インドネシアで出会ったEDAMAMEという食文化
インドネシアの旅中にビンタンビールを飲んでいたらさっと出してくれたのが枝豆だ。湯でてから少し塩を振ってくれた定番の味、すぐに僕の心は日本に吹き飛ばされる。同行していたミトちゃんが、「いやー完全にジャパンやわー」と喜ぶ。形と豆の大きさからすぐに台湾の品種だということがわかった、台湾から冷凍を輸入しているのかなと最初は思っていたのだが、あとから調べてみるとインドネシア産であることがわかった。すでに台湾は種苗の輸出禁止をしているため、昔輸入できた台湾の高雄系の品種を丁寧に増やしているらしい。その推測は半分ぐらい当たっていたというわけだ。
台湾の枝豆?というとみんなピンとこないが、セブンイレブンで売られているテトラポット型のチルド枝豆が台湾のものというとみんなえーっという。そう台湾枝豆は非常に美味しい。WAGYUMAFIA THE BUTCHER'S KITCHENを作ってすぐに枝豆をメニューに入れた。日本だったら居酒屋の定番ぐらいにしか思わないが、こうやってインドネシアの何もない大海原で出てくるこの緑豆のシンプルな蒸し物は最高に美味しい。WAGYUMAFIAでは蒸さずに、JOSPER GRILLで備長炭で火入れするだけだ。季節によってブランドや生産者が変わる。この枝豆を食べにわざわざやってきてくれる人も多い。
EDAMAMEという食は、僕がニューヨークにいた90年代後半ぐらいからあったような気がする。日本食のブームとともに完全にEDAMAMEは市民権を得ているのはご存知の通り。枝豆の起源は出自が色々と存在するのだが、日本では平安時代の書に「未熟な種子である枝豆を茹でて食べる」という表記があるらしい。定番化するのは江戸時代かららしいが、こうしてブランドの枝豆が自由に選べるようになったのはここ最近のことだろう。日本在来種は山形鶴岡のだだちゃまめ。いわゆる茶豆の一種だが、こういうした冷凍しない形で出荷される枝豆は全体の数パーセントだ。テーブルにあがるそのほとんどの枝豆が冷凍で、台湾産を筆頭に今回食べたインドネシア産も含めて数多くの枝豆が冷凍輸入されている。