
ライターと日本語教師の共通点
今日は江角悠子さんのオンラインサロンの談話会に参加しました。十数名の参加者があり、和気藹々とした雰囲気でとても楽しい時間を過ごしました。
談話会の内容は「他己紹介」でした。2人1組になり、ブレイクアウトルームでインタビューし合って、その後にインタビューした人を紹介しました。インタビューは5分で、全体での紹介は1分でした。
私はAさんとペアになりました。Aさんとは初対面で、まず、私がインタビューをしました。お仕事のこと、オンラインサロンに参加した理由などを聞きました。それから、交代して、わたしが質問を受けました。その質問のなかで、とても興味深い質問がありました。
「日本語教師とライターって共通点ありますか?」
わたしはこの質問にハッとなりました。「言葉を使うところが共通点」っていつもは思っていたけれど、そんなのあたりまえのことで、口ごもっていあたら、Aさんは続けてこう言われました。
「文法とか、かな?」
その言葉を聞いて、とっさに「書く」という行為よりも「聴く」という行為に共通点があると思いました。
そして、自分の中にあった言葉になっていない考えが言語化して出てきたのです。
日本語教師の仕事は、教える仕事だから、教師が話さなきゃいけないと思われがちだけど、決してそうではありません。
どちらかといえば、引き出す仕事です。学習者から引き出した言葉を使って日本語という言葉のルールを探っていきます。そうしたほうが学習者は言葉の面白さに気づいていくのです。だから、話せるようになっていきます。それがわたしの日本語教師の仕事観です。
ライターという仕事も似ていて、インタビューでインタビュイーの言葉を引き出していきます。ライターは引き出された言葉を材料に書いていきます。
先月行われた、オンラインサロンの不定期勉強会に講師としてきてくださったさとゆみさんの著書『書く仕事がしたい』にこうあります。
ライターって聞くことに対して必死なんですよね。だって、なんどもいうけれど、素材がないと料理ができないわけだから。素材集めに必死なんです。言葉の狩人。(P183)
相手が話さなければ始まらない、そして相手がいい話をすればするほどいい仕事につながるという点で、ライターと日本語教師は共通しているなと改めて気づかされました。
ちなみに、こちらの勉強会、わたしはリアルタイムで参加できなくて、アーカイブ動画で見たのですが、とてもとても勉強になりました。
ライターの仕事に関して、ぼんやり考えてきたことやわからなかったことを的確かつ情熱的に言語化してくださっていて、知識として自分の中に蓄積されていくような感覚でした。聞き取れなかったところを戻しながらメモを取りながら見ました。
今日の談話会であらためてライターという仕事と日本語教師という仕事を見つめ直すきっかけになりました。江角さん、Aさん、みなさん、ありがとうございました。
では、また!
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