すれ違いColors
「何が嫌いかじゃなく何が好きかでうどんを語れよ!!!!」
ルフィは叫んだ。
麦わらのルフィ。彼は「伸びる」という性質をもつため世界うどん政府に追われていた。
「うどんは伸びてはいけんのじゃ。絶対的正義の下では、決してな」
海軍大将赤犬(サカズキ)はそう呟いた。ツイートもした。彼はツイッター派だ。ツイバードのことを青雉と呼んでいたし、それらとの決別もあった。
一方、ご存知のごとくルフィの性格は歪みに歪んでいた。
「歪む」と「湯がく」の語感が似ていることもサカズキのトサカを刺激した。
「湯がき過ぎてはうどんが伸びてしまうじゃろが。しかしトサカと言えば鳥。鳥と言えば… クゥちゃん… 何でなんだよクゥちゃん…」
彼は未練たらたらだった。青雉クザンのことをクゥちゃんと呼んでいたし、クゥちゃんからはカズくんと呼ばれていた。
一方、ルフィときたら麦わら帽子を被り、鶏肉のことはかしわと呼んでいた。
「麦わらといえば夏。冷やしたうどんなど言語道断じゃき」
彼はぬくもりを求めていた。
麦わらのルフィの事などただの言い訳だ。
ただ、クザンとヨリを戻したいだけだったのだ。
喧嘩の理由は些細なことだった。
クザンが隠れて温玉ぶっかけの冷たいのを食べていたところを目撃してしまったのだ。
クザンは猫舌なのでサカズキの前ではいつもお稲荷さんしか食べられずにいた。
すれ違い。
誰も悪くなかったのだ。ただ、ほんの少し、お互いのことを話せてさえいれば。
今日も今日とて海軍は海賊を追いかける。他人からはつゆ知られずとも懸命さぬきでは務まらない。正義には大も中も小もないからだ。
(最後の一文にうどんっぽい言葉が隠れてるよ!)