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手をつなごう

今年の春、息子と満開の桜の下を歩いた。
こうして手を繋いで歩けるのは、あとどれくらいだろうか。。。

息子が小学校に通い始めて2日目の朝。
学校の途中まで見送ろうと一緒に家を出ると「お母さん手を繋いで」と息子が甘えてきた。

もう小学生なのに。。。

「自転車を押していくから手は繋げないよ」と自転車を口実に1人で歩かせたものの、仕事中に息子の顔がよぎると後悔で頭がいっぱいになった。

自転車なんか置いて行けばよかったのに。

なんで手ぐらい繋いであげられなかったんだろう。

朝の不安そうな顔を浮かべ、3月の卒園式のことを思い出した。
卒園式で子ども達が思い思いの『大きくなるということは』を呼びかけた時、息子は大きな声でこう言ったのだ。

「外でお母さんにギュッとされるのが恥ずかしくなるということ」

そうだよね。
まもなく幼児期は終わるんだよ。

もしかしたら来年の桜の季節にはもう、母ちゃんとなんか手を繋いでくれないかもしれない。

あと何回手を繋げるだろうか?

早く迎えに行かなくちゃ!

そして手を繋いで帰らなくちゃ!

待っててむすこー!!


****

真っ赤な夕焼け空。

仕事が終わるとせかされるような気分で電車に飛び乗り、息子が待つ学童に駆け付けた。

「手を繋いで帰ろう!」とテンション高めの私に息子はこう言った。

「いい、早く帰ろう。早く自転車に乗せて」

「あ、はい。。。」


子ども時代は短い。
どうか皆さまも後悔なきように。




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