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わた恋~わたしの初恋~

初めての恋は6歳。
お相手は土井先生。
お料理の方じゃないよ。忍術学園の方だよ。
土井半助先生。
大好きだったなぁ。
あ、今でも大好き。

初めて生身の人間に恋をしたのは中学1年生。
一挙手一投足に目が釘付けになって、思い出すたびに胸がきゅっとなった。
「キュンッ」とか「胸が苦しいっ」とか漫画上の表現だと思っていたから、私の体に起きたときにはびっくりした。
人間の体ってすごいと思った。
お相手はぶっさん。
ドラマ「木更津キャッツアイ」の主人公。
もともと岡田准一さんが好きだったから、ぶっさんも最初から好きだった。
でも毎週観ていると、その内面にも魅かれて、気付いたらガチ恋をしていた。


さて本題。
二次元でもなく、テレビの中の人でもない、本当の初恋は中学3年生の秋。

私は男子と話せない系女子だった。
それがひょんなことをきっかけに男子と話せるようになった。

一番初めに声をかけてくれたのが牧田くん(仮名)。
1軍男子で、おしゃれ。
モテてもいたらしい。後輩から告られたという噂を何度か聞いた。
顔もよかったと思う。
背はちょっと小さかった。

私の通っていた中学は、イキってたりおしゃれすぎる(おしゃれがすぎてやりすぎな)人たちは2軍だった。
1軍はキラキラしてるけど、同時にとても気さくで親しみやすい人ばかりだった。

だから牧田くんもその周りの人もとても話しやすい人だった。
キラキラしてたけど緊張はしなかった。

牧田くんは出席番号が近くて、移動教室で出席番号順に座るときは必ず隣になる。
だから自然と話す頻度は高くなった。

みんなは「まっきー」って呼んでたけど、私は男子をあだ名で呼んだことがなく、恥ずかしすぎたので「牧野」と呼んでいた。
恥ずかしいから「くん」も付けられなかった。
でもさすが気さくな1軍。
「牧田だよ!」と返してくれる。
それが私たちのお決まりの絡みだった。
(「児嶋だよ!」の先駆け?)(参考:アンジャッシュ)
(以下、当時の呼び方で「牧野」と書きます)

親交(?)が深まってきたころ、
「わかが女子と話しよんところを見よって、絶対おもしろい人やと思っちょったんよな。もっと早く話しかければよかった。」
と言われた。
そのあたりで意識するようになった。

だって「もっと早く話しかければよかった」よ?
「もっといっぱい話したかった」ってことよね?勘違いじゃないよね?
中学3年生の私たちにはそんなに時間が残されてなかったから、私も同じ気持ちだった。
男子と、牧野と話をするのがこんなに楽しいなら、
学校に行くのが待ち遠しくなるほど楽しくなるなら、
もっと早く話せるようになりたかった、って。
女子だけと話す毎日も十分に楽しかったけど、牧野と話をする毎日はもっともっと楽しかった。

毎朝学校に行くのにうきうきしていることに気付いたら、もう恋をしていることを認めざるを得なくなった。
でもどうこうするつもりはまっっっったくなかった。
男子と話せるようになって1~2カ月頃のことで、私に駆け引きができるはずもないと思っていたから。

しかも相手はモテるらしい男。
多分彼女もいたことがあるはず。
牧野にとっては、男嫌いと思っていた女が話してみたらおもしろい奴で、一時的に楽しいおもちゃをみつけた状態だと思っていた。

当時、中学生あるあるだと思うけど、授業中よく手紙をまわしていた。
牧野と仲良くなってからは牧野とも手紙交換をするようになった。

ある日『俺、わかのこと80%やわぁ』と書かれていた。
これは当時みんな観ていたテレビ番組「あいのり」で誰かが言ったセリフに由来している。
うろ覚えだけど多分、「恋が成就していっしょに帰る可能性」だったか「好き度」だったか、とにかく100%に近いほど好き!LOVE!って状態ってこと。
でよ。
80%よ?
もう好きやん?

で、私はどうしたかと言うと、憎からず思われていることがわかったからちょっと大胆になった。
目線を送ってみたり、目が合えば微笑んでみたり。
それで嫌われることはないって思った。
相変わらずどうこうなる気はなかったから、嫌われることがなければいいやって。

そしてそのまま卒業した。

どうこうなる気はなかったけど、さすがに「ほんとになんもないんかいっ」と思った。
「思わせぶりな態度とって…恋愛慣れしたモテる男こわい…!」とも。

卒業から数日、高校受験が終わってケータイを買ってもらい、数人とアドレスを交換したときに友だちから「まっきーがアドレス知りたいらしいんやけど教えていい?」とメールがきた。
「いいよー!」と返信するとその日のうちに牧野からメールがきた。

そしてその日のうちに告白されました。
どうこうなる気はなかったのに、現金なもので、ソッコーOKしました。


牧野のことは今でもたまに夢に見る。
一番楽しかった、付き合う前のルンルンなときの夢。
よっぽど楽しかったんやろうなぁ。

以上、わたしの初恋でした。

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