手をつなごう
今年の春、息子と満開の桜の下を歩いた。
こうして手を繋いで歩けるのは、あとどれくらいだろうか。。。
息子が小学校に通い始めて2日目の朝。
学校の途中まで見送ろうと一緒に家を出ると「お母さん手を繋いで」と息子が甘えてきた。
もう小学生なのに。。。
「自転車を押していくから手は繋げないよ」と自転車を口実に1人で歩かせたものの、仕事中に息子の顔がよぎると後悔で頭がいっぱいになった。
自転車なんか置いて行けばよかったのに。
なんで手ぐらい繋いであげられなかったんだろう。
朝の不安そうな顔を浮かべ、3月の卒園式のことを思い出した。
卒園式で子ども達が思い思いの『大きくなるということは』を呼びかけた時、息子は大きな声でこう言ったのだ。
「外でお母さんにギュッとされるのが恥ずかしくなるということ」
そうだよね。
まもなく幼児期は終わるんだよ。
もしかしたら来年の桜の季節にはもう、母ちゃんとなんか手を繋いでくれないかもしれない。
あと何回手を繋げるだろうか?
早く迎えに行かなくちゃ!
そして手を繋いで帰らなくちゃ!
待っててむすこー!!
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真っ赤な夕焼け空。
仕事が終わるとせかされるような気分で電車に飛び乗り、息子が待つ学童に駆け付けた。
「手を繋いで帰ろう!」とテンション高めの私に息子はこう言った。
「いい、早く帰ろう。早く自転車に乗せて」
「あ、はい。。。」
子ども時代は短い。
どうか皆さまも後悔なきように。