「檸檬」「桜の樹の下には」を読んで
先週の土曜日に読書会を行いました。もう何回目かわからなくなってしまいました……この日は6名の方にご参加いただきました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
この日の課題本は梶井基次郎の「檸檬」と「桜の樹の下には」でした。
まず、オープニングトークを経て、「桜の樹の下には」からスタート。ものすごく短い超短編小説なので、すぐに読めてしまいました。
主人公が、「桜があんなに美しいなんて変!その下には屍体があると思わないと説明つかないよ…」という話です。
土の下で腐乱した屍体から水晶のような液が出て、それを維管束(いかんそく)が吸い上げて、美しい花を咲かすのだという想像は、実写にしてみたら、目も背けたくなるような代物なのかもしれないけど、文章で読むとそれさえも美しく感じてしまいます。
それにしても維管束って言葉、久しぶりに聞いた。中学校の理科とかで出てきたのをよく覚えています。
さて、何日かたって思うのですけど、「美しいもの」をただそのまま「美しい」と受け入れられないことってわたしにもあるんじゃないかとおもいました。
どういうことかというと、クラスで可愛い女の子とかがいたら、性格悪いとか言ってしまうじゃないですか。そういう類のものです。その理由は自分が美しくないからなんですよね。多分、梶井基次郎もそんな気持ちだったんじゃないかな。
でも、そんな気持ちをこんなに美しい文章に昇華させるのはすごいなあと素直におもいます。
この日、急な用事が入り、途中で中座してしまいました。すみませんでした。この間に、「檸檬」の朗読が行われていました。Zoomの部屋に戻ったら、メンバーの何人かのヴァーチャル背景がレモンだったので、ほんわかしました〜。ちなみに「桜の樹の下には」の時は桜のかたもいらっしゃいました。こんな楽しみ方もあるオンライン読書会、とても楽しいです!
というわけで、わたしは「檸檬」がちゃんと読めなかったのですが、「檸檬」は京都に下宿中の主人公が、憂鬱な気持ちを抱えながら八百屋で檸檬を買い、ふらふらと歩いて、丸善(本屋)に入り、そこに檸檬を置いて去るというただそれだけの話です。
でも、丸善においた檸檬を爆弾にみたててスッキリしているラストなんかを読むと、「ああ、わたしも檸檬でいろんなもの爆破できたらいいのにな……」なんて思ったりしました。
じっくりと読めていなかった「檸檬」は、始めたばかりのクラブハウスで朗読してみました。静かな真夜中にじっくりと朗読するのも作品が自分に染み込んで行くようでとてもよかったです。
次回は2月20日(土)19時から
課題本は岡本かの子「鮨」です。青空文庫にあります。
では、また!
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