落ち着け。本当にMacBook Proが必要なのか?
先日MacBook Proが発表された。M1 ProとM1 Maxチップを積んだ怪物らしい。
発売前なのになぜかベンチマークも出ていて、インテルPCはもちろんのこと旧来のM1 Macも凌駕するスペックらしい。
youtuberの間では2台購入した!とかスペック盛り盛りのCTOを買ったとかお祭りになっているけど、ボクたちパンピーにあのモンスターマシンは必要なのか、もう一度胸に手を当てて落ち着こう。
まず価格がくっそ高い。一番安いものでMBP 14インチが239,800円(税込み)。これが16インチの一番高いものになるとカスタマイズなしで419,800円もする。
いったいこのスペックのラップトップは誰に必要なのか。
個人的な感想ではMacでもWindowsでももはやCPUはオーバースペック。リソースを使い切ることなんてブラウザがハングアップとかしない限り100%へ行くこともない。
だから普通の人にとってスペックアップはいらない。
メモリもM1系なら8GBでとりあえず足りる。
Windowsなら16GBは絶対必要だけど。
なんで世の中のWin PCはどいつもこいつも8GBなのか不思議。メーカーの開発者はほんとにWindows使ってる?って言いたくなる。
けど、かなりのアプリを立ち上げない限り、そしてソフトウェアがこれまた暴走しない限りM1チップだと8GBで十分。
なにが言いたいかというと、ほとんどの人にとってM1 MacBook Airで十分ということ。
ボクは一番下のモデル:115,280円のものを使ってるけど、困ったことは一度もない。
ファンがないから熱くなった!ということもない。
メモリ不足は初期の頃は出てた。でもあれは今から思うとOSのバグ。夏ぐらいのアップデートであの鬱陶しいメモリ不足というアラートは出なくなった。
ちなみにボクの使い方は
・ブラウザでネットサーフィン、youtube視聴、アマゾンで映画視聴
・メール
・LightRoomでRAW現像
・たまにLumaFusionで動画編集(ソースは4K60FPS、書き出しはFHD60FPS)
・Teamsで会社の人と連絡したり、テレビ会議
・エクセルやパワポで資料作成
・SteamでMac用ゲームをプレイ
・フォトショで画像編集
・スキャナで自炊用本を取り込んでPDF作成
など。
おそらく普通の人がよく使うアプリばかりだと思う。それでいて「Teamsでテレビ会議は普通に動く」とか「LightRoomでRAW編集、現像していてもMacが熱くなることはない」と聞くと、「それで十分じゃない?」と思うでしょう?
LumaFusionはMacでもiPadでもマウスでタップすると異様に反応が遅いバグがあるので最近はMacでLumaFusion使っていないけど、使うとしても素材動画はまめにSSDに入れて、編集が終わったら削除するから(素材自体はNASに保存している)、256GBの容量で間に合ってる。
足りなければ外付けのSSDを買えば、速度的に十分実用的。2TBも4TBも普通の人にはいらんと思うよ。その差額で8TBとかのHDDを買った方がいいと思う。
新型MBPはSDスロットが内蔵してる?
USB-Cアダプターで十分でしょう?そんなに頻繁にデジカメの写真を取り込むの?
16インチはでかいぜ!
確かに。でも随分前にあった17インチのMacBook Proとか、もっと言うと15インチでも思ってたんだけど、あのクラスのラップトップは「キーボードまで遠い」と感じる。
でかいだけに、キーボードが奥の方にあって、自分的にはかなり手を伸ばさないとキーボードに届かない感じで「使いにくいなぁ」って感じてた。13インチぐらいの大きさがちょうどいい。
いや、家でメインPCとして使うから!16インチのでかいのが欲しいの!
いや、メインPCにするならiMacでよくね?コスパは絶対そっちの方がいいよ?
いや、持ち出すこともあるから!
いや、だからMacBook Airで十分だよ?
2つ以上サブモニターに出したいんだよ!
いや、それだったらM1 Mac miniの方がよくない?スペックは十分すぎるし、コスパは断然miniの方がいいよ。
と、考えれば考えるほど、新MacBook Proを必要とするターゲットが思い浮かばない。
4Kや8Kの動画を複数本がりがり編集するとか、Premiere Proで動画編集しながら同時にLogic Xで100本ぐらいあるトラックの音楽をリミックするとか、もうそんな無茶苦茶な使い方しか思いつかない。
そんな無茶苦茶ハードな使い方を外出先で必要になる人ぐらいしか思いつかないスペックなんだよね。
一般的にモンスター級のCPUとGPU性能が活きてくるのはゲームなんだけど、Mac対応のゲームはSteamでかなりしょぼい。特にGPUの性能を感じる3Dバリバリのアクションゲームは壊滅的に少ない。
しかも今のところM1 MacでBootCampなり仮想OSなりでWindows10/11が動く情報も少ない(パラレルズで動くという話だけど)。
そもそもラップトップで3Dバリバリのゲームをするなら、新型MacBook Proの半値近くで買えるかもしれないGeForce積んだWindowsのラップトップの方が絶対幸せになれる。
ボクは今年の春M1のMacBook Air(8GB/256GB)を買ってから半年になるけど、仕事でもプライベートでも「パワーが不足してる」と感じたことは一度もない。
ほんとに一回もない。
上位モデルが欲しいと思ったことはない。
画面はとてもキレイだし、フリーソフトのDisplay Menuを入れれば標準設定より広い解像度を設定できるから13インチでも十分だし。
それからMacの開発者自身も「バグかと思った」と言われるほど、バッテリーの持ちは異様。とにかく異常に持つ。
この半年、外出先や家の中でソファに座って作業する時とかはバッテリーだけで稼働させていたけど、バッテリーが切れそうで不安になったという記憶も一度もない。
LumaFusionで2時間ほど編集して、動画の書き出しを行い、youtubeにアップロードしてという作業をしても10%ぐらいしかバッテリーが減ってないなんてこともざら。
M1チップの省電力+高性能なパフォーマンスは圧巻で、そらインテルのCPUを見限るわなと思う。
これからM1系Macのラップトップを検討するなら、ほとんどの人はM1 MacBook Airでいいと思う。10万切るぐらいの値段だったらもっと良かったね。
モンスター級のマシンがラインナップされていることはいいことだと思う。でも価格とパフォーマンスを考えて、本当にあれだけのスペックが必要なのかはよく考えるべき時代だと思う。
デスクトップに関しても、メモリさえ潤沢に積んでおけばさっき書いたようにCPUはオーバースペックな時代なので、5-6年前のMacでもさくさく動く。実際地震で倒れて画面が割れるまでボクは2014年モデルのiMacを2019年までメインPCとして使っていた。
いろんな意味でM1 MacBook Airこそ万人に自信を持って「いいラップトップだよ」と勧められるパソコンです。