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人見知り子どもの頭の中
子どもの頃、度を超した人見知りでした。
「人見知りな子ども」というとありがちだし平々凡々な感じがしますが、いくつかエピソードを紹介するのでぜひ読んでやってください。
ep.1 お茶碗事件
私が通っていた保育園は、お昼ごはん用のお茶碗を園児が持参し、それを園で管理するスタイルでした。
使用後洗われたお茶碗は、食堂の隅の棚に保管します。
私が入園したのは1歳10か月頃。
最初は誰にも心を開かず、触れるものみな傷つける子だったそうです。
そんな、野生動物状態の私は、なにかに怯えて?怒って?暴れた挙句、お茶碗の棚を倒したそうです。
そして全員分の陶器のお茶碗が割れました。
やむなく、我が家が全員分のお茶碗を弁償しました。
それも、金銭による弁償ではなく、現物の購入による補填です。
だって割れた次の日も使いますからね。
仕事で動けない母の代わりに、同居していた祖母が買いに行ってくれたそうです。
運転免許も持っていないのに。
電車もバスも1時間に2~3本しかないのに。
ばあちゃん、ごめん。
でも当の私はこの1件について何も覚えていません。
私の伝説として我が家で語り続けられているエピソードです。
(もう30年以上経つのでそろそろ勘弁してください…)
ep.2 断固拒否!参加してたまるか事件
これは記憶があります。
保育園では、2階のピアノがある部屋でお遊戯をしていました。
音楽に合わせて歌ったり、リズム遊びをしたりするあれです。
知らない人ばっかり。
そもそもこの場所に毎日来ることもまだ認めてないのに。
そのうえ知らない人と歌ったり踊ったりなんかできるか。
この不愉快な集まり(お遊戯の時間)を始めた先生とかいうやつを許さない。
こんなところに入れた親も許さない。
そう思った私は、部屋の外から時間いっぱい睨みをきかせ続けました。(下図参照)
たまに先生が「おいで」と声をかけにきますが、その気配を感じると一目散に逃げます。
![](https://assets.st-note.com/img/1687315200825-5D5dh1fkDF.jpg?width=1200)
ルーバーの感じが檻っぽいし、近づいたら逃げるし、ここでも野生動物感が出ていますね。
ep.3 初めての美容院
私の母はヘアカットが上手ではありませんでした。
母もそれに引け目を感じていたのでしょう。
4歳の頃、母は行きつけの美容室で私のカットを試みたことがあります。
私は「お母さんの美容室に付き合って」と聞かされてついて行きました。
それなのに、着くなり「ここに座って」と大きい鏡の前の大人のイスに座らせられます。
始めは嫌な予感もしつつ「お客さんも少ないし、お母さんの隣の席で待つんかな?」という感じでしたが、ケープが見えた瞬間すべてを悟り、ギア全開でフルボリュームで泣きました。
当然母と美容師さんはなだめすかそうとします。
でも耳を貸したら終わりだと思った私は、すべての声をかき消すために叫びました。
「ばかーーーーー!!!」と。
そして、大人が根負けするまで「ばか」と叫び続け、イスから降りることに成功しました。
何度か、「かわいくしてもらえるなら我慢するか?」とか「私が拒否し続けたらお母さん悲しむかな」「私が髪切らせんかったらこの人たちの努力無駄になるよな。私が折れるか?」などという考えも浮かびました。
でも知らない人に髪を触られる、1対1でなにかされるということへの恐怖がすべてを凌駕しました。
その後おそらく小学生で正式に美容院デビューしたと思うのですが、それまでは母の素人カットで過ごしました。
大人になって思うこと
私は子どものとき感じたことをけっこう覚えています。
中学高校時代より、ものごころついた頃~小学生のときの方が鮮明です。
そんな私が子供時代を振り返って思うことは「一生懸命生きていたな」ということです。
小さいなりに、こわいこと、嫌なこととまさに全身で闘っていたなと。
とんでもない事件もいくつか起こしたけど、小さな体で、未熟な表現で一生懸命に闘っていた自分を思うと、簡単に否定したり笑い飛ばすことはできません。
(みなさんはぜひ笑い飛ばしてください。
笑ってほしくて書いています。
人に笑ってもらえると今の私は救われます。(という突然の重責。笑)
子どもの私も大人が笑ってくれたら、つられてニヤッとするんじゃないかと思います。)
親目線で見ると「私みたいな子どもヤダ。めんどくさい子どもやん。」と思います。
親や祖父母は大変だったと思います。
ほんとごめん。
人見知りは悪いこと?
何が功を奏してか、私の子どもたちはほとんど人見知りをしません。
「かわいいね」なんて言われようもんなら、
「〇〇ちゃん×歳なんで。(保育園で)△△組さんなんで。」
と個人情報をばらまき始めます。
困ったもんです。
と言いながら、うらやましいです。
今でこそある程度の社交性を身に着けて社会生活を営めていますが、最初から人懐っこいというのは、やはりうらやましいです。
じゃあ私の人見知り幼少期は失敗だったのかというとそうでもありません。
私は人見知りの子の気持ちを知っています。
幸い、子どもの頃の記憶がある方なので、自分事として知っています。
なにがこわいか、なにが不安で嫌なのか想像できます。
これは人見知りじゃない人は持っていない武器のはず。
人見知りも悪いことばかりじゃないですよね。きっと。