日本料理
俺は生まれも育ちも日本だし、俺の両親も日本人だし、海外には一度も行ったことがない平均的な日本人だが、正直言って俺は日本料理が好きではない。
それはなぜか?
俺は料理の好みに関して魚より肉、甘いものより辛いもののほうが好きな人間である。
しかしこの国の伝統料理はうんざりするほど俺の好みとはまるで正反対である。
古来日本では仏教の影響で肉食に関するタブーが明治まで続いていたせいか隣国の中国、韓国と比べてぶっくらこくほど肉料理が少ないのと対照的に海に囲まれた島国であるからか寿司や刺身みたいな魚を使った料理が肉料理より多いし、日本料理は唐辛子を使った強くて刺激的なものが多い東南アジア料理(フィリピンを除く)や韓国料理とは対照的に旬の味や素材の持ち味を生かすことに重視した淡白な味付けの料理ばかりである。
だから俺はレストランに行くときいっつも中華料理屋か韓国料理屋、エスニック料理屋ばかり行く。
(まあ、俺が単に珍しいもの好きなだけというのもあるけども)
「えぇ?そうなの?でもさ、日本料理って外国では健康に良いって大ブームになってるし」なんて欧米人が日本をほめまくるような日本スゴイ番組を見た感想みたいなこと言ってくる人がいるかもしれんが、俺にとってそんなことは糞ほどどうでもいい。
なぜ日本料理がぶっくらこくほど近隣諸国の料理とはかなり違うのかいろいろ考えてみたのだが、結論としてはやっぱり外国と交流していた時代があまりにも少なかったんじゃないのかなぁ、と思う。
奈良時代、大陸の文化を日本に伝えてきた遣唐使が唐の滅亡とともに廃止されてからは大陸から伝わった食文化も日本独自の方向に向かっていったのと、江戸時代の鎖国でその独自の食文化が温存されていったのが原因ではないだろうか?
・・・と淡白な味ばかりの日本料理を見てこう考えていたのであった。納豆は好きだけども