Rivian株大大爆進‼90%もの値上がり!!何故??今買うべきなのか??を解説します!!
今回はRivian株について解説したいと思います。RivianはSUVとピックアップトラックの電気自動車を製造している自動車メーカーです。消費者向けでは「R1T」と「R1S」を生産しており、アマゾンから大型投資を受けている事でも有名です。Rivianの電気自動車にAlexaを搭載し、空調やトランクの開閉等自動車の操作を行うようにする計画の様です。
そんなRivian株ですが、6月末時点から7月にかけて株価が最大90%上がる大爆進を見せています。今回は何故Rivian株がここまで大きく値上がりしたのか、今後はどうなるのか、買うべきなのか、について解説したいと思います!!
① Rivian株が何故値上がりしたのか?
まず何故Rivian株が値上がりしたのか、理由はいくつかあります。まず一つ目はRivianがTeslaの北米充電スタンダードに適用し、これによりRivianユーザーは2024年から12,000以上のスーパーチャジャーにアクセスする事ができる様になった為です。これは非常に効果的な動きであり、Teslaの充電器はアメリカで一番の規模を誇っています。そしてRivianの潜在顧客からして見るとR1TピックアップトラックとR1S SUV購入の動機にもなります。この動きに期待していた投資家はRivianの最新の出荷台数に注視しており、結果としては13,992台生産、12,640台の納車を6月末時点の4半期で行っており、投資家の期待に応えました。この納車台数は前四半期比で60%近く急増したことになり、更に生産台数と納車台数の差がかなり縮まった事により、需要の高まりを示しています。Rivianはまた、今年中に5万台を納車する予定としています。
更に他の要因としてAmazonがRivian製のカスタム電動デリバリーバン(EDV)をドイツを皮切りにヨーロッパで始動させる事を発表しました。AmazonはRivianの投資家/パートナーであり2019年に100,000台のEDVを2030年までに購入する契約をしています。しかし実は今回のこの発表はそこまで重要ではなく、それ以上に過去2、3年のRivianの生産速度が遅かったことから、Amazonに本当にEDVを供給する事ができるのかという懸念があったが、この発表により懸念が払しょくされた訳です。以前は提携そのものが危うくなるのではと、危惧する声もあったようですが、今は問題無いようです。RivianのR1Tピックアップトラックは2023年上半期最も売れたピックアップトラックとして表彰され、一部の投資家はこの株価暴騰はまだ始まりに過ぎず長期で続くものと考えている様です。
値上がりの理由はこれだけじゃありません。直近四半期(2Q)の納車台数が前四半期比で60%増加した事からWedbushという投資会社のアナリストDan Ivesがターゲット株価を$25⇒$30へと上昇させました。Dan Ivesは長期的なビジネスモデルの実行に向けRivianは大きく舵を切ったとBarron‘sの記事でコメントしています。またR1Tが2023年上半期で1番売れたピックアップトラックに選出された事により、Rivianは以前の製造、サプライチェーンの問題を克服し、Rivianの需要は伸びると言っています。またBarclays(投資会社)もターゲット株価を$22⇒$30へと上げています。
こう言った複合的要因により株価が大きく上昇している訳です。
② 今後はどうなるのか?
今後はどうなるかという所ですが、まずは生産台数についてです。Rivianは2023年の生産台数を50,000台と設定しています。経営陣はこの数字に対して現状はオントラック(予定通り)としています。しかし前半の半年間で生産台数は23,387台だった為、残りの半年で約27,000台以上を生産する必要があります。実はそもそもこの50,000台を生産するというガイダンスは一部の投資家を失望させています。何故ならはWall Streetのアナリストの予想では60,000~65,000台と予想していた為です。しかしRivianの経営陣は社内の従業員へ2023年の生産台数は62,000台と予想している旨伝えいている様です。もし宣言通りの50,000台を超える事ができれば株価上昇に大きく貢献される事が予想されます。
次にライバルであるFord MotorのF-150ライトニング(電気自動車)についてです。Fordは人気で高収益のトラックのメーカーとして知られており、F-150ライトニングはまだ市場に導入されたのも最近で、Fordの人気が電気自動車のピックアップトラックにも進出してくることが予想されます。しかし、それでもRivianのR1Tは2023年前半で約16,500台の販売だったのに対して、FordのF-150ライトニングは8,757台と差は歴然です。
最後に利益率についてです。株価を左右する重要な指標としてGross profit/粗利がありますが、Rivianは2023年1Qでマイナス535millionという結果になっています。昨年度同時期はマイナス502millionだったので悪化している状態です。しかし、経営陣は2024年に黒字化を予想しています。もし現状予定している生産台数を上回る事ができれば本当に黒字化でき、その際は株価の値上がり繋がる可能性がありそうです。2023年2Qの財政状況の発表が2023年8月8日に行われる予定ですが、そこで黒字化は到底難しいと思いますが、良い意味でのサプライズが予想されている様です。
③ Rivian株は買いなのか?
そんなRivian株ですが、買いなのかどうかというと、個人的には短期的には買っても良いかもしれませんが、長期的には買わない、と言った所です。Rivianは多くの資金を彼らの第二の工場(ジョージア州)設立に充てています。しかしヨーロッパを含む地域での支出を減らしています。実は昨年秋にMercedes-Benzのバン部門であるDaimler AGとのジョイントベンチャーで電気自動車(バン)を生産する計画を白紙に戻しています。300台以上のアマゾンバンが既にドイツでは走っており、RivianはAmazonのおかげでヨーロッパ市場にDaimler AGとジョイントベンチャーを出さずとも進出する事が出来たのです。これは既存の工場で今後のピックアップトラック、SUVの生産台数増加に貢献することができるのです。
しかし良い事ばかりではありません。ほとんどの電気自動車のスタートアップ企業はRivianを含め資金を失っています。1Qの収益報告では黒字化からほど遠い内容となっています。GAAPベースでは$1.35billionの損失を出しています(昨年同期比では$1.59billionの損失だったので、若干の改善となってはいますが、、、)。粗利益は売上$661millionに対してマイナス$535millionとなっており諸経費を計算する以前に販売台数1台につき膨大な損失を出しているという訳です。これは現金消化を早め、1Qではフリーキャッシュフローはマイナス$1.8billionとなっています。Rivianは、2024年末までに売上総利益を黒字にすることを目標としているが、仮にすべての目標を達成できたとしても、少なくとも今後数年間は赤字となる可能性が高いため、株価上昇の可能性は限られているとも言われています。また長期戦略として2030年までに100万台生産すると経営陣は言っていますが、EVの市場は毎月の様に競争が激化しており、価格競争も同じで、利益を抑えられてしまいます。実際Teslaや他のメジャーEVメーカーは車の価格を下げていますがRivianは値上げしている位です。現在は市場参入したばかりで目新しいことから人気が出ていますが、いずれは他EVメーカー同様、厳しい価格状況や経済状況に直面する事となります。
Ford MotorやGeneral Motorsも同じ様な状況となっていますが、Rivianは彼らと比べ時価総額は半分にも満たない状態で財政状態も比較して悪い状況です。こういった状況を加味するとRivianの潜在価値は限定的かもしれません。
但し、先程お伝えした通り、いくつかのAnalystは$30まであがると予想しており、個人的には短期的にはこれくらいまでは株価は上がるのではないかと考えています。
これが私がRivian株を長期では買わない理由になります。