「見れないよりはマシ」

俺が小学生の頃、つまり15年前以上のことである。

俺の周りにはAdobe flashというソフトを使ったフラッシュ動画を見ていた子が何人かいた。なんせ当時のネットはそういったフラッシュ動画がいくつか作られていて同時期に流行っていたモルドバというかなりマイナーな東欧の国からやってきた男性三人で結成されたグループ、O-Zoneの「Dragostea din tei」や西ドイツのジンギスカンの「Moskau」の空耳動画、「しぃの歌」、「Nightmare City」、「楽しい国語シリーズ」みたいな2ch系キャラがでてくる動画、さらにはドラえもんのパロディーである「オラえもん」や中国の「小小作品」などいろいろ個性的な動画がたくさん作られていた記憶がある。

しかし一つ困ったことがあった。当時の我が家にはパソコン一台あったものの俺が17か18歳になるまで未だにインターネットに接続していなかったのだ。インターネットに接続されていないパソコンはまるで絶海の孤島のようなものだった。

当然当時流行っていたフラッシュ動画など見れるはずがなかったのである。では当時の俺はどうしたか?そこでである。

まずはペイントを何枚か作成して一枚ずつ絵を描き保存する。そして左の「画像のタスク」のとこにある「スライドショーを表示する」をクリックするのである。たったそれだけである。

俺はそれをフラッシュ動画の代用として個人的に楽しんでいたのである。当然上記のフラッシュ動画はネット環境がないので見れないのだが、けれども見れないよりはマシだと個人的にはある程度それで我慢していた。

とはいえ、それでもモノホンのフラッシュ動画は見たくなるもので土日はフラッシュ動画を見るためにわざわざ母方の祖父母の実家まで泊まって(何故かと言うと当時俺の祖父は自分の親よりもある程度パソコンに詳しく、それにインターネットに繋いであったから)祖父母に迷惑をかけていたものであった。今考えると本当に申し訳ない気持ちである。

気がつけばフラッシュ動画が流行っていた頃からもう15年~16年も経ってしまった。フラッシュ動画はニコニコ動画に変わり、そしてニコニコ動画はYoutubeに変わってしまった。俺も後五年で30になるし何度も言ってる気がするが、

時の流れって早いもんなんだなぁ~orzと25歳の無職ライフを送っている自分はそう思うのであった。

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