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本物のおままごと

おままごと
作文
音楽
お化粧ごっこ

子供の頃に毎日夢中になったのはこの4つだった。
先ず一つ目のおままごとは、家の庭に広いお砂場を父が作ってくれて、そこにはオモチャではなく、本物のおままごと道具が揃っていた。フライパン、お鍋、おたまも包丁も!今から思えば包丁は怖いけど、、、。
多分、あまり切れない包丁があったように思う。
学校から帰ると、庭に咲く花や草や木の実を採って始まるおままごとは私の夢中になる時間で、フライパンで炒めて、調味料も殻になった本物の調味料の入れ物を使い、盛り付けもお皿に綺麗に盛る。
ここまでして、気に入らないと何回も何回もこれを繰り返していた。出来上がると、母を呼んで食べてもらい、食べる真似だけど、美味しかった!と言ってもらうと満足する。テーブルも当時は木のテーブルに牛乳瓶にお花を飾ったものを置いて、おもてなしをするという徹底ぶりだった。今から思うと、この時間は3時間ほど夢中になっていた気がする。
外が暗くなっても、ひたすら砂場でお料理をしていた私は、今も同じことをしている。好きなことは毎日しているはずだ。それには、小さい大きいはない。どんな些細なことでも、それが夢中になれることならそれでいい。私にとってお料理とは、誰かを思い夢中になれる時間である。子供たちにもこれだけは欠かさずできたのは幼少期の本物のおままごとがあったからだろう。そして、何を隠そう、そのことを楽しめるよう準備してくれていたのは、長年死ぬほど恨み続けた父だった。その父は料理人だった。
#夢中になること #好きなこと#本音