ZIBとわたし

ソ連の宇宙犬に、なぜか惹かれてしまう。

特に好きなのは「ZIB」。
ボリクという犬が宇宙へいくハズだったが、直前に脱走。仕方なくそのへんにいた犬がつかまえられ、「ボリクの代理」略してZIBと名付けられ、たいした準備もしないまま、あれよあれよという間に宇宙へ。
そして…シレっと無事に帰還したらしい。

そんな強運の持ち主ながら名前が最後まで「ボリクの代理」なのが哀しくていい。アイデンティティを奪われ、誰かの代理としてでしか認識されなかった犬。

ここ数年、とにかく人が足りないウチの部署では、新入りで大仕事を任せるには心許ない(であろう)わたしに次々とヘルプの仕事がふってきた。どこまでいっても代理でしかないわたし。そんな自分とZIBを重ねてしまう。また次も無事に帰還できるだろうか。

でも。
本来なら到底選ばれるはずのないような大きな仕事にも、手伝いという形で参加できることの意義もまた感じている。去年の年末に苦労した某ゴールデンの全国ネットの番組、さっきやっと見たらエンドロールにちゃんと自分の名前が入っていて、なんだか感慨深くなった。
こんなそこらへんにいる犬でも、代理でも、名前をつけてくれる有難さ。。。

ひとつ前で、彼氏からの連絡がこないと愚痴を書いた。もしかしたらこのまま、自然消滅してしまうかもしれない。わたしの大事な、20代後半〜30代半ばまでの7年間。
なるほど、わたしは結局のところ「オリジナル」にはなれないらしい。置換可能な存在でしかない自分を、わたしはこの先も肯定してゆけるだろうか。

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