なりたい、やりたいを実現し妊娠へと導く【妊活プランナー】が誕生するまで#38
大事件を切っ掛けに、失踪していた父が戻ってくる事となります。
光が差し出した
と思いきや、また事件が起きていきます。
#37からの続きです。
麻友子とお母さんに、父が戻ってきた事を告げ、急いで家に帰る事に。
家に着くと、父は祖母と私が住んでいた家で寝ていて、太々しく横たわっている姿を見て、
今まであったつらい出来事が頭の中を巡り、怒りが込み上がってきました。
母さんと姉ちゃんに、謝ったのか?!
どれだけ苦しい思いをしてきたと思ってるんだ!!
父:謝ったよ
簡単に許されると思うなよ!!
ふざけんな!!
そう父に向かって怒鳴っていると、
母から、血圧が240にもなってて、これから先の事を考えると、どうしようもなくなったみたい。
色々と思うところはあるけれど、生きて帰ってきてくれればそれでいい、恥を忍んで謝ってきたから許そうと思う。
母がそう言ったので、やり場の無い憤りは有りましたが、
とにかく無事に帰ってきてよかった。
これから一生掛けて、母さんと姉ちゃんに償っていってくれ。
それだけを伝え、この件には触れない事にしました。
ほどなくして、この時期の2つめの大事件が起きました。
麻友子との間に、子供を授かりました。
避妊はしっかりしていたのですが、避妊具が外れてしまった事があり、それで授かったのです。
最初は凄く迷いましたが、私は早く結婚して、幸せな家庭を築いていきたかったので、悩んだあげく産んで欲しいと言いました。
まだ専門学校生ではありましたが、私は仕事でそこそこ良い給料を得ていましたし、
この時にはしっかり貯金もありましたので、学校を卒業するまで家族で3人で暮らしていく程度でしたら全然問題はありません。
父に、子供を授かったから、学生だけど結婚しようと思っていると伝えました。
怒られると思っていましたが、
お前の人生だ、好きに生きればいい
こんな事を言える立場じゃないが、どんな形であれ、ケツは俺が持ってやるから。
お前の思う様にしなさい、と。
父は、私がどんな事をしでかしたとしても、怒ることはほとんどしません。
何をしても受け入れてくれる、そういう人でした。
高校生の進路に迷っていた時、同じ事を言ってくれた事を思い出し、とても心強かったです。
不安はなくなりました。
麻友子と共に人生を歩んでいく事を決意し、婚姻届に自分の名前を記入し、印鑑を付いて、
俺の思いはこの通りだから、死ぬ気で守っていくから、子供を産もうと伝えました。
彼女も不安だったのでしょう、安堵し大粒の涙を流して、受け入れてくれました。
ご両親に事情を話し、結婚の許しを得に行きました。
しかし、彼女のお父さんから返ってきた言葉は、私の予想とは全く逆の答えだったのです。
君が誠実なのは、いつも聞いている。
子供が出来てしまった経緯も。
ただ、まだ学生で、未来も定かではない。
ちゃんと仕事を始め、先が決まってからでも遅くはない、今は子供を産むことは許す事は出来ない。
仕事もしていて、貯金もしっかりあります。と食い下がりましたが、受け入れてもらえません。
子供含めて、3人で駆け落ちする事も真剣に考えました。
しかし、麻友子の事を考えると、両親と引き離す訳にはいきません。子供の将来も考えると、お爺ちゃんお婆ちゃんと合わないというのも可愛そうです。
2人で話し合った結果、麻友子から今は諦めようと言われ、散々悩みましたが、子供を下ろす事になりました。
堕胎手術の当日、寸前まで何とかできないか考えましたが、方法は見つかりません。
彼女が手術室に向かい、処置が終わったであろう時に、
病室の外を眺めていると、一枚の白い鳥の羽が空へと飛んでいきました。
それを見て、
赤ちゃんを失ってしまった現実、罪悪感、そして麻友子につらい思いをさせてしまう事が、
本当につらく、今までかつてないほど泣きました。
麻友子はもっとつらかったはずです。
でも、私はこれで良かったと思う。
2人のためにも、子供のためにも。
そう言っていました。
必ず、必ず
いつか2人で幸せな家庭を築き、
その時授かった子供に
精一杯の愛情を注ごうね。
死んでも、家族を守れる様になってみせるから。
その為には、やはりお金を稼ぐ必要がある。
そして地位がないから、大切な家族を守る事が出来なかった。
必ず成功者になってやる!
25歳の春
そう決意し、より一層、ビジネスへと没頭していく様になります。
ここまでが人生の第1章。
また、つらく長い新たな13年間が始まっていく事となります。
次回に続きます。