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雑感:副業

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 上記動画は和歌山市の消防士さんがYouTubeにゲーム実況動画を挙げて広告収入を得ている→地方公務員法違反じゃね?という匿名のタレコミをきっかけに判明して1か月の減給処分となったニュースです。民間では就業規則との睨めっこにはなりますが、大方副業を良しとするムーブメントにある中で公務員頭固すぎやろ?という声がネットニュースのコメント欄に挙がっている様子を見て、私は世の中の働き方のトレンドが立場問わず変わっている流れにあるんだなと思いました。今回は、副業を切り口にして書いてみたいと思います。

1.副業の今

 ますは副業の今について考えてみたいと思います。転職サイトのdodaで有名なパーソル株式会社のシンクタンクであるパーソル総合研究所の調査によると、「条件付き」も含めて55.0%の企業が副業を容認しているとのことで、2018年の調査に比べて3.8%増加しました。副業を容認している理由のトップ3は上から順に従業員の収入補填のため禁止するべきものではないので個人のじゆうなのでとなっていて、中でも禁止するべきものではないのでは2018年調査から比べて5.6ポイントアップとなっています。(下図)

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 一方他者で雇用されている人を自社に受け入れている会社は、今後受け入れ意向がある企業を含めると47.8%となっています。理由のトップ3は上から多様な人材確保が可能だから高度なスキルをもった人材確保が可能だから迅速に人材確保が可能だからとなっていて、中でも高度なスキルをもった人材確保が可能だからは2018年の調査から14.8ポイントアップとなっています。

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 こうして並べて見ると、副業を容認している企業としては世の中が副業をしながら自社で働くといったスタイルは今後当たり前になる空気を読んでいるのかな?という印象があります。また受け入れ企業側としては、請負契約のように自社内で必要な要素をスポット的に埋めてくれる人材を雇いやすく、採用活動の方法次第では必要な要素をスポット的に埋めてくれる高度な人材を獲得しやすいというメリットを感じているのかな?という印象を持ちました。

2.副業×公務員

 今回の消防士の事案で論点となっている地方公務員法には、38条にこのような規定があります。

第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。
2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。

 今回の事案は和歌山市の消防署員という事で、実際に和歌山市の基準となる「営利企業への従事等の制限に関する規則」(平成11年10月6日人事委規則第5号)によると、第3条で以下のいずれにも該当する場合に限り地方公務員法38条1項の許可を与える事ができるとの事です。

その職員の占めている職と当該営利企業又は当該事業若しくは事務との間に特別の利害関係がなく、かつ、その発生のおそれがない場合公務員の信用を失墜するおそれがない場合職務の遂行に支障がなく、かつ、その発その他法の精神に反しない場合・法の精神に反しない場合

 恐らく2番目の公務員の信用を失墜するおそれがない場合に該当したのかな?と推察しています。消防士というと火事や災害の現場で活躍されるイメージが強いと思いますが、消防署もれっきとした行政機関であり消防法等の法律に基づく手続きをする場面はあります。そのため、ふと消防署内における機密情報をネット上に漏らしてしまう可能性はコントロールしきれませんからねぇ。

3.労使の会話と丁寧なルールの取り決め

 今回の消防士の事案は地方公務員法という法律で裏付けされたものであるため、所属自治体の規則で認められている基準を満たさなければ血祭りにされるのは仕方ありません。一方で、民間・公務員問わずばれなきゃ副業しても良いでしょ?という論調は一定数あります。しかし今後副業が世の中の当たり前になる可能性を含んでいる過程において、自社の社員が副業先の会社で自社内の機密情報を漏らすといった自社ではコントロールし難い状況をばれずにしていたら、その度合いによっては自社にとって重大なダメージとなる可能性があると私は考えています。

 厚生労働省も「副業・兼業の促進に関するガイドライン」や副業にも対応した就業規則のモデルケースを発表しているように、副業や兼業を国としても推し進めようとしているムーブメントがあります。だからこそ、労使でしっかりとコミュニケーションを取って労使間でしっかりとしたルールを作ることが必要だと私は思います。

4.終わりに

 以前サントリーの新浪剛史社長が経済同友会の夏季セミナー触れて45歳定年制についてnoteでも書きましたが、世の中が今まで通り会社におんぶにだっこな状態になれないあるいはなるんじゃねぇ~という空気感・危機感に端を発して副業というムーブメントが生まれて労使双方にとってある程度のメリット・デメリットが見えてきたと思います。このメリット・デメリットを今一度労使間で噛みしめて話し合う空気感を副業を世の中の普通に盛り込まないとそこからあぶれた人にとっては辛い環境になるのではないか?と私は危惧しています。

  千葉商科大学准教授の常見陽平氏は著書で日本企業・職場における「これぐらい普通だ」の中には、違法な事柄も含まれていることを警鐘しています。(参照:『普通に働け』pp58~60)副業が将来の日本における働き方で不通となっていく上では、労使間で丁寧な話し合いとルール作りは欠かせない要素だと私は思いますと述べて今回は筆を置きたいと思います。

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