シン・仮面ライダー見てきました

例によってガッツリネタバレするので、
未見の人はここで回れ右で。
今回は展開分かってると印象変わるから余計にね。

最初に所感

一番良かったのはダブルライダー結成のシーン。
あそこは問答無用で血が熱くなりました。
総じて一文字隼人がやたらかっこよかったです。
他はこう…うーん一言で表すのが難しい。
書こうとするとネタバレにもなるので…










では、本文行きます。

もっと率直で端的な感想

そこで終わりなの?!
というかショッカーとの決着まで行かないんかい!

なので大分消化不良、というのが正直な所。
…面白い下りではあるんですが無くてもいいので、
こうもり男の話を切ってショッカー首領をぶっ倒す話入れたほうが良かったんじゃないかな、なんて思います。
いやクモ男からハチ女に直接行くと唐突だろうなぁとも思うんですが。

私が好きなのは

それこそニチアサが今に至るまでずっと続けているように、
少年少女になる前の子供と真正面から組み合っている、
私はそんな特撮ヒーローが好きなんです。
ライダー然りウルトラマン然り戦隊シリーズ然り。

「シン」での庵野氏は自分の好きな…というか、
彼にとってのヒーローを描いていて、その過程で子供は見てないので、
(それで悪いという訳ではなく) 趣味は合わないのは
最初から分かってました。

その上で「シン・仮面ライダー」全体について

一方で庵野監督のショッカー、
叶う事のない歪んだ夢をかき集めて、その為の暴力を後付けする、
結果として世界が困る…という切り口は面白いなとも。
ダイターン3のメガノイドとかからの着想でしょうか。

多分スクリーンにお出しできないオーグメント、
いっぱいいるんだろうね。
ロリコンこじらせて冬虫夏草オーグメントになった奴とか。

今回は微妙に…というか割とためらいつつ庵野監督が
(それこそショッカーみたく)不条理衝動、
俗に言うキチゲをちょっとだけ解放したのかな、なんてシーンも。
例えば「空中では圧倒的に不利ぃ?!」とか。
サソリオーグメントの扱い、特に最期であるとか。
「がくっ」って口で言わすんかい。

…あれだ、冒頭5分するかしないかの所で
これあんま予算出てねぇな!
と分かっちゃうのが大分世知辛くはありましたね!
具体的には血糊が安っぽいんだ。
(&いきなりグロに走るのも私の特撮ヒーロー観と合わない所)

まぁ露骨に宣伝少ないしね!
ゴジラやウルトラマンに比べてさえもね!

今回のゾフィー兄さん枠

初代仮面ライダーはほぼ全く見た事ないので
原作と今回のでどんな違いがあるのか、みたいな話は正直分かりません。
ただ、立花と滝そっちかよ?! とは思いました。
いや滝はもともとインターポールだけどさ。

ここはかなり賛否が分かれると思います。
立花藤兵衛のおやっさんが国家機関に所属してるのはちょっと… という人には辛いでしょう。

…ゾフィーといい藤兵衛のおやっさんといい、
庵野監督、作品の大切な存在に対する扱い、
それはどうなのかなとは強く思います。

あ、ついでに。
役者スターシステムも今回限りの方がいいんじゃないかな。
アニメでやるなら違和感もないんでしょうけど、
実写では上手く使えてないのでは。
シンゴジやシントラが被るんですよどうにも。
多分これは役者のせいじゃなくて監督のせい。

本郷猛の「コミュ障」に関してお気持ち表明すると

意図的にああいう演技してるのは分かります。
精神疾患やPTSDで言動って崩れるんですよ、だいたいあんな感じに。
だからこそ 「コミュ障」って言葉でまとめてほしくは無かったな。
虐めの標的にされたり就職できなくなったりするので。

苦労してる当事者としてはさ。

オーグメントの皆さん

いい感じにキャラ立ってたと思います。
ショッカーとの決着つける時間を確保する為に、
一人涙を呑んで削るならこうもりかなー、とは言いましたが、
でもあの演出とか怪人っぷりが好きです三下なのも含めて。

バトルはもうちょっと格闘して欲しかったかな。
ライダーパンチは叫んで欲しかった。
ライダーキックで締めるのに注力したいのは分かるんですが、
その前も大事なんスよ。
…時間も予算も足りないか。

え、これ石ノ森版なの?!

がかなり多いみたいです。
未読なんですよ私。うぅーん。

1号2号ルリ子さんの辺りは
オリジナルとは違うんだろうなーとは思ってましたが
石ノ森版ほぼそのまんまなんですな、「シン」見た後に知りました。

2号が登場して対決して合流して、
の下りはかなり強引だとも思ったんですが、原作再現だったのか…
漫画版も多分そんなに尺無いんだろうなぁ。

「一」番のクライマックスへ

そして、下りの強引さをものともしない、
一文字隼人のかっこよさである。

2/3が終わった辺りで出てくるんですが、
隼人が出てきてからがこのお話の本番ってくらい、
力の2号がすごくかっこいい。

というか幸せの横の棒って「一」のお前かよ!
えらく唐突に語られてたけど!

ショッカーライダーとの対決、
ダブルライダー結成、
そしてチョウオーグメント・0号ライダーとの決戦。
シントラマンのメフィラスみたく、
これをやりたかったんだろうなぁって思いました。とても良かった。

特にゴジラとウルトラマンで出来なかったステゴロでの決着。
ずっとやりたかったんでしょうね…

ところで「また一人かよ」って隼人のセリフ。
それ隼人は隼人で二号でも別の隼人じゃないかな。
というか神隼人だよ!

意識してないはずが無い。
やるのか「シン・ゲッター」。

斃れるのも石ノ森版。そしてコミカライズあるある

で、本郷猛が斃れるも (これも石ノ森版なのだそうで)
その遺志が文字通りに仮面に託され、一文字隼人の戦いは続く…
という結末になるのですが。
続編はまず無いのは監督も分かってるんだろうから、
ショッカー粉砕までは書ききってほしかったです。
戦いはこれからだエンドにするならV3に続くでいいんだし。

総じて

特撮ヒーローの何が好きなのかが、
私と庵野監督でかなり違うのは元々分かってたので、食い違いを感じながら見る事になるのは予測してましたし実際そうなりました。
それはいいんです。

その上で、最後に。
予算が全然足りてねぇ!
に落着しちゃうのは辛かったなぁ…

世知辛い。ひどく世知辛い。

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