まにまにのまにまに
このお話は、意味のわからない男の人にほだされ
結局住むようになってからの話。
そして私の力についてわかったことを
まとめます。
一つ、未来に対して干渉はできない。
二つ、過去に対しては干渉ができる。
三つ、特定の生物の「老い」の操作は可能。
四つ、物質においては破片があれば
戻すことができる
五つ、時間を進める場合、それがものなら、
その場から一切動かなかった場合の
シミュレーションに準ずる
六つ、時間を進める場合、それが生物なら
栄養や外部的要因は省かれあくまで
その場で代謝による老化などが起こった
ことになる。
七つ、なので未来的にその人がその人が
何をするのかはわからない
八つ、時間を戻す場合、その空間のや身の回り
範囲は思い描くだけ広く戻すことができる
九つ、時間を戻す場合、たどってきた
経路などはわかる
物人問わず巻き戻るイメージに近い
十、 よって過去に何が起こったかについては
視認できる範囲でわかる
まあ、今はこんなところかしら。まあすでに起こったことは基本的に干渉ができると言うのは大きな収穫だと思うわ。問題なのは認識できなかった場合大変なことになる。普通に生きている分は大丈夫そうね。
『何を書いているのですか?』
彼は、みんなから兄さんと呼ばれているカラスのようなマスクをつけた人、正直最初は怖かったけどなんとなく最近は慣れてきた。
「特段不思議な内容ではないのよ。なんか『自分を見つめ直せー』とか意味わかんないこと言われたから能力のわかったことについてまとめているのよ」
のびをしながら返してしまった。まあパジャマだし寝起きだし。
『どうぞ、コーヒーとトリュフです』
驚いた。トリュフはいいわね。集中力が上がるわしかも、朝のコーヒーはなんとなく優雅よね。
『お砂糖はどうしますか?』
「ミルクとお砂糖ををもらえるかしら。」
かちゃかちゃと音を立て、コーヒーの匂いが変わる。甘い時間が過ぎていく。トリュフは口溶けも良くほのかな苦味のコーヒーで流し込む。
「あの人は、起きてこないの?」
ほのかな疑問をぶつけた。
『はいおそらくは夕方までは自室かと』
スマホの無機質な文章と裏腹に少し嬉しそうに見えた。
「聞きたいことがいくつかあって少し時間いいかしら。」
いろんなことを聞いた。いつからここに住んでいるのか。ペスト兄さんの能力などなど。トリュフは手作りらしい。コーヒーも水出し。
なんだか今日はいい日の予感。