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ちょっとコワイ話「ポケベルが鳴った夜」
あっという間に2月。平成もあと少しですね。
終わりと言えばポケベルも。。
今日は、間もなくサービスが終了するポケベルにまつわる備忘録。
ちょっとコワイ話?なので、あえて朝に公開しておきます。
*
かれこれ20年ぐらい前のある晩。
テレビを見ていると当時付き合っていた彼のポケベルが鳴りだした。
時刻は深夜1時。ちょうど終電が終わる頃だろうか。
「こんな時間に何ごと?」と思い、眠っている彼を揺すってみたが起きない。
気になって、テーブルに置いてあったポケベルを覗き込み表示されていた6桁の数字を頭の中でくるくる回してみた。
5・6・4・2・1・9
ゴロンシニイク?
コロシニイク?
えっ?
背筋が冷やっとしたその瞬間、突然玄関のドアを叩く音が鳴り響いた。
ドンドンドン
ええっ?
咄嗟にテレビを消した。
部屋の音が外に聞こえないよう息を殺しながら彼を強く揺すったが、起きる気配なし。
ドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン、、、
ドアを叩く音はさらに激しくなっていく。
彼は揺すっても叩いてもピクリともしない。
恐怖のあまり体が強張る私は必死に祈った
「どうかドアが開きませんように」
数分後
ドアを叩く音は止まった。
廊下に響く足音に耳を澄ましながら少しづつ息を吸って体を起こすと、今まで散々揺すられても、ものすごい音が鳴り響いても起きなかった彼が「どうしたの?」と目を覚ました。
慌てて今の出来事を説明すると「誰だろうね?」と軽く流してまた寝てしまった彼を見て私は確信した。
絶対ウソ寝だ!!!
*
ポケベル終了のニュースであの晩のことを思い出し検索すると『564219=コロシニイク』は都市伝説になっていた。
あの晩ポケベルを鳴らしたのが誰かは未だわからない。
あれは彼の友人のいたずらかかもしれないし、ポケベルとは関係がない誰かなのかもしれない。
もしかしたら都市伝説的な何かってこともあるのかもしれない。
でも一番修羅場になっていたとしたら。。。
「寝たふり」は時に身を助ける。