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いちばんすきな花 6話

『ごみ袋の袋、ごみ袋にしたの 誰?』全文


えっ?ごみ袋の袋 ごみ袋にしたの 誰?(椿)
・・・・・「沈黙」
ごみ袋の袋 ごみ袋にしたの 誰?(椿)
あっ ごみ袋の袋(夜々)
ごみ袋の袋は ごみ袋にならないいんですか?(紅葉)
ごみ袋の袋は ごみだよ。潔く捨てて。(椿)
えっ? じゃあ ごみの中に ごみ袋 入れて 売られてるってことですか?(夜々)
逆転してる。何の哲学?(紅葉)
ん〜 まあ いいんだけどさ。ごみ袋の袋 ごみ袋にしたって いいんだけどさ。(椿)
これは もう 悪意でしょ。(椿)
サイズ感が悪意でしょ。(椿)
ゆくえちゃん 悪意でやったの?(紅葉)
善意です。(ゆくえ)
はい。犯人 ゆくえさんですね。(椿)
あ〜・・・違います。(ゆくえ)
無理だよ。ごまかせないよ。認めて。(椿)
だって 袋じゃないですか。(ゆくえ)
袋の袋としてのアイデンティティーを認めて下さい。(ゆくえ)
開き直らないでください。(椿)
本物のごみ袋 もう なかったの?(紅葉)
なかったらなら ほら 最後に使った人が 買わなかったせいじゃ。春木家のルール。(紅葉)
ううん。 本物のごみ袋の 最後の1枚かは いつもの所にある。(ゆくえ)
ありますね。 袋に入ってない 裸の本物のごみ袋あります。(夜々)
じゃあ なおさら 悪意じゃないですか。本物のごみ袋 使って下さい。(椿)
ごみ袋の袋も 袋だし。それに最後の1枚使ったら(ゆくえ)
新しい本物のごみ袋を買わなきゃ じゃないですか。(ゆくえ)
えっ えっ?そういうこと?(椿)
はい。(ゆくえ)
最後の1枚 使ったら 新しいごみ袋買わなきゃいけないから?(夜々)
はい。(ゆくえ)
最後の1枚を残して ごみ袋を ごみ袋に?(紅葉)
はい。(ゆくえ)
・・・「沈黙」
悪意ですね。(椿)
悪意です。(夜々)
悪意だ。(紅葉)
善意です! 正義です!(ゆくえ)
ビニールは 環境によろしくないから 無駄なく使おうと思って。(ゆくえ)
ゆくえさん 新しい本物のごみ袋 買っといて下さいね。(椿)
何で・・・。(ゆくえ)
偽物のごみ袋 本物のごみ袋に捨てて下さい。(椿)
偽物扱い かわいそう。私にとっては ごみじゃないもん。(ゆくえ)
ルール守れない人は 出入りさせません。(椿)
私 来ないと 席1個空いちゃいますよ?(ゆくえ)
いいですよ。(ゆくえ)
空けたままにします。何なら 他に 誰か呼びます。(椿)
うわ ひどい。聞いた?ひどくない?どんな権限があって そんなことを・・・。(ゆくえ)
家主です。(椿)
家主なら何をしてもいいんですか?(ゆくえ)
そういうことではないです。春木家のルールにのっとってと約束したはずです。(椿)
そもそも 他に誰か呼ぶって 呼ぶ人います?(ゆくえ)
いいいい・・・・。(椿)
あっ。いい いい・・・って。(ゆくえ)
いいい・・・いますよ。(椿)
いい いい・・・(椿)
何ですか?(椿)
次 来るとき ごみ袋買ってきま〜す。(ゆくえ)
お願いしま〜す。(椿)
お邪魔しました〜。(ゆくえ)
また おいで〜。(椿)
お邪魔しました。(夜々)

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