ヘッドホンを探す旅の終着点
結論から先に書くと、今はソニーのXBA-N3が最高。今年の間違いなくベストバイ。毎日しっかり音楽を聞いて、毎日鳥肌が立ってる。こんなに鳥肌立って大丈夫か自分の肌、と思うぐらいの音が迫ってくる。
基本的にソニーの音が好きなので今後もソニーのヘッドホン/イヤホンを中心に買うと思う。これより上のヘッドホンもたくさんあるし、なによりバランス接続対応のDAPが欲しいので、将来アップグレードをする気持ちはある。
でも今できる範囲で最高の音がXBA-N3だった。音楽を聞く喜びを再び思い出させてくれたイヤホンがこれ。
思い返せばこの2年迷いに迷ったヘッドホン/イヤホン選びだった。その経緯を紹介したいと思う。
最初は初代AirPods(proではない)が出た時、その話題性もあり、買ってみた。
しかし2万円近くもするのに貧弱な音とつるつる滑るコーディングのおかげで取り出す度に、しまう度に道路へ落としてしまいそうになるストレスから、すぐに使わなくなった。
そして次に買ったのがソニーのワイヤレスノイキャンヘッドホンのWH-1000XM3。2019年の夏に買った。
音質はとてもよかった。Bluetoothヘッドホンもここまで来たかと感動していた。
オーバーヘッドホンの取り回しの悪さは承知の上で買ったので、そこは問題ない。
しかし、その年、WH-1000XM3を買ってからすぐにAirPods Proが出たんだよね。
ノイキャン対応、音もいいらしい。なによりApple製品との相性が抜群にいい(iPhoneやiPad、Macとの切り替えが非常に楽)。
AirPodsは失敗だったけど、Proは試してみる価値あるかもと、1ヶ月しか使わなかったWH-1000XM3を友人が半額で買うと言ってくれたので、AirPods Proを買った。
確かにAirPodsに比べれば音は悪くない。でも「そんなにいいか?」と言われたら、「これで3万円?」と首をかしげるレベル。
個人の好みもあるんだろうけど、ボクはアップル製品はどれも音は良くないと今は思ってる。iPhoneもiPadもAirPodsなになにも、同じ値段もしくはそれ以下で他社製品の方がはるかにいい音を出すものがたくさんある。
AirPods Proも価格が12,000円ぐらいなら「まぁこの値段なら」と納得できていたと思う。
でもまぁせっかく買ったのだからとしばらくは使っていた。
しかしやっぱり低音が全然物足りなく、音質も「薄いカーテンの向こうでいい音が鳴っている」という感じで、加えて相変わらず落としやすいツルツル仕上げなので、やっぱり使う気が失せた。
地下鉄の線路にAirPodsを落とす事故が多発したらしいけど、ほんとになんでこういう工業デザインにしたのか首を傾げる。どう考えても落とすでしょ、この触感は。
AirPods Proを聞けば聞くほど売ってしまったWH-1000XM3の良質な音が忘れられず、そんな別れた恋人を懐かしむロマンチストの気持ちでいたら、WH-1000XM4が出た。
なので買った。
バカだよねぇ。XM3を売らなけりゃいいのに。
XM4は大きな進化をしていたけど、XM3と比べて劇的と言うほどでもなく、XM3に満足しているなら買い換えるほどではないと思う。
でも新規で買うならXM4はアリ。いい音してるもの。
そして今年2021年春、ソニーから小型ワイヤレスノイキャンイヤホンのWF-1000XM4が出た。
もちろん買った。オーバーヘッドホンのWHは音もいいし、使い勝手もバッテリーの持ちも満足してる。
でもこれから夏を迎えるからオーバーヘッドホンだと蒸れるよね。
WH並みに音がいいと前評判のWFなら蒸れることはないし、かさばらないし、最高じゃん!と、なんだかんだ買う理由を見つけて自分を励まして、予約購入。
その結果、確かに音はいい。WHほどではないけど、外で聞く分には音質に関してはAirPods Proなんか比べ物にならないほどの没入感+迫力がある。
ただ、難点を上げるならイヤーピース自体が大きくなっていて、耳が痛い。
イヤーピースカバーがたくさん付属してくるんだけど、そもそも本体の口径がとても大きいので標準的な日本人だと多分どなたも耳が痛くなるのではないかと想像する。
口径が大きいので耳に装着もしずらい。毎回ぐりぐり回しながら耳に突っ込み、フィットする場所を探さないといけない。これ、ソニーは完全に設計間違えたよね。
音をよくしようとして口径を大きくしたために、逆に装着しにくい、30分ほどで耳が痛くなる現象が多発して「うーん、だったら多少音悪いけどAirPods Proでいいや。落としやすいけどつけやすいことは確かだから」ってなっちゃう。
だから音質には満足したものの結局夏の間はAirPods Proを使っていた。
しかし、前年も同様だったけど、AirPods Proを使えば使うほど「コレヂャナイ」感が出てくる。
だったら、やっぱり有線だよね、どうせ買うなら後々後悔しないいいものをと探し回ってたどり着いたのが冒頭のXBA-N3だった。
すぐに聞きたかったのでビックカメラに行き、現物を見て買い、ビルのトイレで開封して、出てくる時にはアンドロイドスマホに接続して聞いていた。
トイレから出る瞬間、1曲目が流れてきたのだけど、歩きながら腰を落としそうになった。
なんだー、この音はー!!!
さっきまで聞いていたBTヘッドホン(AirPods Pro)の音はなんだったのだ(iPhoneだったけどね)。
ほんとに同じ曲?
いきなり目の前の霧が晴れて、青い空と青い海が広がるような感じ。
「すーっ」と周りの世界が消えていき、アーティストが作ろうとしていた音楽の世界が頭の中で圧倒的な存在感を持って広がる。
こ、これがソニーの本気のイヤホンか・・・今まで聞いていた音楽はなんだったんだ・・・
と腰が砕けそうになるぐらいだった。
それが今年の7月のこと。
それから3ヶ月、相変わらず昼も夜も、家でも出かける時でもずっとXBA-N3で音楽を聞いてる。
この最高な音質で音楽を聞いているうちに強く思ったことがある。
それは「何年あるか分からないけど残りの人生、この音質で音楽を聞かないと嘘だよな」って。
残りの人生、音楽を聞く時間はあとどれぐらいあるんだろう。
音楽を聞く機会はどれぐらいあるんだろう。
そう思った時、こんなに音楽が好きなら、残りの人生、音楽を聞く時間は本気の環境で聞かないと自分の人生、嘘なんじゃないか?と思ったわけです。
XBA-N3の音に慣れてからBTヘッドホンのWH-1000XM4やWF-1000XM4で音楽を聞くと(環境は同じ。アンドロイドスマホ+AmazonMusicHDのハイレゾ+イコライザアプリ)、CDとすり減ったカセットテープぐらい音質が違う。
どうがんばっても所詮は圧縮コーデックだから、復元された音は、そもそもの有線で伝わってきた音にはかなわない。
線を取り回す面倒はあるけど、この音質の差に気付いてしまったら、もう無線イヤホン/ヘッドホンには戻れない。
無線イヤホンやヘッドホンが出る度にyoutuberが購入したり、試供品を提供してもらって盛んにレビューしてるけど、ボクはまったく興味がなくなってしまった。
今後も無線系は買うことはないと思う。
そういや有線イヤホンをレビューしてるyoutuberっていないよね。
ボクの次の目標はバランス接続に対応したDAPとソニーの最高級イヤホンです。
ソニーストアだと21万超えなのにアマゾンだと15万切ってますね。買おうかな・・・。
終わりに
2年以上かかってようやく結論に達した自分なんだけど、今振り返って思うことがある。それは
「求めているのはノイズキャンセリング機能なのか、音質なのか」
ということ。
確かに有線イヤホンにノイキャン機能はない(ソニーのDAP+ソニーイヤホンとかなら別)。
でもどちらが優先事項なんだろう。
最近のyoutubeや雑誌のレビューを見ていても「ノイキャン性能はすごい!周りの音が全部消える!そして音楽の音質もこの値段にしてはとてもよい!」とか、そんなのばかり見てる気がする。
優先度が「ノイキャン性能>音質」になってる気がする。
でも3ヶ月毎日聞いていてもまったく飽きず、それどころか「もっと音楽を聞いていたい」と思うXBA-N3を使っていて思うのは、ボクの中では今優先度は「音質>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>ノイキャン性能」となってる。
そもそもカナル型イヤホンなので装着して音楽を流した瞬間、ほとんど周りのノイズは消える。ノイキャンイヤホンほど自発的に音を消しに行くわけではないから「完全無音」みたいな世界は無理だけど、十分音楽に没入できるほどの静けさを届けてくれる。
ボクはこれからも音質重視でイヤホンを選んでいくと思う。
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