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【作品解説】別れを告げる夕焼
こんにちは、狐瓜です。
今回は『別れを告げる夕焼』の解説をしていきます!
別れを告げる夕焼
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過去の自分にサヨナラを。
いつものジョウケイドットのサイズ(192*128px)ですが、今回はハーフサイズです。
厳密には128*96pxサイズなのでハーフではないのですが、ちょうどいい呼び名なのでそのままです。
▼ 差分
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今までは一番上のレイヤーを塗りつぶして透明度を下げて空間を演出していましたが、あーだこーだしていたところ(Asepriteに)ブレンドモードがあることに気が付きました。
気づいたのはいいのですが、何がどんな効果でどういう使い道があるのかという知識はありません。物は試し、というわけでカンカクでイジって覚えていこうと思います。というかそうしています。調べるのが面倒なn(ビーム!!
場面について
CTW本編第一部の後半に入りかかったあたりの旧第四章、世界一の遊園地プレザラントでのシーンです。
なんやかんやあって休憩したいと海沿いの静かな場所に辿り着き、せっかく他に人が居ないから色々話そうかという場面です。それが彼らにとって大きな出来事になる──のは本編で!
※2023年12月現在まだ追いついておらず公開していません。公開次第ここにリンクをはります。
実は未公開のうごメモ版から(場所は変わっていますが)残り続けている場面です。
登場人物について
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世界でたった1人、黒髪黒目を持つ少年。
レジスタンス組織の一面も持つ緑国第八機関(通称ダイハチ)に数年前から所属し、先輩のジンと共に各地に赴いていた。
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瞳を輝かせるためにだいぶ茶色めな瞳に......
CTW第一部の主人公です。実はいたずらっ子なハートを持っています。
ちなみに名前だけでているジンは「月光差し込む宿屋にて」で爆睡していたシュウの兄です。
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ダイハチの情報部所属で、ダヴィア帝国の酒場でアルバイトをする傍ら活動をしていた少女。水色の髪は氷守の一族の血を引く証。
身につけている白バンダナは孤児院時代にレオンから詫びの品として貰ったものである。
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同じく第一部のメインヒロイン枠です。明るい性格の頑張り屋さんですが、実は自分に対してはネガティブな一面を持っています。
余談ですが、うごメモ版構想時に彼女がラストに犠牲になる案がありました。さすがにレオンが可哀想すぎるため没です。
見てみてポイント集 (今回より名称変更)
▼ もくもくのくも
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※今回からこだわりポイント集から見てみてポイント集に変更しました。こだわりというよりは注目に近く、注目だとなんか堅苦しいので見てみてです。語感が良い。
実はこの絵を描き始めた理由は「夕陽を描きたかったため」だけではありません。苦手な「雲を練習したかったため」というのが4割ぐらいあります。
ここでドッター雲描くの上手すぎ問題(謎という意味での問題)を提唱しておきます。提唱しておくだけです。(夏あたりの作品を見れば実感すると思う...)
さて、ここで過去の雲を描いている作品を見てみましょう。
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「苦手なので少ない」って書きたかったのに
なんやかんやで毎年描いてるやんけー!!
とはいえ、4年間で4枚のみ・現時点で投稿している絵が332枚なのに対して4枚だけなので少ないですね。青空は雲に入るのか怪しいですが、一応雲として描いているので雲判定です。
まぁ、苦手なので描くのを避けがちだったんです。ですが、ある時に見た夕陽を反射した禍々しすぎる雲を見て描きたくなりました。今しかない!!と感じて練習に踏み出したわけです。
色んな雲と雲の描き方を見て共通点を掴み、完成したものが右側の雲です。今までの雲に比べて、だいぶ雲っぽくなったような気がします。特に参考になったあうたろさん(光の表現がすご〜く美しい方!)のメイキングを載せておきます。
大きく変えた点としてあげるならば影の付け方でしょう。今まではもくもくの下側に影として別の色の■を打っていましたが、上側を意識して打ちました。
2020年の入道雲と今回の絵を比べてみると、言いたいことがわかるかもしれません。これは言葉にするには難しすぎる。
あとここだけの話、左側の雲はミスっています。
いつのまにか手前の明るい部分が消えていたのですが、気づかず公開してしまったのでこのままです。小さなミスなら直しますが、そっと直せるレベルでは無いのでそのままです。十分に雲に見えるのでそのままです。決して、直すのが面倒なのでそのままという訳ではありません。
こうして過去絵と比べてみて気がついたのですが、海の描き方が2020年からほぼ変わっていないようです。
▼ 影で眩しさをアップ!
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今回の絵でメインにしている夕焼。夕焼と言えば夕陽。
日中の太陽は特に夏が眩しいですが、夕陽はどの季節でも眩しいですね。特に運転席から見る信号と重なった夕陽は特に眩しく見えます。注目して見ているからだろうけど......その眩しい夕陽を表現するためにこだわったポイントがあります。
それは上の画像で青っぽくなっているところは特に暗くしているという点です。ちなみに影の色もいつもより濃いめ、夕陽が作る影なので茶色よりとなっています。
どこで見たのかは覚えてませんが、明るさを表現するには暗さ(影)を操るというものが記憶に残っていまして、それを意識して描きました。
横に光線(だっけ?)が伸びているので交わらないように上下に暗部を配置した結果、目を細めて眩しいものを見ている時の見え方に似たようなものとなり、より夕陽の眩しさをアップすることができたとも分析しています。描いた後に気づくことも結構あります。
夕陽を縁どるグラデーションをもう少し最も明るい部分と馴染む色にした方が眩しさがアップするのですが、そうすると使う色と■が増えて相対的に夕陽が占める割合が大きくなってしまうこと・空の荒いグラデーションとのミスマッチが起きてしまうためこのような形となっています。
この時の縁の色の選び方は、目のピントをズラしてボヤけて見える状態で綺麗に馴染んでグラデーションに見えるかを基準としています。
今回の解説はここまで! 次回は「路地裏の告白」の解説です。
※以下、(追いついていませんが)本編ストーリーのネタバレを含む解説となります。
ネタバレ含む解説コーナー
▼ 夕焼の役割
このシーンを書くにあたって夕方という時間帯を選んだ理由は、ただ単に夕焼でエモくなるからという理由だけではありません。リード文に「サヨナラ」とある通り、別れと終わりを強調するためでもあります。
夕焼で見る夕陽はその日に見ることができる太陽の最後の姿です。そのことから転じて、夕陽の眩しさは別れの挨拶と詩的に解釈することもできます。
しかし、太陽は再び昇ってくるため、夕陽が意味する別れと終わりは一時的なものと受け取ることもできます。一旦リセットと言ったところでしょうか。
(スピリチュアル的にも夕陽は何かの終わりを伝えるメッセージとのことですってよ奥様旦那様!!)
さて、本編でのこの場面を振り返ると過去のあれこれが積み重なって本当は潰れかかっているのにも関わらず頑張り続けているものの、それがさらに自分に鞭を打っていることになっているオリガがレオンに促されてやっと心境を口にするシーンです。
そこでレオンが提案するのが、過去の自分に別れを告げることでした。同時に「少なくとも俺は許すから」「俺だけでもいいから頼って欲しい」と初めて主語を大にして堂々と本音を言うシーンでもあります。両者、一歩次に進んだわけです。
(このシーンを書くのに結構苦労した記憶がある...)
これらを合わせ、夕焼に過去の自分との"別れ"・苦労の"終わり"という意味の情景描写の役割を与えています。また一旦リセットの意味から、過去の自分との完全な別れは難しいことであり、時々思い出してしまうこともあることの暗示の役割もあります。
ネタバレありの解説は以上となります。今回このコーナーを書きましたが、今の感覚的にある時とない時があると思います。
ともあれ、お読み下さりありがとうございました!