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重力さえコントロールできる世界で、なぜ現実を再現するのか

こんにちは!VRChatワールド探索部の、わか(Waka123)です!

この記事はワールド探索部のアドベントカレンダー13日目です。

この記事で指す「VR」とは、私がVRChatのことしか知らないので主にVRChatのことを指し、「現実」は基底現実のことを指します。

VRChatの世界にやってきてそろそろ1年、ワールドを作り始めて9か月が経ちました。noteを書くのも初めてなので、自己紹介も少し交えつつ、私がVRChatの世界にやってきて感じたことを書きます。


VRっぽさにテンション上がった初期

VRChatに来てすぐは、「現実とは違う新しい世界が広がってる!やばい!なんか浮いてるスゲー!」みたいに、現実離れしたやつにめちゃくちゃテンション上がった覚えがあります。


[JP]Tutorial のポータルから行った、Sky on Cube— by tamsco274

キューブめっちゃ浮いてる!

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くじらが空を飛んでいる! Ship in Clouds — by Siromor

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最初期に印象深かったのは重力を無視したようなワールドでした。その後、ホームワールドなるものの存在を知り、家っぽいワールドを中心にワールド巡りするように。


ホームワールドを作る時に疑問が沸いてきた

仕事で住空間を作っていた人間なので、VRでも家を作りたくなるのはすぐでした。わけもわからないままBlenderをさわり始める私。そしてホームワールドを販売することになり、VRの住空間を設計することになったんだけど、一つの疑問が…。

あれ、壁とか天井って、なんで必要なんだっけ…??

現実では、雨風をしのぐために。けどVRでは気候なんて関係ない。VRChatワールドの最低限の要素を挙げるならば、コライダー付きの床だけでよい。それとVRC_World。

スクリーンショット 2021-12-11 13.11.27

(よく見るやつーーーー)

スクリーンショット 2021-12-11 13.09.31

(ミラーとキューブくらい置いてみる?)

最低限の要素、という意味ではこれだけで良いんですよね。

VRにおける壁とは?天井とは? そんな疑問は尽きなかったし、今もその答えは出ていないけれど、住空間を作るのが好きだったので夢中でBlenderで大好きな家を作ってました。


VRでは意味をなさないテーブル

VRの家づくりに夢中になっていたとき、私にとっては衝撃的な出来事がおこります。私が作ったワールドでVideoPlayer見てるときの写真です。

めちゃくちゃテーブルが邪魔だったんです…!!!

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ソファの前にはテーブルいるでしょ!と何も疑わずに配置した私は、VR固有と思われるその現象に目を疑いました。机なんていらんやん…。

椅子も机も現実と違ってVRでは役目が無い。必要なのは何か物を置くときぐらい? それでも人気のホームワールドでもソファがあり机がありキッチンがありベッドがある。意味をなさないのに。

だだっ広い空間にいるよりは壁とか天井とかあると落ち着くよねっていうのは本能っぽい気もするけれど(たぶん)、結局、現実に似ているってのが安心感なんだろうか。

重力さえコントロールできるVRの世界なのに、たいていのワールドは下に地面があり、見上げれば空がある。それって、やっぱり現実の再現であり、無自覚に現実のルールに引っ張られている気がして、本当に不思議でたまらない。下が空で上にビル群があったとしてもそれは現実世界の反転として成立しているので、現実のルールを完全に無視しているとは言い難いように思う。

いろんなイベントも、VRじゃないと存在しえないっていうのは少なくて、例えば音楽イベントだってVketみたいな販売会イベントだって現実からの再現だ。集会だって飲み会みたいなもんといえば、そう。

もちろん、そうじゃないワールドやコンテンツがあるのも知っているけど、過半数を超えるほど多いかというとそんなことは無さそう。

…なんだ。結局、現実の文脈の上にしかVRコンテンツの多くは存在しないんじゃん…


VRの魅力を再発見

VRで作られるものは現実に引っ張られるのか? と、わけもなく意気消沈した時期もありました。そもそもなんでそんなこと考えるのかって、私が作りたいものが現実っぽいものばかりというのが大きいんですよね。

重力さえコントロールできるVRにいながらも現実っぽいワールドばかりを作る自分に戸惑いつつ、初期の頃のVRスゲー!っていう感動は少しずつ薄れ、結局VRは現実の下位互換でしかないのか…みたいなガッカリ感が、うっすら心の中にありました。

それでも頭の中にある物を作るのが楽しくてVRChatを続けていた、そんなある日。

ワ探メンバーのかわうそさんのツイートです。これを見たときに、別垢の話ですが、遠方の友人とTwitterのリプライで「今すぐ一緒に遊びたいのにできない!」「日本が縮まれば良いのに!」「どこでもドアが欲しい!」と話していたのを思い出してハッとしました。

ポータルってどこでもドアだね!?

あり得ないと思っていたことが、VRでは簡単にできちゃってるんだった…!

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ある日のワールド探索部の活動日、出張先のロシアからアクセスするTakaomi部長。こんなことも、もちろんできちゃう。

VRChatに来て1年、今では当たり前のように使ってるポータルだけど、そういえば初めて見たときめちゃくちゃ感動したんだった。

現実では難しいことが簡単にできちゃうんだーっていう視点で見ると、所詮は現実の延長でしかないのかもと色褪せて見えてしまっていたものが、VRの魅力となって改めて鮮やかに見えるようになりました。


現実では難しいことが、簡単にできちゃうVR

現実でできなくはないけど難しいこと。それがVRの世界ではめちゃくちゃ簡単にローコストでできちゃう。例を挙げるまでもなくVRChatに入って目に見える全てがきっとそうなんだけど、でもあえて例を挙げてみる。


壁の色変え。Unity上で簡単に変えられるけど現実では工事費用がそこそこかかる。めんどくさい工事見積書の作成もVRなら不要だ。やったね!

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別垢の友人と遊ぶのに使っている推しの自宅の再現ワールド(もちろん自作)で、遠方の友人と推しの誕生日会も気軽に開けちゃう。

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戦闘機に乗せてもらって空の旅。VRChat航空界隈のみなさんは、空母持ってるらしいよ!空母!

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DJイベントだって、イベント終了後にすぐにベッドに入って眠ることができる。最高すぎる!

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自宅(ホームワールド)も現実の1/10,000以下のお値段で買えちゃうよ!

自分の宣伝ばっかりで失礼しました…!


個人の感想ですが、重力さえコントロールできるVRの世界で現実を再現するのは、現実では難しいことがめちゃくちゃ簡単にできちゃうから!…と私は感じています。


いやー、VRChatは楽しいね!


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