#!skh_1004 )福田氏のようなケースの人もいれば、小選挙区と比例代表の重複立候補で比例代表で当選した人もいます。

 新型コロナウイルスもさることながら、民主党(当時)から自民党へ政権交代となった選挙以降、見た目的にクロっぽく見えてグレーとして押し通された不祥事関連によって生じた自民党への不満・不安を自らの手で改善させる努力に乏しい人にとっては選挙の頭を誰にするか?は、自分自身の議席保持のためには一大事です。だからこそ、今回の総裁選が砂原氏が述べる政党ラベル向上に資するリーダーを選出する色合いを持っているのか?という疑問符を覚えます。

4.予想は野暮ったいので・・・

 この動画に限らずネットニュース等で予想記事が飛び交っていますが、野暮ったいのでやめておきます。ただ、総裁選報道によって直近の課題である新型コロナウイルス等陽の目が当たりにくくなることだけは避けていただきたいと思います。

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