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不妊治療で感じた孤独感を軽やかに乗り越える方法


不妊治療の期間が長引くと

仕事やプライベートでの制限が増え
次第に付き合う人も減り

孤独感を感じるようになっていく
ということがあります。

夫とも意見が食い違い
子持ちや独身の友人とも
話が合わなくなっていく。

この「孤独感」を
5年以上経験した私が

この期間の乗り越え方を
提案します。


私は
28歳で結婚。
29歳から不妊治療を開始。

2度の流産とバニシングツインを経て
現在は残った1人をお腹の中で育てています。

私は不妊治療中
不妊治療ありきでの生き方
のヒントを探して
経験者の記事を読み漁りました。

私も誰かのために
不妊治療5年間を乗り越えた方法を
シェアしていきたいと思います。



不妊治療を始めて孤独感を味わう

私が29歳で不妊治療を始めた頃。
当時、新婚生活をゆるりと楽しんでた私は、子持ちの友達や独身の友人とも、それぞれとバランスを取りながら友人付き合いができていました。

しかし、不妊治療を始めたことで、それまでと生活スタイルや考え方が変わりました。不妊治療を打ち明ける勇気もなく、理由を濁しながら誘いを断る日々となりました。

夫が不妊治療に抵抗がなかったのは救いでしたが、治療経過を報告しても、治療方針について相談しても、夫には「よく分からないから任せる」と言われてしまい…。

なんとなく『1人で不妊治療をしている』気持ちになり、孤独を感じていました。


孤独感に追い打ちをかけた言葉

夫の転勤をきっかけに転職活動を始めたある日。相談員の方から言われた言葉が私の心を闇に落としました。

「しばらくは子供を諦めないと就職できないんじゃない?

妊娠適齢期の転職。

採用してもすぐに妊娠して戦力外になるのではないか?という採用側の懸念を汲み取ってのコメントだとは思います。

しかし、そもそも妊娠が出来なくて悩んでいる私は、いかに世間に受け入れられにくい存在なのか、と社会的な孤独を感じてしまったのでした。


実は同じような壁を既に乗り越えている

もし不妊治療をしていなければ、孤独を感じなかったのでしょうか?

人間、隣の庭は青く見えるものです。

SNSで出産報告をしている友人は幸せそうに見えるし、子持ちの友人が皆で集まっているのを聞くと、取り残された気持ちになってしまいます。

でも、よくよく考えると、高校受験で自分だけ不合格だった時。同い年の同僚が先に出世した時。

同じステージにいたはずの仲間が全く別のステージにいる気がして、なんとなく「置いてけぼり」な感じ、言い換えれば孤独感を感じる経験があったと思います。

今回は「不妊治療」をきっかけにそれを感じているだけで、人はその時の位置によって価値観や感じ方が変わるものです。そのような壁は、人生の中で何度も乗り越えてきている訳です。

辛い時は人付き合いを保留する

頻繁に会う人も、遠くにいて定期的に連絡を取り合う仲の人も、その人自体は嫌いじゃないのに「不妊治療中」は関わるのが辛い関係ってありませんか?

そんな時は「人付き合いを保留する」こともおすすめです。

本当にお互いが大切な存在であれば、しばらく距離を置いたところで関係性にヒビが入ることはありません。

逆に、常に気を使っておかないと関係性が保てない人に関しては、今後も負担になる可能性があるので、この機会に関係を整理してもいいのではないかと思います。

時代はSNSの普及により、物理的に離れていても、会ったことがなくても、気の合う仲間と関係性を築ける世の中になりました。

人間関係も固執せず、その時の状況応じて、軽やかに手放したり新しい場所に移動したりするのもアリだと思っています。

あの時「しばらく子供を諦めたら…」と言っていた相談員さんとはその後1度も会っていません。でも場所を変えたら、不妊治療を応援してくれる相談員さんや職場と出会いました。

ただ落ち込むのではなく、軽やかに身を移すのが1番です。


もう一人の自分がどう寄り添うかを考える

そうとは言え、深く刻み込まれた孤独感や劣等感は簡単に消えません。自分の何が悪かったのか?と落ち込んだり、上手くいっている人を妬んではそんな自分を責めたり。

そんな時は、自分を客観的に見て、大切な家族や友人に声をかけるように、もう一人の自分がどう寄り添うか考えてみてください。

「辛いよね、頑張ってるよ、そんなに自分を責めなくても大丈夫だよ」

って言ってあげたくなりませんか?

私は5年間でこのスキルが爆上がりしました。
自分の最大の味方は自分です。自分と1番長く過ごしている、1番の理解者は自分です。

客観的に見た瞬間に、自分が自分を追い込んでいたことに気づけたりします。


不妊治療は人生の一部

不妊治療中は、ホルモン剤の影響や社会的な境遇によって、思考がネガティブになりやすいと思います。おまけに体調も落ち着かない。

少しのきっかけで「何故こんなに不幸な思いをしなければいけないのか」と、どん底まで落ち込んで涙が止まらなくなる。

自分で自分の感情をコントロール出来ないこと、沢山ありますよね。大丈夫、それでいいんです。あなたのせいじゃないです。ダークなこと考えても良いです、夫に八つ当たりしてもいいです。

今あなたがそういう状況だからといって、人生全てが台無しになることはありません。

今感じている辛い経験は、将来のあなたが周りの人に優しくできるようになり、色んな事情を持った人を理解できるようになるという素敵な材料になるんです。経験した人にしか分からない感情ですから。

その時々をしっかり悩んで自分で決めて、時には全力で、時には軽やかに乗り越えていけば、後から振り返った時「あの時の経験」の一部になります。

過去に他のことで悩んでいた自分を振り返ると、そうだと思いませんか?


不妊治療の社会的展望に関する私の考え

時代は変化するものです。10年前、不妊治療は日本において、まだ駆け出しの分野でした。

ここ数年は保険適応になったことや、メディアで取り上げられることが増えたことで、「不妊治療」誰もが耳にしたことのあるワードになりました。

さて、これからはどうなるでしょうか。もしかしたら将来、不妊治療が当たり前の世界になり「あの頃しっかり不妊治療を経験した」私たちは時代の先駆者だったともてはやされるかも知れません。

貴重な人材だと評価され、不妊治療のメンタルサポートや治療方針の考え方をレクチャーするチームに加わって欲しいとスカウトされるかもしれません。

30年前にスマホやSNSが主流の世界をを誰も予測していなかったように、今はまだ世間が不妊治療を受け入れきれていません。まだ私たちは少数派です。

ということは、私たちは時代を創る先駆者です。まだ理解されなくても、理解し合える人たちと共に、不妊治療期間を軽やかに乗り越えられる世界を作っていきましょう。

30年後に、あの頃は不妊治療が辛い時代だったらしい、と言われる世界になるように。



最後に、今不妊治療で悩まれている全ての方が明るい未来を手に入れられるよう心から願っております。


▶︎他にも不妊治療に関する記事を書いています。

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