【アイドレス】目的の整理について

ここの名前通りのノートとして、思ったことを徒然に書いてみたところ、思ったより反応がありました。
初めに、皆様に御礼申し上げます。とても嬉しく思います。
反面、私は他人を意識し始めると勝手に心が折れるので、矛盾しますが、皆様のことは可能な限り意識しないよう努めていきます。

はじめに

前回、アイドレスのワールドシミュレータであるセルフクラフトワールド(SCW)と仲良くなるために、という題で、爆発対策として目的の整理が有効なのではないか、という仮設と、その面倒さについて触れました。
今回はこれに関連して、どのくらい面倒なのか、どんな効果があるのかについて、思ったことを書き記していこうかと思います。

ただ、前提として、今回のお話はSCW相手の目的のお話ではないことを申し上げておきます。
これは、SCWに登録された個々のアイドレスがそれぞれどんな働きをしているか、比較検証する術がないためです。

今回のお話は、藩国運営における目的の整理についてのお話です。

目的の整理はどれくらい面倒なのか

目的の整理は面倒だ、と前回から繰り返し申し上げていますが、実際のところどれくらい面倒なのでしょうか。
実は、アイドレスVer.4に参加された方々であれば、具体的な手順を一度はご覧頂いているのではないかと思います。

なぜなら、アイドレスの公式ブログで説明されているからです。

こちらは藩国の組織化についての説明資料ですが、記載されていることは、少なくとも私がイメージする目的の整理を大体はカバーしております。
この辺り、どの藩国でも当てはめられる抽象さと、実際に作業に移れるていどの具体性のバランスが取れていてさすがだなあと思います。
チェックリスト2や4が特に顕著ですが、藩国運営においても、目的の整理は重要であるということなのかもしれません。
もちろん、目的の整理だけやればいいというものではありませんが。

さて、この芝村メソッドですが、実践されている藩国はどれくらい存在するでしょうか。 
私は自分が所属する藩国以外のことはほとんど存じ上げませんが、実際のところ、実践するのはかなり難しいのでないでしょうか。
実際の職場でも実践されているところは多くはないであろう程度には面倒な作業です。
それを、現状の運用を変えてまで実施するというのは、実際の労力以上に心理的に抵抗があるものだと思います。

事例:見失った目的

では、目的の整理をしていないとどんな問題が起こるのでしょうか。最近、身近な作業でそれを感じたケースがあったので書いてみようかと思います。

この記事を書いている現在、私は自藩国(玄霧藩国)用の治水工事のアイドレスを作成しています。

経緯としてはこうした流れです。
シーズンオフの間に、どんなアイドレスが必要かを検討し、それを作っていこうという方針が藩国内で定められました。
どんなアイドレスが必要かは、全国で作成されたアイドレスを参照し、こんなアイドレスが足りないのではないか、と、ブレーンストーミング的な手法で集めたものです。
これらの必要そうなアイドレスを収集し、では実際に作成を始めてみようということで、私はその中から治水工事を選び、着手を始めました。

何かに書いて整理した訳ではありませんが、ここで私は今回の目的と手段をこう認識していました。

目的:玄霧藩国のゲーム内の状況を改善する
手段:玄霧藩国の治水工事アイドレスを作る

別段、おかしなことはないように思います。
しかし実際にやってみると、疑問が出てきて手が進まなくなってきました。
この辺り、実際には私の認識違いかもしれません。ただ、この時はこう思っていたとご認識ください。

玄霧藩国は森国人の国です。
森国人の名前の通り、国土は大半が森に覆われています。また、海には面していません。
加えて、森国人はエルフに近いイメージであるため、森の中でもヨーロッパに近い、あまり起伏の激しくない森林のイメージを私は持っていました。

起伏の少ない、森に覆われた土地。
水害が発生するイメージが、あまり湧いてこなかったのです。

洪水が頻発するような土地であれば、その区域はおそらく森ではいられないでしょう。おそらく平地、または湿地になるのではないでしょうか。
また、私が無知なだけかもしれませんが、エルフの森が台風や洪水に苦しんでいるイメージがなかったのです。
そんなことを考え始めると、だんだん手が止まってきてしまいました。
玄霧藩国に治水事業は、あまり噛み合わないような気がし始め、そして、恐ろしい呪いの言葉が聞こえ始めてきたのです。

この作業、何の役に立つんだろう。

面倒な作業をやっている時、こう思ってしまった時の恐ろしさは、分かって頂けるのではないでしょうか。
いったん頭の中に浮かんだこうした思いは、考えないようにしてもなかなか振り払えないものです。
気分的にしんどくなってしまい、そもそもなんでこの作業をやってるんだっけ、と手を止めて考え始めてしまいました。
逃避ですね。正直、目的を見直してみようとかそんなことは考えていませんでした。

見つけ直した目的

ただまあ、たまにはこうした逃避も良い結果を生むもので、ぼーっと考えるでもなく考えていると、なぜこんなにも作業がしっくりこないのか、自分の中で整理をつけることができました。

鍵は、一つ前の作業の中にありました。

どんなアイドレスが必要かは、全国で作成されたアイドレスを参照し、こんなアイドレスが足りないのではないか、と、ブレーンストーミング的な手法で集めたものです。

この文中の、「全国で作成されたアイドレスを参照し」という点に、あれ、と思ったのです。

前の作業は全国を単位に考えていたのに、なんで今は玄霧藩国に限定しているんだろう、と。

私は目的を履き違えていました。
その前の作業との関連を踏まえるのであれば、

目的:玄霧藩国のゲーム内の状況を改善する
手段:玄霧藩国の治水工事アイドレスを作る

ではなく、

目的:全国のゲーム内の状況を改善する
手段:流用可能な治水工事のアイドレスを作る

が、正しい目的であるように思ったのです。
そうして頭の中がすっきりすると手も動き始めるというもので、全国で流用可能な治水工事の部品の分け方とはどんな形だろう、と、考えるのが楽しくなってきました。

その付随効果として、そもそも治水工事だけでなく、藩国事業全般としての共通部品も作れるんじゃないかと考え始めました。

そもそもの目的が「全国のゲーム内の状況を改善する」であるのならば、治水工事のアイドレスを作るついでに、他の事業にも使い回せた方が目的に合っているんじゃないか、と思ったのです。

これらのアイドレスは現在もまだ作成中ではありますが、進捗報告の際には藩国の皆さんには喜んで頂けたようでした。

目的の整理の効果とは

文章で分かりやすくするために、当初の目的にはわざと「玄霧藩国の」と明示しているため、こんなことはすぐに気づくだろう、と思われた方もいるかもしれません。
ただ、実際の会話では「玄霧藩国の」などはつけず、作成対象アイドレスの中に「治水工事」とだけ書かれていたため、暗黙的に自藩国のものだろう、と思い込んでしまっていました。

これはあくまで私の身に起きた事象であり、一般化はできないかもしれません。
また、進捗報告で話すにしては時間がかかるため、こうした思考の経緯を他の方々に共有して確認をとったわけでもありません。
ただ、目的の見失いやすさや見失った時の影響について、なんとなくでも伝わっていたら嬉しく思います。

また、前回のお話で、目的の整理や背景が説明されていれば、細かいところは補完してくれることがある、と書きました。
手前味噌ですが、これについても、藩国事業全般に使い回せるアイドレスを作成したことが、一つの事例として言えるのではないかと思います。

ちなみに、この記事を書いている現在、まだ作成中ではありますが、作っているアイドレスは実際にはこのような形です。(随時更新予定)
https://w.atwiki.jp/kurogiri_all/sp/pages/580.html

終わりに

アイドレスシーズン4開始当初、芝村さんが皆さんにアンケートを取ったことを覚えていらっしゃるでしょうか。
その際、皆さんの投票結果と芝村さんと見解がずれていた点が、藩国掌握、運営術についてでした。

今現在、現役のプレイヤーの方々は、ターン20〜22の荒波を越え、一年以上のシーズンオフを挟んでもアイドレスに残られた兵(つわもの)です。
シーズン3以前から参加されている方々などは、10年選手揃いでしょう。
そうした方々は、今回私が述べたようなことは、何度も乗り越えられてきたものと思います。
そんな慣れっこになったことのために手間をかける価値を見いだせないかもしれません。

それでも、目標の整理だけにとどまらず、他の管理も合わせて実施できたなら。
芝村さんの言葉通り、これから新しく参加されるプレイヤーの方々の定着率を、少しくらい上げることならできるんじゃないかなあ、と思います。