三月花形歌舞伎に行ってきた!
30代後半の頃から、年に数回の歌舞伎鑑賞をたしなんでいるわかばです。
きっかけは歌舞伎のツウの友達で、誘われて一度見に行ったらその日にハマってしまいました。歌舞伎のステージというのはきらびやかで切なくて一瞬で心奪われてしまいます。
というわけで、先日、京都の南座で行われている「三月花形歌舞伎」を観に行ってきました。
今日は、「歌舞伎を見たことがない」という人にもおすすめの「花形歌舞伎」について感想をまじえて書きたいと思います。
花形歌舞伎とは
「そもそも『花形』って何?」と思いますよね。「花形歌舞伎」というのはまだ若手の役者さんだけでする歌舞伎という意味です。それに対して、ベテランの片岡仁左衛門さんや尾上菊五郎さんが出演しているものを「大歌舞伎」と呼びます。
今回の公演では、私がひそかに推している中村隼人さんが出演していたので、満を持して行ってまいりました。中村隼人さんは「ワンピース歌舞伎」でサンジを演じておられました。それ以来、中村隼人さんの白塗りのお顔が大好きです。
三月花形歌舞伎公演では開演にさきだち、ご挨拶もありました。出演者である中村橋之助さんと中村米吉さんが、ステージで少し演目の紹介をしてくれたのですが、「僕たちの写真を撮ってSNSにアップしてください〜」」というのがメインです。わたしも喜び勇んで、3階席からスマホのズームアップいっぱいにして撮影しました。その写真はこちら。
「みなさん、おひとりおひとりが広告塔でございます!」と笑いをとっておられましたが、それもそのはず、席は半分くらいしか埋まっていませんでした。歌舞伎の年間を通しての最高の公演である12月の吉例顔見世公演ではいつでも満席なので、やはりなかなか劇場をいっぱいにするのはむずかしいのだなあと感じました。ちなみに、お二人が立たれている花道から右4列はコロナ対策のため空けてあるようです。
さて、今回の2つの演目は『番町皿屋敷』と『芋掘長者』です。。
番町皿屋敷のあらすじ
ご存知「いちまい、にまい……」と皿を数えながら井戸から出てくるお化けのお菊さんのお話です。
主人公は青山播磨。中村隼人さんが演じます。町人相手に喧嘩をしてしまうような血の気の多い旗本の青山播磨は、お屋敷の腰元(女中)のお菊と身分違いの恋仲。
しかし、お菊は播磨に縁談があると聞き、不安で不安でたまらなくなります。とうとう、「自分が大切か、家宝の皿が大切か」播磨を試してみたくなり、「決して割ってはいけない」と言われた皿を割ってしまいます。すると、播磨は……、という話です。
悲しい結末で、身分違いの愛のなかでも、本当の愛とは……?を観客に訴えてくる作品です。お菊は中村壱太郎さんが演じていました。
芋掘長者のあらすじ
こちらは常磐津や長唄の音楽とともに、演者が踊る歌舞伎版ミュージカルのようなものでした。
良家のお姫様、緑御前に恋した、芋掘を生業にしている藤五郎。
ある日、緑御前が婿選びで舞の一番上手い人を婿にするという話を聞きつける。しかし、藤五郎は舞が全くできない。そこで親友の治六郎に頼み込んで替え玉としてお面をつけて踊ってもらうことにします。ところが……というお話です。
最後はハッピーでみんなで踊っておわりなので、堅苦しいことを考えずに見られる作品でした。
みんなちがって、みんな最高
歌舞伎というのは、演目がいくつかあって、何百年も同じ話を役者を変えて延々とやり続けているわけなんですが、不思議なことにいつ見ても面白さがあって、発見があって、飽きないのです。
今回も午前の部の青山播磨は中村隼人さん、午後の部は中村米吉さんなのですが、二人できっと全然違うのだろうなあと思うのです。できれば、午前も午後も見比べてみたいくらいです。形の中にも個性が出るというのが本当にいいし、同じ俳優であっても若い頃に演じたのと、年を重ねてから演じたのでは全然違います。
それを思うとき、人間って本当に人それぞれに魅力があって、一人の人間でも多面体でその時その時の魅力があるということがわかります。そして、歌舞伎の演目には、人間の素晴らしさ、情けなさ、輝き、暗闇、欲望、思いやり、全部詰まっているんです。だから、きっと心を奪われるのだろうなあと思うのでした。
皆さんもぜひ行ってみてください。
以下はダイジェスト映像です!
では、また!
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