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怖い話
私はいつもすぐ「ハマる」。それは食べ物だったり、漫画だったり、小説だったり。食べ物はハマれば毎日食べるし、小説漫画は大人買いする。しかし、「人」にハマるとどうしようもない。
ひとつ怖い話をしよう。
私はある日、ほんとうに突然ある人にハマる。それは有名だったけど、ある日有名でなくなった人。youtubeでその人を見た途端にハマったのだ。その容姿や声が私のDNAにないものの人だったのだ。いままで、いわゆる芸能人やアイドル?にハマったことのない私はたじろいだ。これはやばい。
毎日youtubeを観た。観まくった。朝昼晩ごはんも食べずにずっと観た。怖い。こんなやつこわいよ。そう、私はいわゆる誰かの熱心なファンな人をどこかでバカにしていたのだ。自分以外の誰かが人生の中心になるなんてありえないと。しかしだかしかし。私は簡単にハマり生活の中心がその人になる。会ったこともない話したこともないその人が悪なのか善なのか全然分からないのに、私はその人の顔や声を聞かずにいられないのだ。
怖い。完全に怖い。私がその人だったら本当に怖い。自分の人生をなぐり捨ててこっちにくるなんて恐怖しかない。
しかし、私はそうなってしまったのだ。
恋ですらない。自分の空洞を埋めるようにひたすらyoutubeを観る。ある日私は意を決してその人の舞台を観に行く。本人を見た時の衝撃が忘れられない。毎日毎日毎日画面で見ていた本物がいる!いま!そこに!私はぶっ倒れるかと思った。喉はからからになるし、1秒なりとも見過ごしたくなかった。
怖い。怖いよ。。。
しかし、自分。そのときは本当に夢中だったのだ。
更に怖い話をしよう。私は本気でその人と友達になれると思っていたのだ。友達にも「その人と私が友達になれたら一緒にご飯いこうね!」とかほざいていたのだ!
そんな私を見ていた親友は私に真実を告げた
「え。なんかsawai怖いよ。。」
私の目から毒が落ちた。
「ん?怖い???私が怖い??」
危ない。本当に危ない。私はあわや妄想病になるところだったのだ。。友人の一言がなければ、いまの自分はない。と思う。
その日から少しずつ冷静になっていった。いまは春の太平洋のように穏やかだ。あの嵐のような日々はなんだったのか?
いつどの様なタイミングでハマるのか分からない。これも躁鬱気質のせいなのか?
出来ればこのまま穏やかに日々を過ごしたい。しかし私はひとつ学んだのだ。正常な人なんかはいない。みんなどこか狂っている。それを個性と呼ぶかもしれない。心で指差して笑っていた人に私だっていつかはなるかもしれない。わたしはあなたで、あなたはわたしかも知れない。
いつからか私はなにに対してもジャッジができなくなった。