縮れ極細麺にカラシビネガーどっぷりな長野は上田のかたやき焼きそば
長年一緒にビジネスもしている友人の黒ちゃん。彼が長野をPRしているということもあって、定期的に長野を攻めている。前回も伊那のローメンを攻めて、今回も長野、安曇野、松本とまわってから、帰りは上田のあんかけ焼きそばへ。全国まわって、必ずローカルフードは見逃さないようにしているのだが、上田といえばあんかけ焼きそばである。オープン時間正午、ちょっと早めの11時半にはすでに行列が、慌てて並ぶと出てきたのは極細の縮れ麺が特徴的な野菜あんかけ焼きそばだった。面白いのは小さな小皿にマスタードと酢を入れて溶かす、これをぶっかけて食べるのだが、これもまた甘めの餡とのバランスがとてもいい。
この上田のあんかけ焼きそば。元は権田の福昇亭がルーツという、一子相伝で引き継がれた味はこの日昌亭に引き継がれた。厨房を覗いてみると、斜めに傾いた寸胴がゴロゴロと回転している、これはリンガーハットが導入している回転自動鍋の原型のようなものだ。着座してから10分少々でやってくるかた焼きそば、否応無しにボルテージがマックスだ。一口、やはり麺が特徴的だ。いうなれば固めに茹で上げしたペヤングの麺を美味しくした味というか、なんともこの縮れ具合がいい感じで堅焼きと緩めのバランスで飛び込んでくるのだ。どことなく伊府麺の感じにも似しているが、ジャンクなのだがしっかり美味しい麺。これが上田の焼きそばだ。
この味を求めて地元の客が長ければ一時間は並ぶのだ。日本は本当に広い、町の数だけきっとこういうローカルだけが知る素晴らしい料理が眠っているに違いない。ひとつひとつその宝物たちに出会っていきたいと思う。