雑感:~決着~自民党総裁選
どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。
自民党総裁選の結果、岸田文雄氏が新たな自民党総裁として決まりましたね。間接民主制の日本においては、政権与党のリーダーがそのまま国のリーダーとなる仕組みのため、一挙手一投足に注目したくなる部分はあるとは思いますが、そこまでフォーカス当てるほどなのかなぁ?とも思う自分もいました。今回は、決着のついた自民党総裁選についていくつか書いてみたいと思います。
1.結果
一先ず、今回の自民党総裁選の結果を振り返ります。(参照: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210929/k10013282241000.html )
岸田氏:国会議員票146票+党員票110票⇒256票
河野氏:国会議員票86票+党員票169票⇒255票
高市氏:国会議員票114票+党員票74票⇒188票
野田氏:国会議員票34票+党員票29票⇒63票
1回目で過半数を獲得した方がいなかったため、上位2名(岸田氏・河野氏)による決選投票となりました。
岸田氏:国会議員票249票+都道府県票8票⇒257票
河野氏:国会議員票131票+都道府県票39票⇒170票
下馬評では河野氏が国会議員票もトントンな値になるのでは?と言われていましたが、蓋を開けてみると意外な程に差が付きましたね。
2.議員票と党員・地方票の差
政治学者御厨貴氏によると、小泉純一郎氏が総理大臣に選出されたとき、小泉氏は総理大臣ができることはなんでもやろうと大統領制を志向し、その裏付けとして地方票での圧倒的な勝利(下図)が自分は大統領的な総理のなり方になったんだということを意味していると言います。(参照:『安倍政権は本当に強いのか』 pp179)
こう考えると、党員・地方票の差と議員票の差が意味することがなんなのか?という事は今後の党役員の人事や組閣人事にどう影響するのか?という部分は注視していかなければいけないと思います。小泉氏みたいに派閥なんて関係ねぇ~という形で総裁選時に見せつけた二階幹事長へ突き付けたレッドカード等をはじめとした自分自身が成し遂げたい政策を遂行するための人事にするのか?はたまた派閥のパワーバランスに配慮する形の人事になるのか?という部分が今後楽しみな視点ではあると思います。
3.情報公開に注目がいった
自民党の総裁選挙というコップの中の争いのため、実態についてはよく分かりませんが、1つのポイントとして情報公開・情報伝達の部分が今回の岸田氏と河野氏の差に出たのかな?という部分を感じます。
上記の動画はTBSテレビのニュース番組「news23」で行われた自民党総裁選討論会の映像です。キャスターが「もちろん、今後の感染状況次第という面があるのだとは思いますが、一方で目標があれば頑張れるという側面もあるのだと思います。こうしたことを示していくのもリーダーシップだと思いますのでぜひここはお答えいただきたく思います」とした上で「飲食店でのお酒の提供の解禁など制限の緩和はいつごろを目指しますか」と質問し、A「11月ごろ」・B「年末年始」・Cが「来年春の卒業式・入学式ごろ」の3択が札を上げてくださいという質問に対して、河野氏は次のように回答しました。(文章はスポーツ報知9月23日配信の記事から引用)
「私はこういう無責任な質問はよくないと思います。特にメディアが」/「前提も分からない中で何がいつごろできるんですか?ということを申し上げるのは何か淡い期待のようなもの。で、それができなかったらどうする。どういう状況になるのかも分からない。変異がどういうふうになるか分からない中で、やっぱり科学的なデータをきちんと集めて、お示しをして、それを政府としてどう解釈するのか。だから、こういう政策に協力をして欲しいと申し上げるのが筋だと思うんです」/「そういう前提のデータも何もなくて、じゃあどうしますか?というのは…。それは簡単ですよね、こうしたいです、ああしたいです、と。それが責任のある政治だとは私にはとても思いませんし、責任のあるメディアがこういう報道の仕方をするのは、私は少しおかしいのではないか?やっぱり、みんなで科学的データをきちんとそろえてそれをどういうふうに解釈するのかというところが議論するのだったらそれを議論すればいい。その上でじゃあ今、こういうことをやるべきかどうかを議論するんだったら、それを議論して、こういう政策をやろう、それにぜひ協力をしてくださいと申し上げるのが筋だと思いますが、そういう科学的な根拠となるデータもなしに、さぁどうしますか?というようなことを日本のマスメディアがまだ、このコロナ禍でやっているのは私はちょっとメディアにも反省していただけなければいかんと思います」
ん?現職のコロナ関連の大臣である以上、そういう科学的データへのアクセスしやすい環境にあるにも関わらず、曖昧さを回避するような発言をすることは、河野氏自身の中に有益だと思えるコロナ対策の政策を持ち合わせていないのでは?と想うのと同時に、間接民主制の日本において政権与党のリーダーというのは国家のリーダーという色合いを持っている以上、こういうビジョンを持っているという部分を示すことができないということは現状の菅総理のような発信力不足という部分を指摘される可能性を考えると、こういう姿勢が河野氏の敗北に繋がった可能性があるのではないかと私は思います。
4.終わりに
今回はここで筆を置きたいと思いますが、無駄なハレーションを起こしにくい岸田氏が総裁になったという部分では無難と言えば無難である一方で、岸田氏が今後どのようなかじ取りをしていくのか?という部分は今後の注目であるのと同時に、昼下がりに見ていたTBSの「ひるおび!」に出演していた立憲民主党・江田憲司代表代行が岸田氏を「攻めやすい」と論評していたような形になってしまうのか?(参照: https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/3681433/ )という部分含めて、注視していきたいと思います。