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西武 金子の引退試合に行ってきた


 私は9月15日に西武金子侑司選手(以下 金子)に行ってきた。
(気になったところだけ書いています。書ききれないものはパ・リーグTVをみてください)



はじめに

 金子と言うと、盗塁王2回の実績の通りとにかく足が速かった。その足を生かして守備や走塁でチームを支えてきた。ボールを追うときに帽子が何故か落ちる現象や、容姿にも拘りを見せ、野球以外でも時折話題になるから、絶対に西武より評価してくれる球団に行くだろうと思った。西武球団より自分を優先すると思った。

 それは完全に私の間違いだった。2019年のオフに4年契約を結んだときは衝撃だった。その時の言葉。
 「チームもファンの皆さんも、ライオンズ全部が好きだと思った。よそ(他球団)の話を聞いてみたいという思いも芽生えなかった」

 心から西武を愛している選手なんだと知った。主力になったら退団していくチームなのに、よく西武のファンの気持ちや願いを感じてくれていたと思う。栗山以来の西武愛を表明した選手だと思う。気持ちと感情のみで残留してくれた熱い、血の通った人間金子を応援するわけにはいかない。

 それからは故障が多かったが、何度も一軍に帰ってきてくれと願っていた。やはり、西武に残ってくれた人には、金子がどうなってでもいいから応援したい。ずっと全盛期のようにグラウンドを走り回るスピードスターの復活を我々ファンは待っていた。しかし、34歳で引退。引退試合の日程が出た瞬間すぐにチケットを買った。

引退試合当日

 ベルーナドームに着いて、グッツショップに入ろうとしたら、何重にも折り返された列が目に入った。その列が全く動かない。これは金子の最後の雄姿の一部を観れない可能性があったので、並びもせず自分の座席に座った。

 主役の金子が登場すると全体が大きい拍手が球場に轟いた。シートノックをみてもまだまだ衰えていない動きだったのに何故引退をしてしまうんだろうと思った。

  試合が始まって、最初のバッターがいきなり金子の方へ打ち返した。勿論、その打球は余裕でキャッチした。何でもない普通のプレーなのに惜しみない拍手が贈られた。金子のプレーをずっと球場で見ていたいと言っているようなものだと私は思った。

 源田のホームランでホームに帰ってきて、2人でハグしたり、8回裏の走りながらレフト線の打球をスライディングキャッチするなど、金子はいつもと変わらない、引退する人とは思えないくらい、動きをしていた。

試合後

 当然セレモニーもあった。この一日を通して一番に思い返すのは、場内一周の時にレフトスタンドで金子が立ち止まって、自分の応援歌を永遠に聴いていたことだ。

 我々はエールと感謝と悲しさを込めて応援歌を歌っていた。あの時、金子はどう思いながら聴いていたのだろう。金子は全く動かずファンの方を見ていた。ビジョンに映し出されていた金子の目には、今にもこぼれ出そうな12年間の感情が浮かんでいた。しかし、顔は野球選手をまだまだ続けたいと思えるような顔に私は見えた。

 わたしも続けてほしいし、まだまだ応援歌を歌いたかった。しかし金子は「ライオンズで終わる方がすっきりする。」という発言を残していた。

 3分くらい自分の応援歌を聞いてくれていただろうか。恐らく、レオが止めていなければ、年を越していたと思う。

 たくさんの人が引退をしていったけれども、あのように応援歌をずっと聴いてくれたのは、金子侑司が初めてではないか。金子は本当にライオンズが好きだった。金子自身が昔言っていた通り、「チームもファンもライオンズ全てが好き。」その言葉は本当に真実だった。そうでなければ、最後の自分の応援歌を自分の体に染み込ますほど、聴いていないと思う。私はあの時、金子がよそにいかないで本当にありがとうと改めて思った。

 金子がライオンズをずっと愛してくれたように、ファンは金子がベルーナドームで暴れまわった姿をずっと愛して忘れることはない。それは西武ファンだけではなく、最後まで一緒に残って応援歌を歌ってくれたロッテファンもそうだと思う。みんなが金子の引退を悲しんだ。

 金子侑司という西武ライオンズのスーパースターを応援することが出来て良かった。これからも金子のようなライオンズ愛も持った熱く、筋の通った選手が出てきてほしい。

 私は金子の引退試合に行けた嬉しさで、飲みかけの2Lのペットボトルのお茶を持ち帰るのを忘れてしまった。

 


ここからは写真です。スマホが古いのでピンボケです。


 

 

 

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我妻
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