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「好きなこと迷子」だったわたしは日記という武器を手に入れた

「ゆうかちゃんの好きなことって何?」
わたし的ざわざわする質問トップ3のうちの一つだ。それにも関わらず、この1年、出会う多くのひとがわたしにこう質問をした。

何がそんなにイヤなのか。わたしだって、質問してくれた人がわたしに意地悪をしようとしていたとはすこしも思わない。逆にわたしという人間を知ろうと興味を持って質問してくれていたはずなのに、それでもわたしは変な気持ちになってしまうのだ。

これまでの人生振り返ると、「好き」「嫌い」「得意」「不得意」をきっちり分けて考えてこなかった。いや、考えないようにしていた。というのも、「嫌い」なものはできるだけ「好き」に近づけるように、「不得意」なものはできるだけ「得意」にしようと意識していたからだ。
だからなのか、ほとんどのことがその真ん中にある「普通」に集約されていた。そのため改めて「好きなことって何?」と聞かれると何を答えたらいいのかわからなくなる。そして興味を持ってくれたひとにうまく答えられない自分が恥ずかしくて、情けなくて……。わたしにとってあれは悪魔的質問なのだ。

ただ、なんでそんな急に悪魔的質問をされるようになったのか。おそらくそれはわたしの職場環境にあった。わたしが昨年から働き始めた会社はシェアオフィスに事務所を構えており、クリエイティブな同僚たちは「好き」を仕事にしている人たちだ。またそこに入居している人たちもまた自分の「得意」や「好きなこと」でご飯を食べている人ばかりだった。得意や好きなことがないと話が膨らんでいかない、うまくコミュニケーションが取れない。気のせいかもしれないけど、そんな気がしてならなかった。

そんな「好きなこと迷子」な私だったが、昨年の11月5日に転機が訪れる。それはinstagramを徘徊していたわたしがかんころさんという方の投稿を見つけたところからはじまった。
それは「自信がほしいときは」というタイトルだった。自信っていうのは自分と信頼関係を築くこと。そのためにノートに書いたりしながら自分と対話してみよう! という内容だった。この投稿を見たときピンときた。もしかすると、このノートに書くという作業でわたしの「好き」や「得意」が見つけられるのではないか。

この投稿をしていたかんころさんはAmebaブログで10年以上ブログを書き続けるブロガーさんだった。ブロガーさんとは言ってみたものの、企業家でもあり、恋愛×心理学カウンセラーでもあり、セミナー講師でもあり……。ここに書ききれないくらいたくさんの肩書を持っているすごい方だった。そんなすごい方がご自身の経験を基に恋愛や生き方、仕事について発信されていて、「好きなこと迷子」なわたしのハートにビビビときたのだった。

そこからのわたしは積極的だった。
1日2回更新されるアメブロやインスタを欠かさずチェックした。
気に入った言葉はメモし、毎晩日記を書いた。
オンラインサロンに入会した。
かんころさんのマインドが知りたい! わたしがわたしのことを知るチャンスだ!
そういう思いが私の原動力になっていった。

実際に日記を書き続けていくといろんなことを知ることができた。
たとえば、友達に言われたひとことにモヤっとしただとか、お母さんが洗濯物とかご飯作って待っていてくれていることへの感謝の気持ちだとか。1日の中で起こったこと、その時に感じたことを客観的に振り返ることができるようになった。その振り返りが、自分で自分をいたわり認めてあげる時間になっていることに気づいた。いつのまにか日記が心の救急箱になっていった。

かんころさんとの出会いから今日で179日。今も毎日欠かさず日記を書き続けている。日記帳は2冊目に突入し、私の手元には179日分のわたしのデータが蓄積されている。日記帳を見るだけでこの約半年を鮮明に思い出すことができ、わたしがわたしについて詳しくなることができた。この日記はわたしのわたしによるわたしのための取扱説明書となった。そしてこの半年分のデータから、わたしの「好き」「嫌い」「得意」「不得意」も少しずつみえてきた。

今、「好き」かもしれないというものを実際にやるという試みをしている。この天狼院書店のラインティング・ゼミの受講のもその一つだ。この講座は9日間連続で課題を提出するというなかなかのハードスケジュールではあるが、自分の気持ちに正直になって挑戦したことは大変さよりも楽しさや嬉しさが上回るのだなと実感している。

「ゆうかちゃんの好きなことって何?」
1年前は心がざわざわしていたこの質問も、今はそんなにイヤではなくなった。もう少し時間はかかるかもしれないけど、「好きなこと迷子」だったわたしも、日記という武器を手に入れた。もう大丈夫。これからも引き続き日記を書き、「好き」の種を見つけて、育てていきたい。


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