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【不妊治療 5年】ステップアップは突然訪れる【体験記】


不妊治療5年で

タイミング法から始まり
人工授精6回
採卵6回
体外受精6回

流産2回
バニシングツイン
妊娠→壮絶なつわり

を経験しました。

それぞれのステップに移る時
いつも身構えられていた訳ではなく

どちらかといえば
その時は突然にやって来ました。


私は
28歳で結婚。
29歳から不妊治療を開始。

2度の流産とバニシングツインを経て
現在は残った1人をお腹の中で育てています。

私は不妊治療中
『不妊治療ありきでの生き方』
のヒントを探して
経験者の記事を読み漁りました。

私も誰かのために
不妊治療5年間を乗り越えた方法を
シェアしていきたいと思います。



はじめてのステップアップ(タイミング法)

ルナルナのアプリや排卵検査薬を用いて自己流で妊活を初めてから半年が過ぎた頃。30手前という年齢もあり、1度産婦人科で診てもらうべきだと考え始めました。

ブライダルチェックと同じノリで産婦人科に乗り込んだ私は、待合室に座る妊婦さんを見ては「私もすぐにあっち側に行けるはず」と期待を膨らましていました。

初めに行われたのは基礎体温の確認と卵管通水検査、同時にタイミング法でした。まずは検査だけなのかな?と思っていたため「タイミングを取ってね」という医師の指示には突然さを感じました。

もう不妊治療という船に乗り込んだのか…!

ここから長い戦いになるとは露知らず、「次の生理は来ないかも!」なんて浮かれている私なのでした。

前向きになり切れないステップアップ(人工授精)

人工授精へのステップアップは、転勤で引っ越した先の違うクリニックで経験しました。

タイミング法が続けてハズれ、人工授精にしてみようと医師から提案されました。

「私、とうとう人の手を介して妊娠する方法を選ぶのか…。」というちょっと後ろ向きな気持ちが出てきそうになるのを抑えつつ、妊娠するなら少しでも早い方がいいのだから!と自分を鼓舞しました。

夫の精子を他人から入れられる不思議な儀式。説明は受けていたものの、最初は受け入れきれていなくて、淡々と進む手技に違和感を感じていました。

私にとってはすごく特別な儀式なのに、クリニック側にとっては一日に何人も相手にしているうちの1人でしかない。初めての人工授精は、私の中に突然入ってきた価値観でした。

突然訪れた予想外のステップ(流産)

3回目の人工授精のためにそろそろ生理が来るからお薬を貰いに行かなきゃ!と受診したところ陽性反応が確認され、2回目で人工授精が着床していたことがわかりました。

突然「妊娠していた」ことがわかってしばらくは自覚しきれていませんでした。ところが、その後の診察で経過が悪く「流産になるだろう」と宣告されるのです。

妊娠の喜びはほんの一瞬で、心拍確認も出来ずそのまま自然排出。次々と訪れる突然のステップに、心も体も追いつかなず疲れ果ててしまいました。


新しく提案されたステップ(転院)

初めての流産の後、人工授精を4回繰り返した後で体外受精にステップアップしました。

この時は自分でも「早くステップアップしたい」と思っていましたが、医師の「あまり医療介入しすぎても妊娠しずらくなることがある」という言葉もあり、人工授精で粘っていました。(この頃はまだ保険適応ではありません。)

しかし、体外受精2ステップアップし2回目も陰性となったタイミングで、医師から「着床障害」の可能性を指摘され、遠方の有名なクリニックに転院することを提案されました。

私にとっては寝耳に水!突然すぎる提案だったのでしたが、体外受精が保険適応となり、そのチャンスは6回。あと4回の機会を残して転院の提案をして貰えるのは凄くありがたいことでした。(医院の運営より患者のことを考えてくれる素敵な先生でした。)

こうして突然、片道2時間以上かかるクリニックへ転院するという、新しいステップに移行したのでした。


終わるようで終わらないステップ(また流産)

転院先では着床障害の検査や子宮鏡、CD138など、初めて聞くような検査を沢山して貰えました。(最終的にはエマアリスもしてもらいました)

施設レベルも、スタッフさんのレベルも最高レベル。受付の方が「病気がみえる(医療参考書)」を手にしているのを見つけた時は、本当に感激してしまいました。

ここで行った体外受精で運良く着床し、また突然「妊娠」を経験しました。そして、心拍確認も終えたのに、やはり「流産」してしまったのです。

前回と違って、心拍が少しずつ途絶えていく経過を目の当たりにしました。亡くなった子との別れは、手術予定日を待たずに突然自宅で訪れました。(自然排出についても別の記事にまとめています。)

スパイラルなステップ(凍結ゼロ)

その後、少し治療をボリュームダウンすることにし、元のクリニックに戻り体外受精を2回行いましたが陰性。最後の機会はまた、あの転院先に戻ることにしました。

舞い戻ってきた有名クリニック。通院は大変でしたが、前回ここのクリニックで着床したんだ!という気持ちが強く、希望を持って採卵に挑みました。

ところが、来た意に反して凍結できた胚盤胞はゼロ。一周期休んで再チャレンジしたけど、凍結できたのはグレードの低い胚盤胞1個のみ。

ここに来てこんなことあるの?とビックリするステップを突然に突きつけられたのでした。

この時期は公私共に悩みに悩んだ時期でした。そして色々と転機があって(他の記事で詳しく書いています)生活スタイルを変えたところ、次の採卵でグレードの良い胚盤胞を5個凍結という結果にたどり着きました。


思いがけず悲しみを味わうステップ(バニシングツイン)

妊娠判定日の2日前。体調がなんかおかしい。実は2回目の流産の時につわりを経験しており、この体調はもしかして?という気持ちが頭を過ぎりました。しかし、ここまで経過を拗らせていると、期待する方が怖いのです。

期待よりも「落ち込まないこと」を優先して検査薬を使ったところ、陽性反応。でも流産2回、採卵もうまく進まない経験をして、今回が体外受精6回目。ぬか喜びは出来ません。

判定日当日。当日に採血結果が出て判定がわかるシステムでした。出た結果は陽性な上に双子の可能性。2個戻しではありましたが、それにしてもそんなこともあるの?と気持ちが追いつきませんでした。

この後も経過は順調で…と言いたいところでしたが、心拍確認後に双子の片方の心臓が止まってしまいました。私の不妊治療はすんなりと進まないように出来ているようです。

バニシングツイン。双子の片方の命が消えてしまうこと。生命の維持と生命の終わりを一緒に見守るステップを、突然に経験したのです。


予想以上に壮絶なステップ(つわり)

とにもかくにも「妊娠すること」を目標に過ごした5年。つわりは経験したことがあったけど、その存在を予め意識したことはありませんでした。

ところが、妊娠判定の数日後から襲いかかるとてつもない吐き気。次の週には寝たきりになってしまいました。

それでも不妊治療による妊娠では、妊娠継続のためにしばらくホルモン剤の使用が必須となります。遠方のクリニックへの週一回の通院は、這い蹲るようにして向かいました。

1ヶ月で5キロ近く痩せ、尿ケトン(つわりの重さを判定するのに用いられる)の値も2+で、入院を提案されるほどでした。

転勤族の我が家は、朝早く出勤し夜遅く帰宅する夫しか頼れる人が居ません。入院したところで、送迎も手続きも洗濯物の交換もして貰えません。なので、その場で点滴だけお願いして、あとはひたすら家で倒れ込んでいました。

つわりの重さは人それぞれですが、調べていたら予め体内のビタミンB濃度をあげておいた方が軽く済むという情報を見つけました。

私はつわりが始まってからビタミンBのサプリを飲み始めましたが、不妊治療中から飲んでいればよかったと激しく後悔しました。

もし今から準備できる環境にいる方は、ぜひ妊娠前からサプリを摂取したり、つわりが重症化した場合の対応方法を検討しておくといいかもしれません。


ステップアップは突然に

思い返せば、ステップアップ時に予め心の準備が出来ていたことは少なかったと実感します。

今は妊娠7ヶ月。あの重いつわりは徐々に収まったものの、安定期を超えても吐いており、今も食べれるものが限られている状況です。

不妊治療中は、どちらかといえば目先の治療に集中していて、先のことを深く考える余裕がないと思います。

必ず全て準備する必要はありませんが、もしこれからステップアップを考えている方がいたら、この記事を参考に心の準備をしてみてください。

不妊治療を頑張る全ての人が報われることを心から願っています。


▶︎他にも不妊治療に関する記事を書いています。

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