『剃る』と『切る』その②
同じ道具でも『剃る』にも『切る』にも出来ちゃう。
要するに道具の使い方次第って話なのですが具体的にどういう事なのか?
物凄く簡単に説明すると…
毛の生え方に対して刃物をどちらから入れるか?
ということになります。
体毛というのは場所に限らず基本的に表皮表面に対して斜めに生えています。
これが集まって毛並みになるわけですね。
頭髪ならつむじを中心とした毛の流れがソレです。
で。
①の方向は毛並に順じてるので順目
②の方向は毛並に逆らってるので逆目
…という事になります。
ここで①②の各方向から点線に沿って刃物を動かしたとしましょう。
まずは①です。
①は順目なので刃物が毛に触れると毛が流れに沿って押されて行きます。
なので刃物から逃げる様に切れて行くので…
上図の様に削げた感じになります。
続いて②です。
②は逆目なので刃物が毛に触れても毛自体の流れに逆らっているので毛が刃物から逃げる事がほとんどありません。
すると上図の様にスパッと切断された感じになります。
①の削げた感じが『剃る』
②の切断された感じが『切る』
という事です。
『え?、でも①じゃ毛が全然残ってるじゃん!』とツッコミがあるかと思います。
なので、①→②と順番にしてみましょう。
すると…
上図の様な感じになります。
まず①で毛は削げて細くなります。その後②の方向から刃物が来ると、毛自体が細くなってるので何もしないままの②と違って毛が逆目にもかかわらず逃げる様になります。
そうすると削げるので逆毛なのに『剃る』事ができるのです。
図では分かりやすくする為に表皮から浮いた場所で説明していますが、これが毛穴の中、いわゆる『深剃り』の場所で起きてるとするとどうなるでしょう?
大げさに表現すると…
↑最初から②逆目で『切る』した毛
↑①→②で『剃る』した毛
『切る』した毛は毛の断面が切り株みたいになってて毛穴が開いたままです。
深ぞりしてるので毛が残ってる様に見える(感じる)のはこの毛の断面が見えてる状態なのですね。
そしてこのまま毛が伸びて来ると毛穴の淵に引っかかる事で痒みなども出やすいですし毛穴が開いてるので雑菌の侵入なども懸念されるわけです。
トラブルの宝庫と言えるでしょう。
一方『剃る』した毛は毛が削げて断面が非常に細くなっています。その為毛穴が閉じるのです。
『切る』した毛と比べてトラブルの可能性はかなり抑えられますし、何より美しい仕上がりが期待できます。
『剃る』と『切る』は実はこれくらい違うんですね〜
今まで『剃る』だと思って『切る』してた人多いと思います。
しかもですね、ちゃんと①→②の毛の方向に従った『剃る』をしてるにも関わらず道具によっては『切る』になってしまうものが結構あるんですね〜
その秘密は刃の角度なのですが…そのお話はまた次回。
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