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こどもたちと地域と

新年が明けて早くも2週間が過ぎましたね。みなさんいかがお過ごしですか?
わが家は例年お正月は夫婦両方の実家に出かけて、兄弟家族と遊んでごちそう食べて、が定番なのですが、今年は受験生を抱えているためにほとんど省略。今までで一番お正月感がないお正月だったかも。

と、そんなことを思っているうちに三連休過ぎたあたりからみるみる寒くなってきて、真冬感のほうはバリバリな今日この頃です。お布団に夜な夜な仕込む湯たんぽがとても有り難くて、ほんと湯たんぽに足を向けて寝れません(いや向けてるけど)。
こんにちは。わがこと仏生山担当、片山です。

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さて、仏生山では年末に「親子で町のベンチをつくる」というイベントがありました。数年前にも開催して好評だったイベントですが、今回は香川大学の学生さんたちが全部段取りしてくれての開催となりました。

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ベンチづくりワークショップのひとこま


当日はとても寒くて風も強く、しかも途中で雹(ひょう)が降ってくるという最悪のコンディションでしたが、逆にこどもたちは大はしゃぎ。
そしてベンチが形になってくると、おとなも寒さを忘れて小おどり。
みんなの力であっという間にたくさんのベンチが出来上がって、大盛況の1日となりました。

そんな楽しいイベントを企画・運営してくれたのは「佛生山らぼ」という大学生のプロジェクトグループ。昨年から町内で活動を始めていて、コミュニティカフェの運営なんかもしているのですが、事業の一つとして「こどもらぼ」という名前で、仏生山のこどもたちと一緒にワークショップや畑作りなどさまざまな活動を展開しています。

代表のKさんは大学3年生。大学進学で香川に来る前は、以前にこちらのnoteで取り上げた岡山県矢掛町の高校に通い、YKG60という小中高のこどもたちの団体に所属していました。

YKG60は一応、団体の世話人としておとなも参加していますが、活動内容は100%こどもたちだけで決めて実施しています。
おとなはこどもたちが行き詰まったときに「いつ?どこで?だれが?」と思考を後押ししてあげるのと、「さすがにそれやったら死ぬかも」という時だけ助け船を出します(笑)
KさんはそんなYKG60のように、自由さのなかでのびのび活動し、成長していくこどもたちの姿を見たくて、「こどもらぼ」を立ち上げたそうです。

YKG60の世話人をされている井辻美緒さんに、活動について何度かお話を伺う機会があったのですが、毎回目からカラコン、もとい鱗が落ちまくります。

・こどもたちを「放牧」する。手も口も出さない。
・やりたい気持ちが大事、途中で飽きてやめてしまっても、それでいい。
・何のためにやるか、を大事にする。決して「地域のために」やらない。
・町のお祭りで企画したイベントが大盛況で、町の人から「来年もやってほしい」と言われたが、こどもたちから「満足したからもういい」と言われてやめた。
・活動場所を作って「何をやりたい?」と聞いたら「何もしなくていい場所にしたい」と言われた。おとなから「何かしなさい」と言われない場所が必要なんだと思った。

地域活動ではよく「こどもたちのパワーで町を元気に!」といったフレーズが出てきます。
私はそれを「町を元気にするために、こどもたちに何かやってもらう」と無意識のうちに考えてしまっていたのですが、井辻さんはそうではなく「こどもたちが何かを一生懸命やっていることが、結果的に町を元気にする」であるべきだ、と言うのです。
よくよく考えてみると、本気でやりたいことだからこそ、こどもたちも真剣に一生懸命やるわけで、それが彼らの成長に繋がるし、結果的に町のおとなたちを巻き込む力にもなっていくのでしょうね。

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YKG60でこどもたちが「いちど食べてみたい」という理由だけで作った
「どんぐり飯」。もちろん地域活性化とは何の関係もありません(笑)
(写真提供:YKG60)


「こどもらぼ」の活動は、この春で2年目に入ります。
1年目は試行錯誤の日々で、いきなりこどもたち主体で活動するだけの準備が足りず、学生さんがいろいろお膳立てしての活動となっていましたが、本来のこどもたち主体の形に少しずつシフトしていこうとしています。

その一方で、今までメインで活動していた3年生は就職活動や卒業論文で多忙になり、少しずつ下級生にバトンタッチしつつあります。
Kさんもこれからは活動頻度を月1回程度に減らしながら、そのなかで自分たちの立ち上げたこどもらぼの活動をあと1年、しっかり軌道に乗せようと頑張ってくれています。

私も地元住民として、学生さんたちとともに「こどもたちが本気でやりたいことをやれる場づくり」に取り組んでいこうと思います。
それが結果的に町を元気にすることに繋がればいいな。


最後に、井辻さんのお話で一番はっとした言葉を。

こどもたちの活動を見守るとき、こどもたちのやりたいことを「実現させること」を目的にしないでください。
そうではなく、やりたいことの「実現の過程を考え、経験させること」を目的にしてほしいです。
失敗しても途中で挫折しても、それがこどもたちに一番大切なのだから。


☆佛生山らぼ Instagram:https://www.instagram.com/blp1001.kagawa.univ/
☆YKG60 Facebook:https://www.facebook.com/YKG60

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