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【アーマード・コア6】エンブレム考察〜ブランチ+α〜

エンブレム考察シリーズ最終回となるのは、ブランチ編だ。

まず仕事が忙しく、投稿に期間が空いてしまったことをお詫びしたい。

ブランチについて以前考察した記事があるので、そちらも併せて読んでいただけるとありがたい。


ブランチの入れ替わりシステムには判明していないことも多いが、パイロットネームだけでなく、エンブレムや機体名も引き継いでいる可能性があるので個人に結びつける考察はしにくいことを予めお伝えしておく。

ー シャルトルーズ

シャルトルーズのエンブレム

モチーフは、琥珀とそれで型取られた牛(?)。ゴツゴツとした形状からドラゴン(竜)のようにも見える。

ブランチのエンブレムには”植物”を意匠とする特徴があり、シャルトルーズは琥珀(アンバー)がエンブレムに取り入れられている。

琥珀はかなり脆い宝石(樹脂)のため、エンブレムのあちこちにヒビが入っている。
また、色は琥珀の赤みの強い透き通るような色ではなく”黄金色(アンバー色というらしい)”になっている。琥珀は”樹”液が化石になったものであるため、何となく「黄金樹」との関連性も見えてくる(こじつけ)。

牛については、かなり原型をとどめていないので微妙なところではある。
顔中についた棘は、牙や爬虫類の特徴である。差し詰めドラゴンの顔ではある。

似てはいるが…

ただ、これらの特徴を踏まえて改めて命名するとAC名が「ゴールデンドラゴン」という情緒も何もない名前になるので、これは琥珀と牛で良かった。

シャルトルーズ自身が「見つ合うと死ぬ女傭兵」として知られている事から、正面火力が高いACを駆っているのだと考えられる。

見つめ合う(牛と闘牛士は正面で向かい合い、目が合うと突進してくる)。

死ぬ(高火力=ドラゴン)。

女傭兵(これもかなりこじつけだが、妙に円形を描いているエンブレムの角の部分に注目すると「♀」の意匠に見えなくもない)。

という事ではないだろうか?

AC名”アンバーオックス”

直訳すると琥珀雄牛となるが、勿論そんな生き物はいない。

オックスは、雄牛の中でも特に去勢されたものを示すらしく、シャルトルーズ自身が何かしらの性転換手術等を行ったことを暗示しているのかもしれない。
そう言われれば中性的で男勝りなニュアンスを感じる声であったし、レイヴンオペレーターよりも身長はかなり高いのであり得なくはないのかもしれない。

勿論、初代シャルトルーズがそうだっただけで現シャルトルーズが性転換したとは言い切れない

また、アンバー(琥珀)の由来だが、アラビア語の「海を漂うもの」から来ているという説があり、(初代または現)シャルトルーズの出自が星系を漂う流浪の民である可能性を示している。

琥珀が電磁気現象発見のキッカケになったことについても、コーラル云々とこじつけられそうだが、流石にやりすぎなので自粛する。

余談:シャルトルーズは「リキュールの女王」と呼ばれる、薬草系の果実酒で「キング(王)」と「シャルトルーズ(女王)」で対比が取られるネーミングになっている。


ー キング

キングのエンブレム

モチーフは”菊の花”と”王冠”。エンブレムは幾何学模様のようだが、よく見ると花弁のようにも見える。

エンブレムにはシャルトルーズ同様、植物が意匠に取り入れられていることが分かる。

キングのエンブレムはパーツが多いので一個ずつ分けて考えてみよう。

  1. 銀の王冠

  2. 藍色の逆五角形

  3. 切れ込み(大きな星形)

  4. 大量の五角形(切れ込みの奥に見える)

「銀の王冠」はシャルトルーズの「黄金の牛」と対比になっている。
また、シャルトルーズは女性的なシンボルが多く取り入れられているのに対し、キングの”王冠”は対比となる男性的なシンボルだ。
ブランチの二人はエンブレムによって対比表現がなされている部分が多くある。

「藍色の五角形」。五角形は隣接する頂点以外の頂点同士を結ぶと星形になる。五芒星と呼ばれるそれは、東西の文化圏で呪いや儀式の符号として用いられてきた。
この五角形はいわゆる逆五角形で、これで星形を作ると「逆五芒星」が出来る。逆五芒星は”サタニズム”の象徴で、その教義は「悪の力を持って善の力に打ち勝ち、世界滅亡を果たす」だ。
真レイヴン考察でも言及したが、ブランチは「戦争を起こすこと自体が目的」と取れる振る舞いをしているため、かなり関連性のあるシンボルだ。

「切れ込み」は星形になっている。花の「雌しべ」や「雄しべ」のようだ。
ただ、切れ込みは周囲を覆う円の外まで伸びている。これは、何かエンブレム自体を切り裂いているように見える。
王冠やサタニズムといった権威や主義を切り裂く”星”は、ドルマヤンのアストヒクなどコーラル関連でよく出てくる表現だが、コーラルだけでなく何かしらの「大きな生態系の流れ」「生命循環の理」という意味で星形が用いられているのかもしれない。

「大量の五角形」はこれは、上述した星形の切れ込みの裏側にある。
考えすぎかもしれないが、これは”現実世界と平行する、もう一つの世界”を表しているのではないか?
「現実世界に何らかの方法で穴や裂け目を生み出し、平行する幾何学的な世界へアクセスする」という風に解釈すれば、ブランチの目的が単に「戦争を起こす」だけでなく、それによりもう一つの世界へ辿り着くというように解釈できる。

AC名”アスタークラウン”

アスターはシオン属の花と、エゾキクに対しつけられる名前である。クラウンは、そのまま王冠。
直訳すると花冠といったところだが、考察できるところでは花言葉くらいしか見つからないのでパスする(花言葉そんなにすきじゃない)。


ー レイヴン

レイヴンのエンブレム

モチーフはカラス。カラスの下にはカラスの死骸があり、共喰いを行なっている。

このレイヴンのエンブレムには、全エンブレムで唯一機体名がそのまま表記されている。歴代ACシリーズのエンブレムによっては、これはファンサービスなのかもしれない。

カラスは、鳥葬に利用される鳥で転じて冥界の使者として見られる場合がある、また北欧神話の主神オーディンの使い魔で世界を観測する役目が与えられている。
「カラスの共喰い」は「新旧レイヴンの交代は殺し合いによって行われる」ことを示し、「冥界の使者」は「ブランチメンバーを死後別世界へ連れていく」役目があることを示唆している。

「オーディンの使い魔」は今のところ要素としては出てきていない。ただ、真レイヴンとの対決時、「この傭兵には可能性がある」と言っていることから、621がオーディンの存在まで辿り着ける可能性を感じているということが考えられる。

なぜなら、「真レイヴンを倒し、本物のレイヴンになれる可能性」を指しているなら、それは実際に戦っている最中なのだからわざわざいう必要はないし、「コーラルリリースを行える可能性」とするなら621だけでなく「エア」にも話しかけるはずだ(オールマインドはエアを認識しているのだから、レイヴンがコーラルリリースに興味があるとしてエアの存在を知らないわけない)。
勿論、「この傭兵の選択が、この世界を大きく変える可能性」というのが最も安直な答えなのだが、「この世界の真の王を倒せる可能性」とした方が、フロムの王殺しのモチーフ的にはカッコいい。

真レイヴン考察では、レイヴンをNESTから発生したAIとして結論づけた。これは、621(人間)とエア(コーラル)という関係性に対する、レイヴン(AI)とオペレーター(人間)という対比の構造にもなっているため、非常に有力な説だと個人的には思っている。
また、レイヴン(鴉)はナイトフォール(夕暮れ)にNEST(巣)へ帰る習性を考慮すると、意図的に結び付けられた関係性の線だと考えられる。

背景色は黄昏時の夜と赤い空が混ざった色をしている。ナイトフォール(夕暮れ)なのだろう。

AC名”ナイトフォール”

直訳すると「夕暮れ」。カラスと言えば夕方に鳴き声を上げながら帰巣する。この時の方角は、必ず太陽に向かって飛ぶらしく、古代からカラスは太陽神の使いとも言われていた。
太陽といえば恒星なので、恒星間航行を行う今作の世界では、ブランチ=レイヴンは恒星間を股にかける戦争犯罪集団なのだと考えられる。


ー C4-621(偽レイヴン)

621のエンブレム

モチーフはカラス。だが、真レイヴンのものと比べると、デジタル化されており表示が揺れている。揺れは翼に集中していることから、借り物の翼ということを示唆しているのかもしれない。

これは、データだけを偽装したことによる破損状態を表しており、今作のテーマであり、レイヴンであるための条件である「選びとる者」ではない事を示している。

AC名”LOADER4”

直訳すると「積荷人、読み込み装置」で、この名の通り621をルビコン3まで運び、真エンディングでは新たな命を乗せる揺籠として、その役割を全うしている。

また、読み込み装置であるため、エンブレムの表示の歪みは”読み込んでいる途中で、真レイヴンのその意図、膨大な情報を処理しきれていないユーザー”を表しているのかもしれない。


ー エア

エアのエンブレム

モチーフは波形。赤い波線が4本重なっている。

エアは、コーラル内で発生した「異常波形」と呼ばれる存在で、異常波形の特徴としては「知性があり、旧世代型強化人間と交信ができる」。
この交信をする際に表示される音声波形が、エンブレムの元ネタになっている。

波形が4本重なっている理由を考察するのは難しい。AC6のエンディングは3種類だし、作中で4に関連するキーワードは見つからなかった。

コーラルは粒子だが群知能のようなものを持つ生命体で、コーラル群内で発生するエネルギーの流れのようなものが彼らの知性だと思われる。

想像しやすいように言い換えると、コーラルは”神経細胞”で、細胞の一つ一つには知性はないが集まると処理能力が向上し、意思のようなものを持った振る舞いをするイメージだ。
だが、あくまで本物の知性を持っているのは異常波形だけで、通常のコーラルの知性は植物のそれと同じだ。外敵から身を守るような積極的な活動は行わず、あくまでコーラル同士で身を寄せ合い、増殖することだけが彼等の生命活動だ。

通常コーラル内では人間の意識を保つことは難しいらしく、大抵の場合、自我がコーラルに飲み込まれてしまう。

自我が飲み込まれると言うのは、コーラルの向精神効果によって精神が破壊されるのではないと思われる。
なぜなら、科学的な致死量があるとすれば621は絶対に死んでいるはずなのだ。だが、彼は致死量のコーラルを浴びた上で生きている。これには何かしら理由があるはずだ。

今作のACは大気圏外での活動もできるため、気密性は折り紙つきだ。これによって行き残った可能性も考えられるが、少なくとも意識を失っているので、他の可能性を考えたい。

それが「コーラル群、情報の塊説」だ。自我が飲み込まれるというのは、コーラルによって大量の情報が流れ込み、人間のちっぽけな脳みそに蓄えられた「自分という情報」とそれ以外の区別がつかなくなりってしまうのだ。
例えるなら、川の流れにコップの水を注ぐようなもので、コップの水は他の水と区別できなくなり、二度とコップには戻れなくなる。

自我が飲み込まれるという表現はこう言った現象が起きることを指しているのではないか?

コーラル群が情報の塊なのだとすれば、そこからどうやってエアは誕生したのか?

その方法が「波」なのだろう。大量のコーラルの中であれば、一つのコーラル粒子に知性が宿ったところで意味はない。コーラル群に流されて自我が破壊されて終わりだ。
そこで、コーラル群の流れ自体が特定のパターンを描くことで、中身の粒子が入れ替わっても同じ情報を示すように生まれたのが「異常波形」なのだろう。

この異常波形は他のコーラル群に飲み込まれても、混ざらずに特定もパターンでエネルギーも流れを描く。水中で渦を作ると、全体の流れと独立して、視覚的にも認識できる竜巻を作り出す。異常波形はこれと同じ原理だと考えている。


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まとめ

長かったエンブレム考察シリーズも一区切りつき、他に書きたい考察も今の所無いため、今後はゆっくり考えながら何か取り留めのない考察もどきを投稿するようにしていく。

AC6考察も全体的に大分煮詰まり、XやYouTubeを見ていても画期的な新しい説は生まれなくなってきている。

そんな中でも、他の人が考察していない新しい領域にちょっかい出すことがモチベーションの一つだったが、もう既に未開の領域はなくなり、そこは先人達の素晴らしい考察が並んでいるという現状だ。

本考察もその内の一つにでもなれたら、なんて烏滸がましくも思っているので良ければ、スキ&フォローを是非是非。

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