壊れた時もう一度同じものを買うのが本当のお気に入り
いろいろモノを買って、断捨離して、結果今ボクが持っているものはすべて「存在理由」を説明できる。説明できないものは捨てたからだ。
しかし「今これが壊れたら同じもの買うか?」と自問すると、そう多くはないことに気付いた。
今は気に入って使ってるけど壊れたりなくしたら、もう一度これを買うほどではないなというモノばかり。
iPhoneとかMacとかiPadとかAppleWatchとか。
いや、まぁ恣意的にアップル製品を並べたわけだけど。
先日買ったGRIIIは大変気に入っていて、これの代替えになるデジカメが見当たらないのでこれが今壊れたら同じものを多分買う。
では「多分」ではなく「絶対」買い戻すものはなにか。
ざっとボクの部屋のお気に入りたちを眺めていて現状2つしかないことに気付いた。
ひとつはアコギの王様マーティンのD28。
15年ほど前に勢いで買った。当時の価格で35万ぐらいだった。
それまでボクは中学1年の時に親父が買ってくれた、その店で一番安かったヤマハの1万2千円のアコギをずっと使っていた。
プロを目指すわけでもなく、人前で演奏することもそうはなかったのでこれでいいやと20年以上使ってきたのだけど、ある楽器店のオープン記念の時に店にあるマーティンを全部弾かせてもらったら、プロも愛用者が多いこのD28というモデルが自分には抜群に相性がよくて、気付いたら「これください」と言ってた。
あれから約15年。
今もほぼ毎日弾いてる。飽きない。弦を鳴らす度に「いい音だ・・・」と惚れ惚れする。
翌日また弾きたくなる。指が痛くならないのであれば、ご近所の迷惑にならないのであれば、ずーっと握っていたい。それぐらいの音が鳴る。
マーティンのモデルは数あれど、また昔は「死ぬまでに一度は手に入れる」と思っていた000(トリプルオー)も、今やD28の前では霞んでいて、もし盗難でなくなったり、地震で壊れたりしたら、同じD28を買い直すと思う。
ただギターに詳しい人の話だと当時のD28と今販売されているD28は製法が変わったために以前のものほどよくないという話も聞いた。
だとするとなおさら今手元にあるこのD28を大切にしたい。
そしてもうひとつが今年買ったソニーのイヤホン:XBA-N3。
売価で4万円を切っていて、フラッグシップというかハイエンドと言われる分野においてはどちらかというと価格の安いヘッドホンだけど、ボクは「これでいい、これがいい」という最高のイヤホンになってる。
おうちで毎日必ず30分する昼寝のお供もこれだし、ほぼ毎日シャワーを浴びてベッドに入るまでの30分ほどワイン片手に暗くした部屋でじっくり音楽を聞くのもこのイヤホンで。
イヤホンひとつでこんなに音楽の世界が変わるのかと思い知らされた製品だった。
ボクはXBA-N3を買ったおかげで、今世の中で大変話題になっている完全ワイヤレスノイキャンヘッドフォンはまったく興味がなくなった。
ボク自身AirPods Proや、WH-1000X M3、WF-1000X M4を持っているけど、ほとんど使わなくなった。
XBA-N3の突き抜けるような音圧と「オレ専用」リスニングルームが頭に広がる開放感、「透明」という色が見えるような澄んだ音。
これを一度でも味わうと、どんなにいいワイヤレスイヤホン/ヘッドホンでも「所詮圧縮音源でしょ」と満足できない。
素晴らしいイヤホンを作ってくれたものだ。
そのソニーが「最高」と位置付けるイヤホンがIER-Z1R。一度聞いてみたいなぁ。22万円もするから気軽に買えないしね。
そんなわけでXBA-N3より良い音を出すイヤホンをボクはまだ知らないので、これを失ったら間違いなくすぐに買い戻すと思う。このイヤホンがない生活なんて耐えられない。それぐらい中毒性のある音を聞かせてくれる。
という2つは間違いなく自信を持って「同じものを買い直す」と言えるものたち。
それ以外はもちろん気に入ってるから部屋に置いているわけだけど、同じものを買い戻すかと言われたら「うーん、そこまでは・・・」というものばかり。
裏を返せば、D28とXBA-N3はよくぞこのものたちと巡り合ったと自分の人生を褒めてやりたいほど気に入ってると言える。
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