人生最大の修羅場

29年生きてきた

今のところ
私の人生最大の修羅場は
大学2年生の夏に起きた

姉と住んでいた3LDKのアパート

そこが事件現場となる

当時、3歳上の姉は1年留年し
大学5年生だった

インカレのダンスサークル内に
他大で年下の彼氏がいて
その彼氏と私はSNSで繋がっていたり
家に遊びに来ることもあったので
そこそこ仲は良かったと思う

そんな姉カップルが別れたのが
修羅場の始まりだった

姉

メンヘラ期と化す

いや、元々その素質はあった
というか恋愛事になると大体はそうだった

私の部屋に来て泣きながら
付き合った時間を返して欲しいと言った

8ヶ月間だ

絶妙に短い

柄にもなくタバコを吸い始め
長かった髪をバッサリ切り
どんどん痩せていった



そんな姉が
ある日友達の赤ちゃんを見に行くと言う

なんでも、所属するダンスサークルの後輩の子供だとか

さて、みなさん少し「？」と思ったのではないだろうか

ここで登場人物を紹介したい

私 大学2年生
姉 大学5年生

姉元彼 大学3年生・姉の元彼
A 大学3年生

姉と姉元彼、Aは同じサークルである

Aは在学中に授かり婚をしており
Aの奥さんは同い年で、
Aの代わりに働いているらしい

そんなAの子供が生まれたとのことで
出産祝いを持って会いに行った姉
子供が好きなので、少しでも元気になって帰ってきてくれると思っていた

Aと不倫関係になって帰ってきた

なぜだ貴様

当時10代だった私でも
さすがに注意せざるを得ない

何を言っても姉は

私は奥さんに勝ってる
私が支えないと

と聞かない

これが不倫脳ってやつか

後日
アパートにAが遊びに来た
関わりたくないので
その日は友達の家に泊まった

しかし
こんな姉でも姉なのである

一応どうにかしてあげたいとは思っていたが

妹の私が言えば言うほど
反発してのめり込んでいくように感じたので
止めもせず、応援もせず傍観することにした

そしたらソッコーでバレた

なんなんだてめえら

AのiPhoneを拝借したA嫁
先日お祝いを持ってきた姉とのLINEのトークが
消されていることでピンと来たらしい
詰めが甘いどころではない

すると姉とA

スマホの電源を切って逃走

姉からは
「私とAは隠れてるから。どこにいるかはあんたにも言えない。誰に何聞かれても知らないって言って」

と電話が来た

姉元彼からはTwitterのDMで
元彼の友達(しかも既婚者)に別れて数ヶ月で手を出すなんて悲しいと言われる
聞いたところ、姉元彼とAはかなり仲が良かったらしい

姉元彼にはとても優しくしてもらえていたので
申し訳なかった

翌日の早朝(6時頃だったと記憶している)

我が家のインターフォンが鳴る

いや、インターフォンが連打される

それはもう連打に連打

女子大学生が早朝にインターフォンを連打されたら
どんな気持ちになるか想像してみてほしい

起きてドアスコープを覗く

そこにいたのは姉元彼だった

心配して会いに来たのかと思い
軽率に鍵を開ける

目の前には姉元彼

そして

A
嫁、襲来

あとから聞いた話だが
2人で徹夜で作戦会議(？)をして
始発で我が家に来たらしい

「Aの嫁です
Aがお世話になっております」

と満面の笑み

刺される覚悟を決める

ていうかこの家に遊びに来てたの知っているらしい
完全に私はグルだと思われていただろう

お姉さんいますよねえ！？！？

土足で家に入ろうとするA嫁
いないですとしか言えない私
止めに入ろうとするも非力な姉元彼

お姉さんが何してるか知ってます？

私、頷くことしかできない

姉元彼、空気と化す

正直に
姉がいないこと
おそらくAと一緒にいること
こちらも連絡がつかないことを伝える

あーじゃあ裁判とかになると思うので
ちゃんとご両親にもお伝えしておいて下さい
よろしくお願いします

と言い残して去っていくA嫁

A嫁の後ろをそそくさとついて行く姉元彼

家の場所を教えたのはてめえだろ

こんなことになると思わなかったと
DMで私に謝る姉元彼

あんたこんな時もDMかよ

なんだか文字にすると修羅場感がイマイチ伝わらないが
この時のA嫁の気迫というか
圧というか
嫁という立場の強さというか
そういうものを
まだ10代だった私なりに感じた

もうめちゃくちゃビビっていた私は
母に電話し
姉にLINEをして
その後どう過ごしたかはあまり覚えていない

姉とAはA嫁に土下座して謝り、別れたこと
AはA嫁に買わなかった婚約指輪を買わされたこと
後日、共通の先輩の結婚式で見事に3人がエンカウントしたことは聞かされた

そんな姉も現在は結婚して２児の母だ

この時の話は、誰も触れないし
姉の旦那さんも知らない

姉が浮気や不倫の話題になった時
ありえないよね〜と笑う度
私の心は少し修羅場になる