学生アンケートは怖いですよね。でも、それは先生のせいばかりじゃないと思うんですよ。
こんにちは。
産業カウンセラーと日本語教師をしています。ワカです。
なんでカウンセラーになったの?と聞かれれば「精神的に疲れて辞めてしまう先生がいない世界が見たい」からです。
私自身が学生アンケートの結果を見て傷ついて自信を失ったこともあったし、実際に周りで悩んで辞めていく先生も見てきたし、当時は「学生に人気がない、うまくできない人が悪い」といった風潮でした。
でも今は別の考え方があるんじゃないかと思っています。
・学校が、学生アンケートの結果を担当教師に見せる場合、傷つけるような言葉、悪口と思われるようなものは見せずに、改善できそうな、建設的な意見だけを提示する。
・学校が、先生がどんな考えでどう授業をしているのか、進める上で何か問題はないかなど、十分に聞いて理解し、その上で学生からの意見を参考に、何か改善できそうなことはあるかを一緒に考える。
・学校としても問題はなかったか(アンケートの実施方法、タイミング、担当する教員の編成、研修の有無、支援体制など)を考える。
学生が書いたのだから、そのまま見せればいい。
そういう考えもあります。
でも学生は、ただ思ったことをそのまま書いているだけであり、そのアンケートがどう使われるかを知っていて、先生に直接見られることを想像して書いている人は少ないでしょう。
これはSNSの誹謗中傷にも通じるところがあるように思います。
直接だったら相手のことを考えて、思ったことをストレートには言えないけれど、匿名なら相手が傷つくようなことも考えずに言ってしまう。
例えば、アンケートで「次は他の先生がいい」という意見がありました。でもこれを直接本人に言えるでしょうか?
もし直接本人に会って言うとしたら「私が受けたいのは〜という授業で、先生の授業は〜で、目的が合っていないように感じる。だから次は他の(目的にあった授業をする)先生の授業を受けてみたいと思います」と、相手が納得する理由を考えて言うんじゃないでしょうか。
でも、アンケートにそこまで考えて書く人は少ないです。
「他の先生がいい」とか「雰囲気が悪い」とか「おもしろくない」とか、結果として感じたことだけを、そのまま書く人が何名かはいます。
そして先生たちは他にいい評価があったとしても、その辛辣な言葉にショックを受け、いつまでもどうしたらよかったのかと(書かれていなかった理由を)考え、自分を責め、思い悩むことになるのです。
これは先生の問題でしょうか?
学生側の問題も多分にあるのではないでしょうか?
いくら「匿名です。遠慮なく意見を聞かせてください」と言われても、これを見たら相手が困るだろう、傷つくだろうという想像はできるはずです。
このように学生アンケートは、
実施・提示する学校にも、答える学生にも責任があります。
だから、先生が全部自分のせいだと思って悩む必要はないのです。