濃厚接触者の法的位置付けは?
新型コロナでPCR陽性者が急増していますが、それに伴い「濃厚接触者」と保健所から認定される人も恐らくとんでもない数に上っているのではないかと思います。
濃厚接触者と認定されると保健所からは約2週間の自宅待機を求められますが、患者ではないので自宅療養者と違ってなんの補償もありません。
近所への買い物などはいいですよと言われるようですが・・・
はたして濃厚接触者の法的位置付けはどうなっているのでしょうか?
濃厚接触者とは「当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者」です
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
現在新型コロナウイルス感染症は2021年2月13日より「新型インフルエンザ等感染症」として扱われています。
濃厚接触者に対する自粛要請を行う上での法的根拠は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成十年法律第百十四号)
第四十四条の三第1項の記述に基づくものと考えられます。
(感染を防止するための報告又は協力)
第四十四条の三 都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し、当該感染症の潜伏期間を考慮して定めた期間内において、当該者の体温その他の健康状態について報告を求め、又は当該者の居宅若しくはこれに相当する場所から外出しないことその他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
上記における「当該感染症にかかっていると疑うに足る正当な理由のある者」が、いわゆる「濃厚接触者」と考えられます。
厚生労働省Q&A
厚生労働省サイトにあるQ&Aには以下のように記載されています。
濃厚接触者は、新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。
濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従ってください。濃厚接触者は、感染している可能性があることから、感染した方と接触した後14日間は、健康状態に注意を払い(健康観察)、不要不急の外出は控えてください。
また、速やかに感染者を把握する観点から濃厚接触者についても原則検査を行う方針としています。
なお、検査結果が陰性となった場合であっても、感染した方と接触した後14日間は不要不急の外出を控えるなど保健所の指示に従ってください。
厚労省ホームページの記載では「14日間の不要不急の外出を控えるなど保健所の指示に従ってください」と記載されているだけ。
濃厚接触者の隔離は義務?
日本産業保健法学会のJAOHL相談室というサイトには、以下の質問がありました。
新型コロナ濃厚接触者の14日間の隔離ですが義務でしょうか?義務であれば根拠の法令を教えてください。
結論としては
✅ 保健所による濃厚接触者の自宅療養指示は”要請”である。
✅ 要請に従わない場合に刑事罰や行政罰は予定されていないが、民事上の安全配慮義務の観点から問題が生じることがある。
というふうなやりとりで終わっています。やはり法令上の制限はなく、あくまでも都道府県知事=保健所からの「要請」でしかないようですね。
私見
✅ 濃厚接触者と保健所から認定されたら2週間の不要不急の外出自粛を求められるがあくまでも要請である。もちろん罰則はない。
✅ 企業は濃厚接触者と認定された職員に対して「自宅勤務」を命令すると思われる(あくまでも感染者ではないため)。
✅ 自宅勤務の最中に暇だからと言って旅行に行ったりすると処分される可能性がある。しかしリモート勤務と強弁することもできるか?
✅ 逆に勤務時間外である夜間や土日祝日は何をしようが勝手である(感染者ではないので)。
ここまでPCR陽性者が増えると濃厚接触者はその数倍にもなり、社会全体の機能が失われてしまいます。早急に新コロウイルス感染症を現在の「新型インフルエンザ等感染症」から5類感染症へ引き下げるべきです。そうすれば濃厚接触者という概念もなくなることでしょう。
追記:2021/08/24 内容に不足の面がありましたので一部書き加えました。
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