ガソリン飲んで散りたい

　私が普段行く自治体のワクチン会場が終わってしまったので、この間は別の自治体の会場に行き働いた。その会場については、噂で聞いていたが大学生が多いらしい。そして、その会場内での仲の良いグループもあるらしい。私は行きたくはなかったが、楽してお金を稼ぎたい欲が強かったので行った。

　基本的に私はひたすら黙っているタイプである。置き石ぐらい喋ることはない。しかし、運がいいのか今まで私が行ったことがある会場はいい人が多かった。相手から死骸に話しかけてくれる人が多かった。だから、私も相手といい時間を共有したいと思い、楽しく相手と会話をさせていただいた。仲の良い知り合いも作ることができた。だけど、噂を聞く限り我慢の時間になると思った。

　会場に着き、他のスタッフを待っているとやはり、大学生らしき人達が流れるようにやってくる。勿論、主婦らしき人もいたがやはり大学生の割合が高い。早く退勤時間になることを願っていた。会場の空気が私の心を蝕み、枯らされているような気がした。息が苦しくなった。

　その後、ポジションが振り分けられ私は4人で業務を行うことになった。他の３人は若かった。後で話を聞いていると短大１人と大学生２人だった。幸いなことに全員がお互いに初対面なので、私は大人しく仕事ができると思ったが、世の中は甘くない。やはり、私はもう若い人間ではないと思った。

　ポジションに着くと、私以外の３人で固まり始めた。嫌がらせは受けていないが、私はこの人たちと話す気は全くない。むしろ、どうでもいい話だ。だけど、永久に苦しめと願った。３人の会話を聞いていると徐々に１人の女性は殆ど、話を聞いているだけになっていた。
　残った男女２人組は話で盛り上がっている。引き続き２人の会話を聞いていると、お互い地元が近く同い年であることが判明した。別に私もそれ位なら不愉快な気持ちはない。あることが原因で２人を社会的に抹殺したくなった。

　それはお互いがため口で話し始めたのである。まともな人間なら「別にそんなことどうだっていいだろう。」と思うかもしれない。

　しかし、私は死骸だ。人の役にも立たない人間であり、且つ性格を失っている。２人のため口が耳障りだった。私には理解できなかった。いくら、同い年で明るいキャラクターで共通点多くても、初対面でため口は違うと思った。引き続き話を聞いてみると、パーマの男は私も内容の覚えていない薄い話を、俺面白いでしょっていう顔で話していた。面白くない。

　短大である女性は、別の派遣で出会った人がイケメンで付き合いたかったが、彼女持ちだったという話をしていた。そして、４月から社会人になりたくないと言っていた。早く地獄を味わえと思った。

　大学生にも頭の悪そうな人たちがいるのだと勉強になった。今は学生という素晴らしい身分に守られているから、人生が楽しいのだろう。早く、社会の中で潰されればいい。

　私はもう一人の女子大生と話した。こちらは穏やかでため口もしない。マナーのある方だった。だけど、サークルで飲みに行くと言った瞬間、早く社会の中で潰されればいいと思った。一生懸命勉強して、大学入ったけど今全然何もしていないとも言っていた。普通に働けばいいのにと思った。これらの会話を踏まえて、貴方も早く社会の波にのまれて苦しめと思った。

　私の分析だと、何も考えずに大学に入り卒業して、会社に入った大卒は基本的に使い物にならなかった。プライドがあるのだろうか。前職で青学卒の先輩がいたが、変に嘘ばかりつき上司を怒らせてしまい「会社辞めてしまえ。」と言われていた。先輩は次の日から療養を取った後、退職した。学校でも社会の現実を教えればいいのにと思う。

　話はそれてしまったが、今を楽しんでいる大学生の笑顔が腹立つ。その日は一日しんどい時間となった。業務が終わった瞬間、勿論私は誰とも話さなかった。例の２人も話をしていなかった。赤の他人になっていた。2人で盛り上がっているように見せて、実は中身のない平坦をマジックで盛り上がっているように錯覚させているだけだった。初対面でため口で盛り上がった末路は見てて切なかった。やはり同い年でもモラルや一線を引くのは大事だと学んだ。

　もう２度とこの会場には来ないと誓った。というよりか２月でワクチンバイトをやめるつもりだ。残すはあと１回。もう大学生と話す事はないだろう。欲を言えば、一人だけもう一度会って話したい大学生がいた。でもこの先絶対に会うことはないだろう。４月から病院に看護師として就職しているはずだ。