わへいの生い立ち⑥ 〜大学院生編〜

今日は「わへいの生い立ち」シリーズの⑥ということで大学院生になったわへいについて書いていこうと思います。

前回の大学生編では卒業研究や就活、大学院生受験について文字数の都合上書くことができなかったので今日は少し変則的に大学4年の研究室時代から書こうと思います。

ということで本日は

○ラボ畜と化すわへい(大学4年編)
○奴隷と化すわへい(大学院生編)
○就活と研究の両立に苦しむわへい(大学院生編)

の3本立てでいこうと思います。


○ラボ畜と化すわへい


・卒業研究に気合を入れる
大学3年の秋頃から、サメの研究ができる且つ生理学に興味があるという理由で生理学研究室に入りました。
この研究室の研究テーマの選び方は2通りあります。

①先輩方の引き継ぎや先生からテーマをもらうパターン
②自分でテーマを考えて先生に交渉しにいくパターン

私の場合は①と②の中間でした。

きっかけは妊娠しているシュモクザメ(え?サメって妊娠するの?って思った方は後で解説します。)を医学部の教授と合同で解剖した際に、ヒトにある妊娠に関わる遺伝子はサメにもあるのかなぁという医学部教授のひとりごとから始まります。

早速ラボに戻り、PCで論文を死ぬ気で探してみますが全く見当たりません(笑)サメの遺伝学的な研究は様々な要因によりほとんど進んでいません。しかもマイナーな遺伝子となればほぼ研究されてません。

すぐラボのボス、医学部の教授、わへいの3人で話し合います。
「これを明らかにできたらめちゃくちゃ面白いぞ!」と私を除く2人がニヤニヤしながら話していたのを覚えています。私は今までそれなりに勉強してきたつもりでしたが、次元が違う会話を目の前で展開され、置いてきぼりになってしまいますが、嗅覚が少し鋭いわへいはどうやら面白いことが起こりそうな予感はしていました。

その後、医学部の教授と共同研究という形で卒論テーマが確定。通常だと卒研は4年次からスタートですがわへいは少しフライング気味にスタートします。

・ラボのルールが面白い
私の大学の研究室では室ごとにルールが設けられており、私が所属するラボも同様にルールがありました。
うちのラボは基本的には自由な雰囲気で放任主義なのですが、最低限の日数はラボに来なさい。必ずしも結果は出せなくてもいいけど、出せるまでなるべく頑張りなさい。といったスタンスです。
他のラボのルールを少し覗いてみると、朝〇〇時〜夜〇〇時までラボにいないといけないという所謂コアタイムが設けられていたり、最低限週〇〇日は顔を出さないといけないなど様々なルールがありました。

当時、大変お世話になっていた修士の先輩から
「ラボに毎日来ることで見えてくるものがある。」
「ボスに研究に真剣ですとアピールができる。」
と教えて頂いていたので、真面目アピールをしたいわへいはとりあえず毎日ラボに顔を出そうと心に決めます。この日から余程のことがない限り、卒業するまで毎日ラボに顔を出し続けました。

中高のバスケ部、大学のバイトで培ったコツコツ何かを継続する力がここで効いてきます。

・結果が出ない
そもそもヒトにあってサメにあるかわかんない遺伝子を探す研究をしていたわへいは大きな壁にぶつかります。
それはポジティブなデータが出ない時の解釈です。
その理由が実験に失敗しているのか、そもそもサメに存在しない遺伝子なのかわからないのです。

この頃、壁にぶつかっても真っ直ぐ挑戦し続けるだけではそろそろ限界があることに気づきます。データが出ないのには何かしらの理由があって、原因を解明するためには周辺知識を網羅的に頭の中にインプットした上で周り道をする必要があります。

卒研は1年という短期間で結果を出さなければなりません。
失敗が続き、なかなか結果が出ないわへいは誰よりも実験したのにも関わらず

データは出ませんでした。理由もわからないです。

という虚しい卒論発表となってしまうのでした。正直めちゃくちゃ悔しかったです。
闇雲に手を動かせばいいわけではないということを学んだわへいはリベンジマッチを挑むべく、同じラボの修士課程に進学します。


○奴隷と化すわへい


・教授に従順なわへい
大学院に進学してもラボは同じなのでほとんど環境は変わりません。毎日ラボに顔を出すのも変わらずです。1年かけて教授のその日の機嫌がぱっと見でわかるようになりました(笑)
というのも僕のボスは結構センシティブで、その日によって機嫌が全然違います。なので研究の進捗報告や相談をするタイミングを誤ると大火傷をしてしまいます。
なので朝一でまず挨拶をした時に「顔色」「トーン」「レスがあるまでのスピード」等で今日のボスの機嫌はどうなんだと判断していました。

顔色に加えて気をつけていたことがもう一つあります。
それはボスと話す上で「逆説的な言葉を使わない」です。ボスと話す時に「でも〜」、「いや」といった言葉を使うととんでもない事になります。なので私は先輩からの教えで「はい」か「Yes」しか使わないように気をつけていました。時には理不尽なことを言われたりしましたが決して逆説的な言葉は使いません。

ラボは規模は大きくないですが組織です。そこには上司(ボス)がいて、部下(学部生)がいます。
ラボでは研究だけでなく組織における立ち回りを学びました。


○就活と研究の両立に苦しむわへい


大学院では研究テーマを変え、学部生の頃と違う視点でサメと向き合います。研究について詳しく書きたい気持ちもあるのですが、今回は文字数の関係で省きます。

・あっという間に就活の時期を迎える
研究とバイトに追われ、とんでもないスピードで修士1年を終えようとしていた時に、周りが就活モードに徐々に切り替えていっていることに気づきます。
博士課程に進学するか就職するかめちゃくちゃ悩みます。最終的に就職を選択します。今まで借りてきた奨学金の額がなかなかの額だったので1日でも早く返済したい気持ちが大きかったからです。

私は学部生時代にほとんど就活をしなかったので、就活のノウハウをほとんど持ち合わせていません。にも関わらず、準備を始めるタイミングが圧倒的に遅かったです。就活を受験レベルだと軽視していたことを死ぬほど後悔しています。
完全に出遅れたわへいは理系の修士卒がアドバンテージとなりそうな企業をターゲットとして、とりあえず本屋に行ってSPIの参考書を買い、自己分析を始めます。(高校時に志望していた研究機関は諸事情により諦めました。)

・自分に向いてそうな企業、職種を見つける
最初は研究職を考えていましたが、母親にわへいは営業に向いているということを聞いていましたので営業の道も考えてみます。
修士課程で英論を読む能力、論理的且つ科学的思考を磨かれたのでこれらを活かすことができる場がないか調べた結果、医薬品の営業マンに繋がります。
試しに医薬品メーカーの企業説明会に行ってみるとどうやら自分にドンピシャということに気づきます。そこでこのタイミングで医薬品メーカーの営業職、所謂MRにしようと考えて、舵を切ります。

・研究と就活、両方で成果を求められる
いよいよ自分が進むべき道を決め、就活にフルコミットしようと考えていました。ところが研究では良い成果は出ていたものの、自分が組んでいたストーリーを完成させるためにはあと少しピースが足りませんでした。
したがって、就活では内定を、研究ではデータの穴を埋めることが求められていました。

時間は限られているのでここで欲張りわへいは二者択一ではなく、敢えて両方の成果を出す道を選びます。朝一で誰よりもラボに行き、実験を始め、昼に就活をして、夜にラボに帰り23時ごろまで実験をしていた記憶があります。
研究は概ね順調にいっていたわへいですが、就活は準備不足もありなかなか内定をもらえません。
正直、なかなか結果が出ず、精神的にも肉体的にもギリギリの戦いをしていたのですが、とある会社の広告に胸を打たれ、涙を流しながらこの会社に死んでも入ると決めていたのでやる気だけは誰よりもありました。
第一志望の企業の内定さえもらえればすぐ研究にフルコミットできるのに、、、と思いながらもとにかく死ぬ気で頑張ります。

研究でも就活でも失敗したらなんで失敗したのかを徹底的に要素分解し次に活かしていました。そんな中で奇跡的に第一志望の会社だけは選考がすんなりと進んでいきます。(他は全滅)とにかく第一志望の会社に入れればそれで良い。それだけがこの頃のモチベーションでした。

縁があるとはまさにこのことで、奇跡的に第一志望の会社に内定をいただきます。今でも覚えているのが研究に使うサンプルを捕まえるために夜釣りをしていた時に人事の方から内定の電話を頂きました。晴れて大手の製薬メーカーのMRになる資格をこの手にします。
その後は研究にフルコミットし、なんとかデータもまとまり、そのデータを少しでも多くの人に伝えたかったので国内外問わず学会で発表しました。分野外の研究者からディスカッションを通じて多くのご意見を頂き、より深い考察をすることができました。
自分的に満足のいく修論を完成させることができました。(だいぶ話をカットしてます。すいません(笑))


○大学院生のわへいのまとめ


・組織における立ち回りを学んだ
上司と部下に挟まれながらも組織の中でどうやって立ち回れば上手く組織を運営できるのかをラボの生活を通じて学びました。ボスの顔色を伺い、最適なタイミングで話しかける。空気を読むとはまさにこのことで、社会人になった今でも大いに役に立っています。

・二面性を考える
失敗と成功の二面性を考えられるようになります。
失敗したときは、なぜ失敗したのかを徹底的に要素分解して考察しました。1つの失敗は成功に1歩近づいているんだとエジソンのような考えを持ち、トライし続けました。逆に成功した時もすぐに喜ぶのではなく、これは本当に成功なのか、成功だとすればなぜ成功したのかを徹底的に考えることができるようになりました。これは就活時の自己PRの一つとしてよく使っていました。


だいぶ駆け足になりましたが、社会人になる直前に学ぶべきことの多くを最後の学生生活で学んだ大学院生活でした。
今仕事をする上で大事な考え方や動き方の多くをこの頃に学ぶことができて本当に良かったと思っています。

ということで、無事に研究と就活の両方で満足のいく結果を出したわへいはいよいよ長きにわたる学生生活を終え社会人になります。

研究の畑を離れ、営業マンとなったわへいがぶつかる壁とはいかに!

次回、最終章、わへい社会人編です。


最後まで読んでくださりありがとうございました。


🦈わへを🦈

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集