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スーツの買い方がわからない


数年ぶりに、スーツを買わなくてはいけなくなった。
買わなくてはいけない、なんて書き方をすると、なんだか本当は買いたくないかのようなニュアンスになってしまうけど、そんなことはない。
なぜなら、そのスーツは知り合いの結婚式に着て行くためのものだからだ。

しかし、すでにぼくのクローゼットの中には一着のスーツが吊るされているので、わざわざ新調する必要もあまりないのだけれど。そのスーツは他人の結婚式に参列するにはおよそふさわしくない、岩井ジョニ男が着ていそうな薄ベージュ色のものなので、流石にこれを着て行くわけにはいかないのだ。


実際のところ、その結婚式がどれくらいフォーマルな式になるのかはわからないし、もしかすると単なるパーティ程度のものかもしれないけれど。いかなるシチュエーションにおいても、岩井ジョニ男スタイルの男はその場の中で一番人々の注目を集めてしまうだろう。


なので、大学の入学式以来およそ8年ぶりに新しいスーツを買わなくてはいけなくなった。
しかし問題なのは、スーツの上手な買い方がわからない。ということだ。

その辺で売られている吊るしのスーツは大抵肩幅が狭いので体に合わないし、値段もそう安くはない。だからといって、いっそ思い切って百貨店にでも行って上から下まで誂えるほどの金を払えるわけでもない。

レンタルという選択肢に至っては、細かいサイズの調整もできない上に受け取ったり送り返したりが面倒なので、できれば避けたい。



そんなこんなで悩んだぼくは最終的に、とりあえずヤフオクで買ったスーツを仕立て屋に持っていき、サイズを微調整することにした。

この方法だと、新品を買うよりも価格を抑えることができるし、下手に安いスーツよりも品質の高いスーツが手に入るような気がしたからだ。しかし、果たしてそんな美味しい話があるのだろうか?

昔からよく、安物買いの銭失いと言う。
今回購入したスーツ自体はまだ手元に届いてはいないけれど、いざお直しに出そうと仕立て屋に持っていったら、実は型紙がずっと古いものだったりとかで。
新品を買うよりも高くついてしまった、なんてことにならないように願うばかりだ。

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