君の遺影が届いたよ
君のご主人から、君の三回忌の法要が無事に終わったことを知らせる、とても丁寧なお手紙とともに、君が元気だった頃の写真が届いたよ。
2年前の夏、30年ぶりに再開した棺の中の君は、がん治療に疲れ、まるでミイラのように痩せ細っていて、僕が憧れていた学生時代の面影を全く見つけられず、ショックを受けた。
君の告別式以降、僕が君を思い出す時には、その時の映像ばかりが浮かんで辛かったんだ。
君が愛したご主人は、なんて優しく素敵な人なんだろう。
みんなの記憶の中の君を、そのままにしておきたくなかったんだね。
それではあまりにも君が可哀想だと気にしていたんだろう。
君のご主人が同封してくれた写真の君は、学生時代よりは少しだけお姉さんになってはいたものの、とても元気で幸せそうに微笑んでいた。
社会に出てからの君の人生が、愛に包まれ、とても充実していたであろうことが伝わってくる写真だった。
僕の、君への記憶は一瞬にしてリセットされ、上書きされたよ。
きっと友人達も同じだろう。
君の遺影を見て、僕も君に微笑み返せた。
僕が君を想う時、もう笑顔の君しか思い浮かべられない。
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