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Tesla株続落↓↓原因と今後について解説!!(2022年4月~6月)

引用元:Yahoo Finance

①    2022年4月26日に1日で何故12%も株価が下落したのか?

Teslaは2022年4月26日に1日で約12%も株価を下げました($998→$876)。それは何故かというとTeslaのCEOであるイーロン・マスクが44billionもの大金でTwitterを買収すると発表したからです。買収するだけならいいじゃん!!って思うかもしれませんが44billionという金額に対して投資家が懸念を抱いています。イーロン・マスクは資金を調達するためにTeslaに12.5billionの融資を含め25.5billionの債務及び21billion分の株式を確保しました。つまりイーロン・マスクは株により資金を得ましたが、逆に世界一の大富豪にも関わらずテスラ株に縛られているという訳です。また、テスラの投資家が懸念しているのはイーロン・マスクがTwitterを買収した事によりTeslaの経営に集中できないのではないかという事です。因みにイーロン・マスクはTesla、Twitter以外にもSpaceXとBoring Company、Neuralinkというベンチャー企業の代表でもあります。
現在自動車業界ではバッテリーに使用される原材料価格の高騰、上海のコロナによるロックダウンで半導体不足にも直面しています。Teslaは4/20の2022年1Qの決算報告では自動車部門の売り上げは87%上がり、16.86billionになると発表しましたが、上海のロックダウンにより1カ月分の生産が無くなりました。テスラにおける中国市場の売上は全体の約25%を占めており非常に大きな割合となっています。要はこんな状況下でTwitterの買収なんかしていないで、Teslaの経営に専念してくれよ、という投資家の思いが株価に反映されたわけです。

②   2022年5月に何故株価が下がったのか?

正直主な理由としては上記で上げた4月の時と同じ理由で尾を引いてる為です。Twitterの買収、上海のロックダウン、Supply chainの混乱といった所です。しかしもう一つの懸念事項が5月末に発表されました。それはVolks WagenのCEOヘルベルト・ディースがCNBCのインタビューに対して電気自動車事業において2025年までにTeslaに追いつき、追い越す事ができるとコメントしました。何故そんなことができるかというとTeslaにとって生産増加というのは新しい工場を建設いている今の段階では挑戦的位置づけであり、それに対してVolks Wagenはすでに工場をいくつも所持しており生産スピードを上げればよい為です。2022年の後半にはその動きが顕著に見られ、差が埋まっていくといわれています。特にバッテリーの生産においては重大な部品供給不足が今後数年間で電気自動車生産の課題になるとも言われています。しかし、Volks Wagenは2022年の半ばから安定した半導体供給網を確保できると自信持っているとの事です。
因みにTeslaのライバルはVolks Wagenだけでなく、GM、Fordも2022年には200万台の電気自動車を生産し、テスラを抜くと言っており、Teslaのライバル出現が5月の株価に影響を与えた様です。

③     何故2022年6月に株価が下がったのか?

理由は主に2つあります。まず1つ目はNational Highway Traffic Safety Administration(NHTSA)/米国運輸省道路交通安全局がTeslaのAutopilot/自動操縦機能の調査をエスカレートした為です。実はこのAutopilot機能により4年間で数十台もの衝突事故が発生しています。更にこの事故は救急車や消防車等First responder vehicleという緊急車両に衝突しています。特に2018~2022年に発生した16件の事故では15人の負傷者、1人の死亡が確認されています。これらの事故のほとんどは日が沈んだ後に発生しており、Autopilotのソフトウェアが警告灯、炎、コーン、矢印板等を無視した為に発生したと言われています。交通安全局は事故が起きた車の走行情報を運転補助システムを作っている会社からも集めています。また別件として高速状態で急ブレーキがかかるという事象も発生している様です。事故にまでは発展していませんが、この件についても交通安全局は調べているそうです。これが投資家の懸念材料の一つとなり株価を下げました。
もう1つは日本のニュースでも話題になりましたが、Teslaが10%従業員を解雇すると発表したからです。但し、後で内容を訂正し、10%の事務職を解雇すると発表しました。またTeslaは中国での新規雇用のリクルートイベントもキャンセルしています。これはTeslaが今後の需要減速を見越したものと示唆されたと考えられ、株価に影響を与えました。

④    Tesla株は今後どうなるのか?

とりあえず目下1つ大きなイベントがあります。それは株式分割です。Teslaは現在の株価を3分の1に分割する予定です。厳密には確定はまだしておりませんが、2022年8月4日に行われる株主総会で投票が行われ正式決定されます。株式分割するとどうなるかというと今持っている1枚あたりの株価が3分の1となり株数が3倍に増えます。その為資産価値が変わることは無いですが、株価が下がることにより株式購入がしやすくなり、一般投資家の更なる流入が見込まれます。短期的には株価が値動きする事はあるかと思いますが、長期的には会社の本質としての価値が見られるので、株式分割で影響が出る事はないと考えられます。
もう1つ別件ですが、電気自動車バッテリーのサプライチェーンの話が出ています。TeslaはバッテリーのこれまでPanasonicから購入していましたが、他社からの購入も検討している様です。その他社というのはBYDという中国の会社になります。BYD自身も電気自動車のメーカーであり、去年は60万台の電気自動車を販売しています。因みにTeslaは90万台で2社を合算すると去年の世界の電気自動車販売台数の約3分の1を占める事となります。しかし、上記でも記載した通りGM、Ford、Volks Wagen、加えてToyota等ライバルは沢山おり、電気自動車の生産台数を増やしています。Teslaはライバルに負けないためにBYDをリン酸鉄リチウム電池(LFPバッテリー)のサプライヤーとして加えました。このLFPバッテリーはニッケル、コバルトベースのリチウムイオンバッテリーよりも安全かつ安いと言われています。これにより他社と差別化を図る訳です。BYDはTeslaとタッグを組む事で取り上げられましたが、実はBYDは投資の神と言われるウォーレン・バフェットがCEOを務めている投資会社:Berkshire Hathawayの投資先であり7.7%の株を所持しています。Berkshire Hathawayに認められた=投資の神に認められたという事もありBYDは今後大きな期待ができるかもしれません。
この様にTeslaは業界をリードしているだけあり、やはり先手先手で新しい事へ挑戦したり、改善を試みています。確かに2022年はTeslaにとってタフな1年になると思います。イーロン・マスク自身も経済に対して”super bad feeling”と発言しており、Tesla自身というよりもコロナ等の外的要因が大きくなるかもしれません。また多くのライバルも出現しており、相対的に見ても厳しい競争になってくることは間違いないと思います。私個人としては少なくとも2022年一杯は株価は低迷し、それ以降は他社との競争が激化してくる為、更なる革新等がなければ長期的に見た時のTesla株の株価上昇というのは難しいかもしれないと考えます。


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