リーダーとして生きる道
こんにちは。NPO法人わがことの副理事として、最後のnote投稿となりました。中村香菜子です。2022年3月でわがことを卒業させていただくことになりました。本当に今までお世話になった皆さんありがとうございました。
わがことのはじまりは、おーみさん尾野さんと一緒に出した著書「わたしをつくるまちづくり」を読んでいただければ、よくわかっていただけるかと思いますが、たかまつ地域づくりチャレンジ塾で出会った私たち3人が、高松の名もなき地域の担い手発掘、そして行政や様々な団体、まちの人をつなぐ仕事がしたいと立ち上げました。
これまで私も何度かわがことnoteで自分のことやおーみさんのことを書いてきましたが、おーみさんと私は性格が全く違います。私は、自分のやりたいことが明確にあり、それを実現していくタイプ。おーみさんはどちらかといえば、自分のやりたいことというよりは、誰かがやりたいことに手を貸したい、応援したい、誰かのお役にたちたいと思っているタイプです。
この違いは、どうやっても優劣つけられるものではありません。私はおーみさんのようにできないし、おーみさんは私のようにできないので、互いを「すごい」と言いがちですが、本当にこれは「ちがう」だけだと思っています。
以前、わがことnoteで「リーダーしかできない」という内容の記事を書いたことがあります。私は、一般社団法人ぬくぬくママSUN’Sの代表をしています。小学生の時、修学旅行の班長を友人に譲った時も、20代で保育園に就職した時も、どうしてもその立場にしっくりこなくて、「私ならこうする、こうしたい」と24時間思ってモヤモヤしていました。
だから、いつでも私はリーダーを選んできました。リーダーは基本的に孤独であります。もちろん私自身にはかけがえのない家族や仲間、友達がたくさんいます。けれど、自分のしたいことを自分で選択できるかわりに、誰にも代わってもらえない大きな責任も担っています。だから、リーダーとしてはやっぱりいつも孤独なのです。
私は、おーみさんにわがことに誘っていただいたとき、その孤独感を救われた気がしました。
「一緒に」団体を創っていく。ということは本当にうれしいことです。
チームにはさまざまなリーダーシップがあります。ぐいぐい引っ張って行くリーダー。みんなを応援するタイプのリーダー。もしかすると、孤独ではないリーダーが2,3人いるチームもあるのかもしれません。
どうあってもいいと思います。
これはあくまで私の場合の理想なのですが、リーダーは団体の中の1つの役割です。その役割はさみしいけれど、1人でやるしかありません。
やりたいこと、活動の大きな目標すなわち「旗」をぐさっととりあえず地面にさします。言い方を変えれば、0を1にするともいうかもしれません。
それはリーダーにしかできないことです。
旗を見て一緒に活動したいと思ってくれた人に、活動の協力、ひとつひとつの作業を頼んでいくのも仕事です。
旗は、できるだけ多くの人に見せます。見せる時に、その人の立場にたって、その人の体験になぞらえながら旗の説明をします。そして、この旗をもっと豊かにするためには、あなたの○○が必要ですとしっかり口説くのです。何事も「わがこと」からでないと人は動く気持ちになりません。そのための言葉探しの努力は惜しみません。
私はずっと自分に自信が持てませんでした。ちなみに私は、実家暮らしから22歳で結婚したので、40歳になるまで一度も自分の稼いだお金だけで生きたことがありません。
能力が低いのに、理想が高い。人がリクエストする仕事には答えることができない。多くの人が雇用されしっかり働いて給料をもらう中、私は専業主婦という立場でずっとコンプレックスを持って生きてきました。
思えば、わがことでの活動スタートも、そのコンプレックスを癒してくれるものだったと思います。自分自身の団体「一般社団法人ぬくぬくママSUN’S」でも、ずっと副代表に甘えて活動してきました。しかし、どれだけ、身近な人に頼ってもなかなかリーダーの孤独はぬぐえるものではありません。
今年度いっぱいで、私はわがことを卒業します。
また、一般社団法人ぬくぬくママSUN’Sも、副代表の卒業により、大きな一歩を踏み出すこととなりました。
リーダーが孤独なことは、つらいことだと長い間思っていました。しかし、リーダーは、孤独であるべきだと今思うのです。孤独が、つらいとは限りません。孤独だからこそ、多くの人に依存するのではなく、まわりを許し、愛し、自分とみんなを認めて生きられるようになるのです。それを腹をくくってするということに決めました。
私には、ないものがたくさんあります。しかし、子育てや地域の活動を命をかけてやってきたキャリアがあります。他の人が苦手とすることの多い、「リーダー」ならできるという特性があります。
これからは、私自身の立てた旗を「いいね!」と言ってくれる多くの団体内外の人たちと、子供も大人も幸せになれる活動をしていきたいと思っています。
「わがこと」の理念。そして、価値観が、私も大好きです。
【ビジョン】
豊かなつながりのある、私たちの暮らし
【大事にしている5つの価値観】
名もなき小さな担い手を大切にします
お互い様の暮らしを守ります
来るもの拒まずオープンマインド
上も下もないフラットな関係
どんなこともめいっぱい楽しみます
完璧ではない人がフラットに集まって、手と手を取り合いその場を豊かなものにしていく活動。まさに理想です。活動で学んだこと、出会った人、おーみさんと出会えて一緒の団体で活動できたこと、そして理事3名で一緒に本を書けたことは私の宝物です。
この春、私は、新しい一歩を踏み出します。
やっていることはほぼ変わらないと思います。
でも、私は自分の2本の足でしっかり立ち、一般社団法人ぬくぬくママSUN’S代表をしていこうと思っています。
これからも同じ高松で、自分らしいプライドを持って、互いを尊重しながら活動していけたらうれしいです。引き続き応援よろしくおねがいします。