毒出しポエム

どこへ行っても、どれだけ時が経っても、かつて乗り越えられなかった壁と同じような壁が目の前に立ちはだかる。むしろ逃げ続けた代償だ、とでもいうように、壁は険しさを増している。

私は自分の弱さから目を背けて生きることを、許してほしいのだろうか。「許してほしいのだろうか」。疑問ではなく、願望だろうが。全く浅ましいことに、私は許してくれませんか、と素直に言えない。許してくださいと願わねばならぬほどに、自分が劣っているという事実を認めたくなくて心がカッとなり、劣等感と羞恥心に耐えられなくなってしまう。

きっと、私以外の人間からしたら取るに足らない壁なのだ。別に乗り越えずとも回り道をすれば、先に進むことはできるだろう。ただしその先に続いている道は、今歩いている道よりも、障害物が多いかもしれないが。

何かを選べば、何かを手に入れ、何かに躓く。そういうものだ。


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